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    5oma_n

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    5oma_n

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    オメガバロドの発情期入ったドちゃんとロくんの話、こういう展開にしたいけどオチがわからず供養…多分いかにもな展開にはならないのが弊社のオメガドラちゃかな…どうでしょうか。

    「ジョン、ドーナツ買ってきたぞ。ちょっと俺と交代しようか」
    蓋の閉じられた棺の上、丸くなりじっと息をひそめていたアルマジロが、ぱっとその身体を開き小さな声でニュンと鳴いた。実はアルファだったというジョンは、ロナルドとドラルクとがその番関係を結ぶ前まで、その脆弱過ぎるオメガにとっての騎士だったのだという。交わることはないとしても互いの絆が絶対であると信じてやまなかったジョンは、ふたりがその関係に至ったことを伝えると、えっ、という表情を浮かべていた。ロナルドにならドラルクのことを任せられる、という思いと、それはそれとて大切な主人の騎士の座は渡せませんよ、という思いとが拮抗したゆえの表情だったらしい。
    今でこそ抑制避妊剤は比較的容易に手に入れることが出来る。しかしほんの少し前まで、それらは一部の吸血鬼により一子相伝で伝えられる秘薬であったり、原材料すら入手しにくく更には配合も困難な薬であったのだという。今のように流通がされるようになるまで、ドラルクには発情期が訪れ、そのドラルクを守り続けてきたのがジョンだった。とはいえ、襲い来る不埒なアルファからその身を呈して主人を守るというわけではない。棺にひっそりと納まる主人の側を離れず、発情期が過ぎるのをそっと見守り続ける、というのが騎士たるジョンの使命であった。
    「ドラ公、返事できるか?」
    ドーナツのたっぷり詰まった紙箱を運ぶジョンの後ろ姿を見送ってから、ロナルドは棺の隣に腰を下ろした。コンコン、と蓋をノックすれば、暫くの後、ごく小さな音がこつんと一度だけ返される。
    「蓋開けるぞ」
    がこ、と蓋を開ければ、その中には塵を覆うようにしてロナルドのジャージが納められていた。うぞうぞと蠢いたそれはゆっくりと姿を変え、ドラルクの上半身を形作っていく。
    「具合どうだ」
    「うぅん……、悪くはないけど、良くもないね」
    肘をつき上半身を起こしたドラルクの下半身は、じわじわと足の形を作っては塵になり、また形を作っては塵になるのを繰り返した。入っていいか、とロナルドが伺いを立てる。ドラルクは溜め息ひとつと共にそれを承諾した。蠢く塵を踏まぬよう、そっと棺に足を踏み入れ、ロナルドは上半身のみのドラルクを後ろから抱きかかえる。
    発情期になったらどうなるのか、というかつてのロナルドの問いに対する回答が、今のこのドラルクの姿だった。番のいないオメガは、そのフェロモンを持ってして不特定多数のアルファを引き寄せるというのが世間一般の常識である。但しドラルクに限って言えば、そのフェロモンの撒布に身体がついていかなかった。汗や体臭に含まれるフェロモンを生成すること自体が負担になるのだろう、というのが抑制避妊剤を処方する医師、また同族のうち幾人かのオメガを見てきた祖父の見解だ。
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