いざとなれば斬り捨ててしまえばいい。
その心情で生きれば、感情が乱されるようなことがあってもそれなりに飲み込むことができる。
例え目の前の相手がどれほど気に食わず不躾で不真面目で助平であろうとも、その気になればすぐさまその首を落としてしまえると思えば怒りは胃に落ちて消化されてしまう。
しかし、中々世の中そうはいかないらしい。
+
「で。俺にまとまりついてると」
「三毛縞殿ならば斬りかかれるので」
「そう断言されると否定したくなってしまうぞお」
腕にしがみつく後輩兼親戚もどきの頭に生えている尻尾を引っ張る。そんな斑に颯馬は痛いと抗議の声を上げるばかりで離れようとはしなかった。
「三毛縞殿ならば我が斬りかかってもどうにか出来る」
2724