ウエ+サウで七夕七月七日。
今日はラビリンスでは初めての、七夕祭りの日だ。
星空の元、人々は自分の願いを書いた短冊を笹に飾ったり星を象ったお菓子を食べたりと思い思いに新しい文化を楽しんでいる。その様子を、サウラーは少し高い場所から見つめていた。
「サウラー!願い事は書けたか?」
祭りの会場から戻ってきたらしいウエスターに声をかけられ、サウラーはそちらへ顔を向ける。
「……ううん、まだ」
手元の短冊には、まだ何も書かれていなかった。
「お前のことだから、難しく考えすぎているんじゃないか?願い事と言っても、そんなに大層なものじゃなくて良いんだぞ。美味いドーナツをいっぱい食べたいとか、もっと筋肉をつけたいとか」
「……それ、キミの願いでしょ?」
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