ドライアイスセンセーション【西南】「ねえ、南先生~」
「何だい?」
「何で隼人……センセってさ、南先生のこと下の名前で呼んでんの?」
「ああ……幼なじみなんだよ、西先生とはね」
「ふうん、そういうことだったんだ。……あっ、もう一つ聞いていい?」
「おや、今度は何かな?」
「南先生のこともさ、下の名前で呼んでいい?」
女子生徒がそう聞いた瞬間、瞬の目付きが変わった。その迫力に、女子生徒は思わず小さく悲鳴を上げる。
「……ごめんね。ボク、下の名前で呼ばれるのがあまり好きじゃないんだ。だから、呼び方はそのままにしてくれると嬉しいな」
笑顔を浮かべてはいるものの、浅緑色の瞳はまったく笑っていなかった。
「わ……分かった。ごめんね、変なこと聞いて」
女子生徒の声は震えている。
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