Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    FineRisoluto

    @FineRisoluto

    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
    https://www.pixiv.net/users/22951329/novels
    (C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 43

    FineRisoluto

    ☆quiet follow

    !FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!
    FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
    大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
    フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。

    #FF14

    ある「元」光の戦士の6.01その9「ただいまー」
     ペンダント居住館の自室に勢いよく入る。あたりはすっかり暗くなったが無事帰還した。
     部屋の中にはだれもいない。背後をドワーフがまじまじとこちらを見ながら通り過ぎていった。
     フィーネはちら、と振り返ってそそくさと中に入り扉を閉める。
    「ただいま」
     椅子の下を覗き込むも、求めている姿はそこにはいない。
    「我が『美しい枝』~?」
     戸棚の瓶の陰を探す。
    「おかしいなあ」
     フィーネは荷物を下ろす。旅装を脱ぎ捨て、放り投げる。ドレッサーを開けて軽装に着替え、ソファに腰をおろしてようやく息をつく。
     座ったまま荷解きをしながら、持ち帰った食材を取り出していく。
    「なんだっけ、これ」
     青々とした葉っぱをつまみあげる。そういえば、茶葉になりそうなので試しに持ち帰ったんだった。後で処理して煎茶にしてみよう。 

    「ちょっと。なにごともなかったような顔をしているじゃない?」
     天井から声が聞こえてきた。
    「やっぱりいたんじゃない。ただいま、フェオ」
     ごろり、と音がして頭上から大量の粒が落ちてきた。
    「うわ」
     反射的に飛び退いて、直撃をまぬがれるが、いくつかの粒は服に入り込んだようだ。
    「なにこれ、わ、つめたっ」
     服から落ちてきたのは氷の粒だ。フェオが魔法で作ったものだろうか。
    「ちょっとフェオいきなりなに?」
     声をかけると、フェオが球状の照明の裏に現れたが顔は見えない。
    「フェオなにか怒ってる」
     フェオが窓の外を指差して、つられて視線を移した瞬間、再びごろりと音がして、頭に降ってきたのは先程よりも大きな氷だ。拳ほどはあるだろうか。
    「~~~」
     気を取られていたフィーネは今度は避けられず、頭の痛みと全身の冷たさで床を転げ回る。転がりすぎて鉢植に足の小指を強打した。
    「いっっっっっ」
     言葉にならないうめき声を上げながら頭と足を同時に押さえ時間とともに痛みが消え去るのを待つ。
    「おさまっいやいっっったぁ」
     こんな痛みを感じるのは久々だ。戦いの中で感じる痛みは、なんというか感覚が麻痺していて耐えられるものだが、気を抜いているときは本当に痛い。
    「だれが悪いのかしら」
    「いたずら好きのピクシー」
     反射的に答えて後悔した。フェオと目があった時にはその頬は紅潮している。完全に怒らせてしまった。
    「若木なんて知らないのだわっっっ」
     フェオが窓から外へと飛んでいく。
    「しまったなあ」
     彼女との付き合いは長いが、ふとした瞬間に気を抜くと怒らせてしまう。
     フィーネは彼女のことを信頼しているしかけがえのない友だと感じているのだが。どうしても人付き合いが苦手で上手く伝えられない。
     床に散らばった氷を眺めながら、フィーネは大きなため息をついた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
    3035

    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
    2599

    related works

    recommended works