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    shi18ba

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    支部へ上げた『as pretty as possible for disteny』のこぼれ話です。
    48兄妹書くのが、かなり好き😊

    #たいみつ

    『as pretty as possible for disteny』その後柴柚葉は頭を抱えていた。

    クリスマスの当日、自宅に大量のチョコレートが送り付けられてきたのだ。
    しかも、柚葉が好きなショコラトリーの、クリスマス限定のチョコレートたち。
    「自分へのプレゼントに買おうかな」と思ってはいたが、すぐに予約がいっぱいになって諦めた物ばかりだった。
    頼みもしないのにそんなレアな物が届くなんて、信じられないことだ。出来過ぎた夢物語か! と、普通なら思う。
    その上、信じられない相手が送り主なのだ。
    見間違えじゃないかと思って5分以上は凝視しているけれど、名前が変わることはない。

    『柴大寿』

    家族として愛してはいるけれど、同じくらいかやや上回るくらい殺したいと思っている兄からの、突然のプレゼント。
    もしかして、何か気に障ることでもして、毒入りチョコでも送って来たのか?
    ――私、何かやった?
    そんな訳で、柚葉は大好きなチョコレートを前に、喉から手が飛びだしそうな顔をしながら頭を抱えていた。


    ******


    時は遡り、同じ年の10月某日。
    柴大寿は、自宅で三ツ谷隆を腕に抱いていた。
    それは、三ツ谷の高校生活最後の文化祭が行われた日。
    ちょっとした行き違いがあったものの、結果として大寿はいつもと違う姿の三ツ谷を楽しむことができた。
    そして、今はピロートークの真っ最中。
    まどろみの中でふにゃふにゃと子猫のように喋る三ツ谷を愛でながら、大寿の頭へふと営みの際に持った疑問が蘇った。

    「それにしても、あの下着……。まさか、テメェが買ったわけじゃねぇだろうな?」

    「ふふふ、まさか。さすがにそれは無いよ」

    大寿はホッと胸をなでおろした。
    オレの三ツ谷があんな破廉恥な下着を買うところを、下着屋の女なんかに見られていなくて本当に良かった。
    いや、待て。よもやあんな下着を売っている店の店員が男などという事はないだろうが、もし店員が男だったら今からでもぶち殺しに行ってしまうところだ。
    まあとにかく、そんな事をせずに済んで良かった。

    「それじゃ、クラスの女が買ってきたのか?」

    「ううん。柚葉」

    「……?」

    ホッとしたのもつかの間、大寿の耳へ捻じ込まれたダイナマイトが頭の中で爆発した。

    「あの衣装のアイディアも、下着もちゃんとしろってアドバイスしてくれたのも、全部柚葉だよ」

    大いなるものの手によって宇宙へポイと放りだされ、ブラックホールにでも飲み込まれていくようだ。どこまでも、どこまでも落ちていく感じがする。
    瞼を緩く垂れさせて眠りに落ちる寸前の三ツ谷が、喃語のような声をもにゃもにゃ発する。
    可愛い。
    その意識だけを頼りに宇宙の深淵から舞い戻った大寿は、ポカポカと温かくなってきた三ツ谷の体をリズムよくたたきながら、キュンとした胸で考えた。

    ――今年のクリスマスには、柚葉に何か買ってやるか。
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