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    脳筋ゴリラ

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    脳筋ゴリラ

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    銀嶺とミッチー

    「痛くしちゃったらごめんね」

    またこの男は突拍子も無いことを言う
    今まさに ヒロインが殺され、目が離せなくなったシーンだというのに

    「…は?何?発情期?」

    此奴を無視をすれば余計喋り出す男だと言うことを理解している美千代は、銀嶺に目を向け苦虫を噛み潰したような顔をした

    「…そんなのじゃないよ…
    俺が、ミッチーを殺すかもしれない日が来たとしたら」

    男は映画から目を離すことなく淡々と、しかしいつもとは違う様子でそう言った

    「お前が?私を?」

    「痛かったら、ごめん」

    男は涙を流した
    あの戎狄銀嶺が、だ。
    涙は頬を伝って血色の悪い彼の手の甲に落ちる

    「…なんで泣いてんの キんモい」

    「先に謝っておこうとしたけど、もしそうなるとしたら悲しすぎるから」

    涙をぼろぼろと流しながら淡々と話す男に軽蔑の目を向ける美千代は呆れたように、ゆっくりと口を開く

    「気持ち悪… ていうかまずお前みたいな三流に殺される訳ないから、気っ持ち悪い妄想やめてくんない?」

    「うん」

    「女の目がぶっ飛ぶとこまで巻き戻して」

    「…」

    「巻き戻せよ」





    全身が真紅に染まっている 返り血だらけだ
    ここに来るまで何人の友達を殺してきただろうか
    色んなところを走り回ったので正直少し疲れた
    ただ 血で染まるのは安心する、心地が良い

    「ほんとに痛くしちゃった…」

    靴は汚れるが仕方ない これでも親友だったのだ そんな些細な事を気にしていても仕方がない
    片手で彼女の背に腕をまわし、既に硬直が始まっている手を握る

    「ごめんね ミッチー」


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