クラさんの日常④次の猫カフェバイトの帰り、ほんの少しだけ緊張しつつも公園に寄れば
いつもの様に公園の前にちょこんと座っている黒猫を見つけた。
内心ホッとしつつ、近づき、いつもの様にベンチで可愛さを堪能した。
そんな日々が続いたある日。
この日も猫カフェのバイトだったが、店の都合でいつもより早く帰る事になった。
先日の事もあるし、おそらくまだあの黒猫は公園にいないだろう。
一度家に帰り、いつもの時間に散歩がてら公園に行こう。
そう思い、まっすぐアパートへと戻った。
アパートが見えてくると、見慣れた黒い物が視界に入る。
塀の上に、いつものひらひらしたスカーフの様な首輪をつけている黒猫が乗っていた。
静かに近づき、
「偶然だね」
そう声をかけると、その場でびくりと体を震わせ、こちらを見上げて硬直する。
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