Δクラノスについて徒然『転生したら吸血鬼だった件〜神のお告げを受けたので愛を貫きます〜』

•クラージィ:19世紀初頭の正教徒で、悪魔祓いの神父。ノースディンを討ちに来たことがきっかけで縁が続き、ノースディンと交友関係を持つ。実はノースディンを深く愛していたが、信仰との板挟みになり、最後まで直接言葉で伝えること無く60余年の生涯を閉じる。その後は村の教会の初代神父として、信徒により墓が建てられた。
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死の直後、「成すべきことを成せ」という神の声に導かれてΔ世界に吸血鬼として転生。Δ世界のノースディンが敵性吸血鬼との戦いで傷を負ったところ、足元の影から顕現し数多の黒い杭で相手を討つ。
「私は『黒い杭のクラージィ』——この世に仇なす悪魔を誅しに来た」

クラージィにとっては、どの世界のノースディンも同じと捉えており、霊魂は違えど「ノースディン」としてそれぞれの世界に存在する奇跡を神に感謝している。前世のノースディンとΔノースディンを比較することも無ければ、違いに気づいたとしてもそれを口に出すことは無い。
クラージィのこの世界での使命は、ノースディンを守り抜き、人生の最期を看取ること。そして、前世で言えなかった言葉を伝えることである。


Δノースディン:神奈川県警吸血鬼対策課の本部長。吸対隊長のドラルクは恩師の孫で弟子。互いにダンピールとして高い能力を持つが、ドラルクは頭脳と探知能力に全振りしている非戦闘要員であり、ノースディンは文武両道で同期をねじ伏せてきたスーパーエリート……なのだが、職務に全振りしているため私生活は持ち帰り仕事•風呂•寝るの生活力皆無な外面男。女性関係の噂は絶えないが、噂が一人歩きしているだけで本人は恋愛など面倒なだけと思っている。

高ランクの作戦中に単騎で敵性吸血鬼と遭遇し深手を負うが、その時自分の影から突如黒衣の吸血鬼が姿を現し、敵の捕縛に成功する。その直後、全く見ず知らずである筈の吸血鬼に「ノースディン」と熱く名を呼ばれ、混乱のまま気を失う。
後日、ルーマニア語が話せることを理由にVRCから勝手に監視係に任命されたノースディンは、黒衣の吸血鬼より「お前は私を知らないだろうが、私はノースディンを知っている」と謎めいた告白を受ける。
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自分が異世界にもう一人いることには半信半疑だったノースディンだが、話してもいない地名や人物名を言われ流石に認めざるを得なくなる。
クラージィをパートナーに戦いを重ねるうち、共に過ごす生活に特別な想いを抱くようになる。その反面、クラージィが執着しているのはあくまで別世界のノースディンであると思い込み、無自覚な嫉妬に人知れず悩む。

「正直に言え。本当は赤い瞳の方が好きなんだろう？」



•ノースディン:竜の一族にして、吹雪の悪魔と畏怖される古き血の吸血鬼。だが実際は「食事のため」とはいえ一貴族として村の生活を支え、一族直系でありながら極度に弱い真祖の孫ドラルクを屋敷に預かり、生き方を教えながら護り育てる心優しい一面を持つ。
悪魔祓いのクラージィと対峙した際は、ドラルクを護るために自ら杭を受けた。その後、信仰の揺らぎから教会を放逐されたクラージィを村人が保護したことで縁が続き、村に教会を建てて彼を神父に据え、30余年に渡り親交を続けた。
ノースディンにとってクラージィは当時最も体を重ねた相手であり、また最初で最後の人間の友でもある。クラージィから死の直前に手渡された手紙の内容は、彼の信仰を揺るがす一世一代の告白であった。

ノースディン自身はトリカブトの傷を消すつもりはなかったが、ドラウスの悪意のない治癒によりあっさりと無きものにされ、初めてドラウスに対し激昂する。
「私には、この感情が一体何なのかわからない」