雷は空を昇る:解放戦線─任務開始─出撃から31時間ほど経過し、A.S.に帰還すると昼間も近い時間になっていた。テンゼロはすぐにミストの元に駆けつけたかったが部門長からの呼び出しがあり、応じぬわけにもいかず出頭する。
「!」
「本日付でお前の部隊に配属することが決定した」
「ミカと申します。1.0班長、若輩者ですが何卒よろしくお願いいたします」
きれいな最敬礼。十数時間ぶりに見た光景だ。ただし見た目はA.S.の隊員と遜色ない。6枚の熾天使の翼はどこにもなかった。
「あ、ああよろしく」
「要件はそれだけだ、もう行っていい」
「はい。失礼します。…ミカ、案内する」
「よろしくお願いします。部門長、失礼いたします」
パタン、と部門長室の扉を閉めるとテンゼロは我慢していた言葉を吐いた。
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