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    とつぜん終わるやまつばの朝
    何も考えず「アウトプットがしたい」だけで筆を走らせた
    内容が思いついたら続き書きます

    #やまつば

     目が覚めて初めに思い浮かぶのは一番気になっていることだ。途中の課題を前にして時間を確認するように、悲惨な夢の内容を思い出し震えるように、俺にとってはそれが愛する人間の所在であった。
     椿は死なず衰えない体を持っている。不老不死と呼ばれる不可解な事象の詳しいことはほとんど分かっていない。ただ彼は死ぬような怪我をしても命が絶えることはなく、傷すらもなかったことになる。心臓はどんな時も動き続ける。しかし、たまに止まることもある。それでも椿は生きて俺の隣で笑うし、同じベッドで夜を越えていた。
     寝ている間に椿が死んでいることなんてほとんど有り得ないことなのに、俺は心配でたまらない。目を離した隙にいなくなっている想像をしては頭が痛む。夢だと言われたほうが納得するかもしれない。それほどに椿を愛していた。そして、彼の存在は不確かだった。
     だから今日も俺はすぐに隣を確認する。そして、瞬きひとつせずにこちらを見ている椿と目が合った。更に大きくなった丸い瞳は、おそらく歓喜を表しているのだろう。
     俺には愛する人間が少ないし、俺を愛する人間も少ない。それ故に咄嗟に正しいコミュニケーションが取れないというだけで、多分ここでの正解は叫ぶことだった。心の中では叫んでいたけれど、それを表に出す能力こそがコミュニケーション能力なのだと思う。
    「おはよう大和、眠いねえ」
     ふにゃりと顔を綻ばせる椿につられて「おはよう」と言う。六時間と少しの間ずっと俺の寝顔を見ていたのだろうか? そうだとしたら、目薬を差してやらないといけない。不死身の体は案外不便も多く、人間が身体を労わるため当たり前に脳から送られてくる信号が欠けていたりする。今も椿は口を大きくあけて欠伸の真似事をしているけれど、涙が滲むことはない。あくまでごっこ遊びのようなものだ。
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