可愛い2人を書こうとしたら何故かこうなった「清麿、聞いた話だが現世では仲の良い者同士は距離感が違うようだ」
「たとえば?」
「後ろから抱きついたり、膝枕をするらしい」
水心子の言葉に清麿はむせそうになる。これはたぶんそういう事だ。この親友は時々思いよらないことを知識と仕入れてくる。水心子の言う仲の良いもの同士がすることは世間一般的に言う恋人同士がすることだ。後ろからハグはこの際除くとして。親友として色々心配になってくる。
任務において水心子は冷静沈着だ。新々刀の祖としてその振る舞いは申し分ないと思うが戦場を離れた彼はとても純粋で危なっかしさを感じる。ある時はストーカーから好きで埋め尽くされた恋文を、又ある時は明らかに使われた口にするものがおぞましいものが送られてきたり。そしてまたある時は清麿が不在の時に連れ込まれそうになったり。要は疑うことを知らないのだ。そんな水心子に清麿はいつしか愛おしさを覚えるようになった。それが恋と知ったのはつい最近のこと。任務には当然のごとく支障に出ないようにしてるが不意打ちに弱い。
一言で清麿の水心子に対する感情を表すとしたらこの一言に尽きるだろう。
「僕の親友が可愛すぎて辛い」
水心子に可愛いは禁句だが反応がとても可愛いのだ。そんなかわいい彼を見たくてあれやこれやをしてしまうのは惚れた弱みというもので。お口あーんはまだ可愛らしいもので書庫で本を読んでたら寄りかかってたり、寝起きのあられもない姿を見たりとまあ色々限界なわけで。恋をする前までは裸を見てもなんとも思わなかったのに今では色々抑えるのに必死だ。主に言って寝巻きを和装から洋装にしてもらおう。そうしよう。
と、思っていたら水心子が上から清麿を覗き込んできた。
「水心子?」
「清麿は今日も綺麗だな。」
「はい?」
突然何を言い出すんだろうか。この親友は。清麿が戸惑っていると背中合わせに水心子が座り清麿に言う。
「好きだよ、清麿」