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    palco_WT

    @tsunapal

    ぱるこさんだよー
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    palco_WT

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    おサノちゃんと諏訪隊ニキ。

    おサノちゃんが読モやってた雑誌はストニューをモデルにしてます。妻夫木くんとか押切もえちゃんとかいた頃の。ウィキには載ってないけどいしがきゆーま(平成ギャバン)もいたの覚えてる。

    「ほら、ココア呑むか」
    「どしたの珍しい。優しいじゃん」
    「俺は基本的に優しい男だぜ?」
    「うん、知ってる」
    「それに、特に、嫌なことがあったやつには」
     大きく広く、暖かい掌が、小佐野の髪を優しく撫でる。
    「分かっちゃうんだ~、諏訪さん」
    「分かるに決まってっだろ。俺はお前たちの隊長だぜ」


    「とは言ったものの、男の俺には話しづれぇこともあるだろ」
    「?」
    「悪いな、任せた」
    「微力ですが」
     諏訪と入れ替わりに入ってきたのは風間隊のオペレーターの三上だった。
     みかみか~、とおきゃんなおサノにしてはよろけた声で仇名を口にするのを、諏訪は背中だけで伺いながら、作戦室を出て行った。

     諏訪の見るところ、小佐野はここ数日、明らかに様子がおかしかった。それは堤や笹森も同じ見解だった。
     表面上はいつものマイペースでのんびりとして、屈託ない諏訪隊自慢のオペレーターだが、時たまぼーっとしてははっと我に返るとくしゃくしゃと歪めた顔を掌でぴしゃりと叩くように挟んでみたり、ふと気づけばクッションを抱きしめたままベイルアウト用ベッドに転がってじっとしていたり、スマホを眺めているようでいながら空いた片方の手が白くなるくらい強く握りしめていたりと、何がどうとははっきりとは言えないが、どうも「らしく」ないのだ。


     三上から連絡が来たのは、諏訪が煙草を三本立て続けに灰にしてから、ふらりと個人ランク戦会場に顔を出し、暇そうにしている顔見知りをブースに引きずり込んで五勝先取のマッチを何本かこなしてから、ラウンジで休憩していた時だった。

    「いいよ、おサノが自分で俺に話したくなるまで聞かなくて」

    「それとも、なる早で聞いといたほうがいい事案か?」
     そうですね、と三上は少しだけ思案し、
    「今度の新しいスポンサー、芸能プロダクションの共同代表だっていうあの男の人には用心したほうがいいと思います」
    「用心」
    「はい、用心です。おサノちゃんは当然ですが、他のオペレーターの子や、実行隊員でも女の子はふたりきりとかにさせないほうがいいです。オペレーター経由で周知しておきますけど」
    「……おいおい」
    「後で手回しして証拠を用意しますね」
    「手回し……証拠」
    「証拠はあったほうが何かあった時のために有効ですから」

    「ホント、ボーダー《うち》のオペレーターは優秀だねえ」

     実はね、と小佐野はふう、と一回大きく息をついてから、神妙な顔でお言葉を待っている風体の自隊の男どもを見やった。
    「読モやってる時にセクハラされたんだ」
    「!!!」
    「あ、みんな怒んない怒んない。昔の話だからいーの」
    「いや良くねえだろ」
    「腹いせに辞める時に、わざわざソールに鉄板の入ったゴリゴリのミリタリーブーツで思い切り蹴り上げてやったし」
     何をとは言わないが、何となくお察しできて、諏訪ら男子は姿勢を正して震えあがった。
    「もしかしてそれで読モやめたんですか?」
    「それが原因ってわけじゃないよ? ただ潮時だなと思ってたんだ。少し前から」
     小佐野は読んでいた雑誌をデスクの上に放り出した。東京ストリートイン、ストインと呼ばれている首都圏の高校生向けファッション雑誌だ。この雑誌の読者モデルから俳優やアナウンサーが多く輩出され、小佐野もよく載っていたことを、こういうジャンルにはさっぱりの諏訪でも知っていた。
    「綺麗な恰好して、フラッシュばしばし浴びるの気持良かったし、フツーの女子中学生やってるんじゃ会えない人や行かない場所に行ったりしたのは楽しかったけど、でもそれって自分だけがイイんだなと思ったら途端に詰まんなくなっちゃってさ」
    「そうかな。きっと、元気で可愛いおサノを見るのが楽しいって人もいっぱいいいたと思うよ」
    「ありがとう、つつみん」
     だったら良かった、とモデルの頃のように小佐野は鮮やかに微笑む。
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