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    お箸で摘む程度

    @opw084

    キャプション頭に登場人物/CPを表記しています。
    恋愛解釈は一切していません。

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    POIPOI 33

    お箸で摘む程度

    ☆Тайно следовать

    ビームス兄弟 ワンライ
    お題「雪」お借りしました。
    ビームス家の架空の使用人目線です。雪に閉ざされた庭の話。

    ひめやかな絵画 ――その日、私が窓辺で遅めの昼食をとっておりましたとき、建物と建物、そしてその渡り廊下に挟まれた静かなお庭は、昨晩から降り続いた雪が束の間の日差しにきらきらと輝いておりました。背の高いハナミズキの枝には小さな氷の雫が震え、しばらく屋内にじっとしていたビオラの鉢は数日ぶりの外の空気に喜んでいます。うつくしい景色が阻まれるのが勿体なく、私はストーブの火を弱め、窓の結露を拭きとりました。木枠のふちに伝う水滴を追っておりますと、その影から窓の景色に飛び込んでくるものがあります。それは、ビームス家の次男坊であられるフェイスさまでいらっしゃいました。
     フェイスさまはクリーム色のダウンに薄水色のマフラーをぐるぐると巻かれ、足元は室内履きのまま、あたらしい雪の上にその小さな足跡を残してゆかれました。私が時計を確認いたしますと、フェイスさまはまだお勉強の時間であられます。私はご子息のことも頼まれておりますゆえ、フェイスさまをつかまえてお部屋にお戻ししなければなりません。けれど、うつくしいお庭にのびのびと遊ばれるフェイスさまを見ていると、その純白は壊れていくのですけれども、うつくしいお庭がいっそううつくしく見て取れまして、私はフェイスさまを止めにゆくのも、スープを飲むのも忘れ、しばらくそのようすを眺めておりました。

     ふと、フェイスさまが何かに気付き、マフラーに覆われた口元から白い靄を揺らめかせ、何か話しておられるようです。見れば、フェイスさまの視線の先にはブラッドさまがおられました。ブラッドさまは紺色のコートを着られて、手元には小さな靴を持っておられます。あれはおそらく、フェイスさまのスノーブーツでしょう。私は自分がフェイスさまのところへ行かなければならなかったことをこの時心づきましたが、しかしブラッドさまがあらわれれば、それが一番よいことであると思いました。ブラッドさまはビームス家の長男坊で、私よりもずっと幼くあられるのですが、そのお人柄はよほど大人のようで、私がお仕えするのも当然のことのように思われます。ブラッドさまが歩いてゆかれると、フェイスさまは走ってその足元に飛びつかれました。ブラッドさまは、きっともう全身濡れておられましょうフェイスさまをとうぜんのように迎え、やさしくその頭を撫でられました。そのまま乱れたお髪を整えたり、マフラーを巻き直したり、室内履きをブーツに履き替えさせたりしておられます。フェイスさまは私どもの申し上げることには反発されることも少なくはありませんが、ブラッドさまにはいつでもすなおであられます。それはきっと、フェイスさまが兄であられるブラッドさまに全幅の信頼を寄せられ、お慕いされているからでもありましょうが、ブラッドさまもまた、フェイスさまを心から愛し、尽くしているからでもありましょう。たっとぶべき兄弟愛のようすが、私の目に、まぶしく映りました。

     ブラッドさまとフェイスさまは、うつくしく輝く午後のお庭で、しばらくの間仲睦まじく遊んでおられました。傾いてきた陽が木立の間をすり抜けて、雪の上に長い影を描いています。空気が冷えてきたのでしょう、ふわりふわりと、軽い雪が舞ってきました。フェイスさまは駆け回って、地面に落ちる前の雪をつかまえようと手を伸ばしています。ブラッドさまはしゃがみ込んだまま、離れていくフェイスさまをいとおしげに見ておられます。お二人とも、私の視線などには、お気づきにもなりません。


     私は暗く冷えた部屋の中から、その景色を見ておりました。窓枠に切り取られ、明るくうつくしいその景色は、私にとってはなんだか、絵画のようにも見られました。



    ひめやかな絵画 完

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    お箸で摘む程度

    ОБУЧЕНИЕ元同室 押忍時空
    モブから見た元同室の短編集2。ウィルのファンの後輩「わたし」が、ウィルを観察する中で裏の顔を見つけてしまうお話。
    ※ウィル夢
    秘密のマドリガル 2 この道は右側から西日が差し込むから、まぶしいし、逆光だし、目が痛い。あそこの交差点で引っ掛かりませんようにと願ったら、バスはスムーズに左折した。ほっと息をついて、また、前方を盗み見る。
     万南生でぎゅうぎゅう詰めのバスのいちばん後ろの左隅に、わたしは身を縮こまらせている。積載量オーバーとしか思えない空間の、ちょうど真ん中あたりに立っている、ウィル先輩。

    (ああ、今日はラッキー……顔を拝める位置なんて)

     先輩を待って、二、三本バスを見送るくらいは当たり前。そのたびに忘れ物をするふりをして、そのたびに先頭に並ぶから、わたしの定位置は大体ここ。あとからやってくるウィル先輩の位置によって、後頭部が見えたり、後ろ姿が見えたり、何も見えなかったり、運がよければ顔が見える。今日は優先席の前に立ってくれたおかげで、その表情から上半身までばっちりだ。ありがとう、優先席とかいう文化と、優先席に座りはしないウィル先輩の人間性。
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    何度も何度も震えるスマホ、画面も何度も光って、最早充電も尽きかけてしまっている。
    鳴り止まなくなって電源ごと落としてしまうのも日常茶飯事ではあるけれど、今回は規模が違う。
    ……今朝おチビちゃんが撮ってエリチャンにアップロードした写真がバズっている。
    その写真は新しく4人の体制となったウエストセクターで撮ったもので……それだけでも話題性があるのは確かだけれど、それよりもっとややこしいことでバズってしまった。

    『フェイスくん、この首の赤いのどうしたの!?』
    『これってキスマーク……。』
    『本当に!?どこの女がこんなこと、』

    「はぁ〜……。」

    止まらない文字の洪水に、思わず元凶である自分の首を撫でさする。
    タグ付けをされたことによる拡散の通知に混じって、彼女たちからの講義の連絡も合わさって、スマホは混乱するようにひっきりなしに泣き喚いてる。
    いつもはなるべく気をつけているからこんなこと滅多にない。……ただ、昨夜共に過ごした女の子とはまだ出会ったばかり……信じて寝入っている間にやられてしまったらしい。
    今日はタワーから出るつもりがないから別にそのマークを晒していてもわざわざ突っ込んでくる 2313