魔法少女パロの「降魔は我がすべき務め! 風に抱かれ永遠に眠るがいい!」
「グワァァ」
魔法のステッキを振りかざし、円を描き風を集め対象へと放つ。それはスライムのようなものに見事命中し、対象は光を放ちながらどろどろに溶けていき断末魔をあげていた。
「う……うぅ……おれはただ……あの子と、仲良くしたかった……だけなんだ……」
じゅわりと歪な影が空中へ霧散していく。
「仲良くしたければ、いくらでも方法はあろう。こんな形でなくてもな」
霧散した中心から、美しい核と一人の男が現れた。核を手で囲み、そっとステッキの中心へと誘導する。これでやっと八つ目だ。
近くで倒れている少女は、スライムだった男に襲われ気絶していた。好いているが振り向いて貰えない気持ちに付け込まれ、妖魔となったのであろう。こんな場所で寝かせるのもと思い、硬いコンクリートから近くの公園の芝生の上へと運んでやった。
2847