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    FineRisoluto

    @FineRisoluto

    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
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    ・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。

    #FF14
    #ヒカセン♀
    #フェオ=ウル
    feo-ur
    #二次創作
    secondaryCreation

    ある「元」光の戦士の6.03その2「帰りてえ……」
     タタルにお茶を淹れてもらっている最中に、つい小声で本音が漏れる。
    「おまたせしましたでっす」
     タタルが駆け寄ってきて、お茶とプレッツェルを並べてくれる。
    「美味しそうなお菓子ね?」
     ぴょこんとフィーネの服のフードから頭を出したフェオが、さっそくプレッツェルに手を伸ばしていた。
    「夢の中に出てきた妖精さんでっす……!」
     タタルが目を輝かせながらフェオを見つめている。
    「お話するのは初めてね?」
     フィーネはフェオにはたびたび、第一世界から原初世界への手紙や伝言を頼んでいる。タタルとも初対面ではないのだ。
    「その羽根は飛べるのでっすか?」
     フィーネにとってはフェオは身近な存在になりすぎているが、タタルからすればピクシーは初めてみる存在だ。フェオもまた、クリスタリウムでは当たり前で誰もしない質問に興味深そうに答えていく。
    「ところで帰りたがっているフィーネさんに朗報でっす」
     タタルが大げさに人差し指を掲げ、笑顔で告げる。
    「聞こえてたの?」
     フィーネは驚いて、お茶を吹き出しそうになる。
    「大きな独り言だったわよ」
     タタルからの質問に答え終わったフェオは、プレッツェルを頬張っていた。
    「若木、これ、クリスタリウムでも作って頂戴」
    「お気に召したようでなによりでっす」
     タタルは感激した様子でフェオに作り方を説明し始める。
    「クリスタリウムで手に入らない食材がいくつかあるね」
     フィーネの方に向き直ったタタルがさらに説明を重ねる。
    「グリダニアにいけばすべて手に入るでっすよ」
     フィーネもプレッツェルを口に放り込む。ひさしぶりに食べたプレッツェルのほんのりとした甘みが懐かしい。
    「決まりね、『ぐりだにだ』に行くわよ!まだ帰れないのだわ!」
    「グリダニアね。そこはさあ~モードゥナの商人から買えないかなあ~」
    「グリダニアには若木の唯一のお友達のミューヌって人がいるんでしょう?私も会ってみたいのよ」
     フェオがフィーネの服をつかんで揺らす。フィーネはされるがままにぐらんぐらんと頭を揺らしながら嘆く。
    「もう帰りたいよ~ペンダント居住館のベッドが恋しい」
    「ぐーたらしていると太ってしまうでっすよ」
     タタルもフィーネの服をつかんでぐらぐら揺らす。タタルとフェオは似ているのかもしれない。
    「体重は減る一方なんだよなあ」
     目が回ってきたので二人の手をつかんで静止しながら、フィーネが口走ったその言葉にタタルは目を丸くする。
    「聞き捨てならないでっす」
    「なにが」
    「甘いものが好きでごはんをたくさん食べるフィーネさんがぐーたらしていて体重が減るとはなにごとでっすか!私は苦労して体重の管理をしていると言うのに」
    「筋肉量が違うのよ、筋肉量が」
     冒険者として戦いに明け暮れた日々の名残りの筋肉はまだまだ健在だ。お腹が柔らかくなった気はするが。アウラとララフェルの体格差については言及しないことにする。
    「私は筋肉なんてないけど、太らないわよ?」
     フェオが火に油を注ぐ。
    「えっ……」
     タタルがオーバーリアクションで驚きフリーズした。
    「ピクシー族って甘いものしか食べてなくない?」
    「イル・メグには花の蜜とかしかないからかしらね?私はお肉も魚も大好きよ」
     フェオがタタルの周りをくるくると飛び回る。タタルはそのまま硬直していた。
    「凍結デバフ入りましたね」
     フィーネがつんつんタタルをつつき、真似してフェオもつついていく。
     二人につんつんされながらも、タタルはしばらくフリーズしていた。

    「そ、それで朗報というのがでっすね」
     凍結デバフ(五分)がようやく解けてタタルが改めて話し始める。
    「フィーネさんに船の搭乗券が届いているでっす」
    「あげる」
     タタルが取り出した『それ』が何なのか、一瞬でわかってしまったフィーネが即答した。
    「え?でも、これは……」
     タタルが続けようとすると、フィーネが荷物を抱えて入り口にダッシュする。
    「逃げるよフェオちゃーん」
    「逃さないでっす」
     タタルはフィーネの先に回り込もうとし、フィーネがジャンプの姿勢を取る。
    「イルーシブジャンプは前回も見切っていると言ったはずでっす!」
     タタルは方向転換し、フィーネが飛んだ先を予測する。結論、予測は完璧ではあったのだが。
    「は、速い!」
    「私はぐーたらしてばかりではなかったってことよ」
     知っているよりもずっと素早く行われたフィーネのイルーシブジャンプについていけず、タタルは敗北を喫した。
    「残念だったねタタルさん!私を止めたければ修行し直しな!」
     捨て台詞を吐いてバイクに飛び乗ろうとしたフィーネだが、あったはずの場所にバイクはなかった。
    「なンだ、変わった機構だと思ったらお前のか」
    「ネロ・トル・スカぅぇぁウア!」
    「人の名を噛むンじゃねえよ」
     フィーネの愛車は彼の手によって分解されてしまっていた。

    ~おまけ~
    ・プレッツェルの材料六個
     メープルシュガー、食塩、バター:材料がクリスタリウムで購入可能。
     小麦粉、鶏卵、ミネラルウォーター:クリスタリウムで購入できない。鶏の胸肉が売っているのに鶏卵が売っていないのはクリスタリウム七不思議。

    ・タタルさんのセリフ「イルーシブジャンプは前回も見切っていると言ったはずでっす!」
     ある「元」光の戦士の6.01その3参照

    ・イルーシブジャンプが素早くなった理由
     6.1のパッチ修正により、竜騎士のジャンプ関連のアクションは動作が短縮され素早くなった。この物語は6.03なのに素早くなっているのはフィーネの努力ということでお願いします。
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    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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