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    なつとまと

    レオ司の字書き

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    なつとまと

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    *!時間軸
    *付き合ってるレオ司
    *事故チューの天使2チュー目💋の翌日のお話
    *レオ視点

    ##レオ司

    2人の恋は天使に愛されてる2度目の事故チューがきっかけでスオ〜に告白して、お付き合いをはじめたのが昨日。昨日はスオ〜が「私もLeaderが好きです。」って言ってた時とちゅーした時の顔が脳に焼き付いて自分の部屋のベットの上で思い出しては転げ回ってた。
    なんだがふわふわしてて、世界が輝いて見えるのは気のせいじゃないと思う。頭の中では天使達が優しいメロディを奏でてる。
    おれにしては珍しく、今日は弓道部の朝練に参加するためにまだ暗い通学路を歩いていく。鳴り止まない音楽を書き留めるよりも、恋人になった可愛い後輩の姿を早く見たくて歩く速度を上げたらあっという間に校門前。

    「Leader」
    後ろから聴こえてきた流暢な発音でおれを呼ぶ声。バッと振り向いて後ろを振り向く。
    「お、おはようスオ〜。」
    「おはようございますLeader。えっと…今日はお早いですね。」
    「う、うん。たまには朝練参加しよっかな〜って思って。スオ〜はいつもこの時間に来てんの」
    「え、ええ。朝練のない日でも、自主練や勉強の予習復習をするために早く来るようにしてます。」
    「そっか。スオ〜は偉いな。」
    「あの…ここで立ち話するのもなんですから、とりあえず弓道場へ行きませんか?」
    「そ、そうだな。」
    おれもスオ〜もカチコチになっちゃってて、中々一歩が出ない。こ、これは絶好の手繋ぎチャンス…
    「スオ〜」
    「ひゃいっ。」
    「て、ててて、手、繋ぎマセンカ。」
    「はっはい。どうぞ」
    差し出された手に思い切って絡めるように自分の手を重ねる。さっきまで寒かったはずの手が一気に熱を帯びて、全身がポカポカになる。て、手汗ヤバイかも。びちゃびちゃで気持ち悪いって思われてないかなドキドキで心臓が飛び出そう。あぁでも繋いだ手から伝わるスオ〜の鼓動と体温を感じれて、なんだかとっても幸せな気分。これが恋人繋ぎの効果ってやつなのかな。手を繋いでるという事実に気を取られて、お互い無言のまま弓道場へ。

    「朱桜の坊っちゃま、月永さま。おはようございます。」
    繋いだ手が離れがたくて、入口でモタモタしていたらいつの間にか来てたユヅに声を掛けられた。
    「伏見先輩おはようございます。」
    「お、おはよ〜。」
    「おや、朝から仲睦まじいことで。」
    ユヅの視線がおれたちの繋がれた手に注がれる。
    「あ、えっとこれはLeaderを弓道場に連れてくるために繋いでいただけですから!」
    「そ、そうなんだよ。おれ迷っちゃうから、あはは〜。」
    パッと手を離して必死に言い訳するスオ〜に話を合わせておく。少し声裏返っちゃたけど多分誤魔化せてる…はず。
    「ふふ、お2人がそうおっしゃているのであればそうなのでしょうね。」
    なんだが生暖かい目で見られてる気がする。完全に気づいてるなこれ。どうやら敏腕執事の目は誤魔化せなかったみたいだ。
    「では、先に更衣室に失礼致しますね。」
    ユヅは靴を脱いでスタスタと中に入っていく。少し間が空いてからおれたちも靴を並べて入った。
    着替えてる途中、チラッと盗み見たスオ〜の裸に思わずゴクリと喉がなったのは仕方ない。スオ〜に気づかれてなければ無問題。
    ケイトも着替え終わる頃にはやって来て、練習が始まった。
    案の定、おれもスオ〜も中らなくて、ケイトの眉間にシワがよる。
    「朱桜はともかく月永まで中らんとはな…。今日の朝練はここまでにするとしよう。片付けは月永と朱桜でやっておけ。」
    「分かりました。」
    ユヅとケイトは生徒会室に行くみたいで、ささっと弓道着から制服に着替えて出ていった。
    弓道場で恋人と2人きりというシチュエーション。冷静ではいられないけど、なんとか気持ちを落ち着かせて片付けていく。ケイトが見たら雑だって怒られそうだけど、ほんの数分で片付け終わった。今度はスオ〜の方を見ないようにして着替える。カギはスオ〜が預かってるから任せるとして。
    「あの、Leader。」
    射場をぐるっと見渡して確認してるとスオ〜が話しかけてきた。
    「ん、どうしたの。」
    「き、Kissしてくださいませんか。」
    スオ〜が頬を染めて上目遣いでそんな爆弾を投げてきた。え、今キスって言った?こ、ここここんな朝から付き合って2日目にスオ〜からちゅーをねだられるなんて、そんな都合の良い現実あっていいのか
    「わ、わかった。目閉じてて。」
    言われた通りに目を閉じたスオ〜の小さなお口が目の前に。ちゅー待ち顔をおれの心の中のスオ〜アルバムに収めて、ちゅっと触れるだけのちゅーをする。ふにっという柔らかい感触をもう一度味わいたくなったけど、ここは我慢。
    「ありがとうございます。」
    目を開けたスオ〜がふにゃりと笑う。
    「今日も一日頑張れそうです。では、また放課後に。」
    先に弓道場を出ようとしたスオ〜を引き止める。
    「ちょっと待って。」
    「なんでしょう。」
    「お昼、ここで一緒に食べよ。」
    「は、はい!私でよろしければ。」
    よしっ。これでスオ〜とお昼も一緒にいられる。

    「れ、レオちんが教室に、いる…」
    「こりゃあ、明日槍でも降るんじゃねぇか?」
    クロとナズが教室に入ってくるなり、珍獣でも見るような目でおれを見てくる。おまえらおれのこと何だと思ってるんだ……まぁいっか。紙とペンを取り出して音楽の世界に入り込む。こっちの世界に戻ってきたのは四限の終了を告げるチャイムがなった時だった。どうやらナズとクロがおれが撒き散らした楽譜をまとめてくれてたみたいで、おれは2人にお礼を言ってから、その楽譜とお弁当を持って弓道場まで走った。ケイトの怒号が聴こえてきたような気がするけど、今はお説教を受けてる暇はない。

    □□□
    「スオ〜!これあげる!」
    お弁当を開ける前に早く見て欲しくて渡した楽譜に驚いたように目を丸くして、1枚1枚めくっていく。
    「これは一体…」
    「全部スオ〜の曲だぞ。スオ〜のこと考えながら書いてたら沢山出来ちゃった♪」
    ワルツ、メヌエットにバラッド。それぞれの曲調を象って生まれたスオ〜のためだけの曲たち。
    「……自分で言うのは恥ずかしいですが、Leaderは私のことかなり好きですよね。」
    「うん、大好きだよ。スオ〜は?」
    「こうして2人きりで居られる時間がもっと欲しいと思ってしまうほどには、だ、大好き……ですよ。」
    既に赤くなってた顔をよりいっそう赤くしているスオ〜におれも頭全体が熱くなってくる。
    「スオ〜、いまものすごくちゅーしたいんだけど、いい?」
    こくりと頷いたスオ〜に近づいて唇を重ねる。今回のちゅーは朝より長めに、その柔らかさを味わうように角度を変えて何度も。もっと深いちゅーもしたいけど、これ以上したら止まれない。まだ付き合って2日目だし、こういうのはゆっくり段階を踏んでいきたい。スオ〜のこと大切にしたいし、怖がらせたくない。
    「お弁当食べよっか。」

    お互いのお弁当の中身を交換し合ったり、セナに内緒な、と昨日の帰宅中にコンビニで買った期間限定のお菓子を食べさせ合ったり。さっき渡した曲も歌ってもらって、それに合わせておれも一緒に歌って。気づいたら予鈴が鳴ってスオ〜はバタバタと教室に戻っていった。
    「あ、スオ〜空のお弁当忘れて行ってる。」
    確かセナが今日の放課後Meetingやるって言ってたっけ。スタジオで作曲しながら待っとこうかな。

    □□□
    「痛った。」
    指の痛みを感じてこっちの世界に戻ってきた。指先にぱっくり割れができて赤くなってる。
    「Leader、大丈夫ですか」
    「わっ。スオ〜いつの間に来てたの。」
    「5分ほど前です。おや、手にヒビができてますね。」
    「最近乾燥してるからな〜。」
    「そうですね。ちょっと手を貸してくださいますか。」
    スオ〜がカバンの中から可愛らしいデザインのチューブを取り出して、おれの手に塗り込む。
    「鳴上先輩に頂いたhand creamです。」
    「へぇ。いい香りだな。」
    「strawberryの香りのようですね。」
    「スオ〜の匂いに似てるな!」
    「そうでしょうか。」
    「うん。スオ〜っていちごみたいな甘い匂いがして美味しそう♪」
    「美味し...私は食べものではありません」
    あ、やべ。変なこと言っちゃった。
    「べ、別に変な意味じゃないからな」
    「王さまはス〜ちゃんの身体を丸ごとペロりと食べちゃいたいってことだよ。」
    「ちょっリッツ何言ってんの。」
    てかリッツとナルもいたのか!!
    「食べちゃいたい……」
    「そ、つまりセッ…。」
    「うわぁぁ。リッツやめろ!!」
    「司ちゃんはこっちでワタシとお話しましょうね。」
    「??」
    リッツの口を塞いでる間に空気を読んだナルが上手くスオ〜を少し離れた椅子に移動させてくれた。
    向こうには聞こえないように小声でリッツに話しかける。
    「ああいう話はまだスオ〜には早いからダメ!」
    「えぇ〜。そもそも王さまが美味しそうなんて言うから悪いんじゃん。」
    「あれは言葉の綾ってやつ」
    「でも俺が言おうとしたことの意味分かるってことはス〜ちゃんとそういうことシたいってことでしょ?」
    「うっ……。そりゃあいつかはしたいけどさ。スオ〜ってそういうの疎そうだし、いざやるとなったら負担かかるのはスオ〜の方だから。」
    「ふぅん。ちゃんと考えてるんだ。」
    「当たり前だろ。お互いこういうお付き合いってやつするの初めてだからな。」
    「先延ばしにし続けてス〜ちゃんが卒業してからとか成人してからとかにはならないようにしなよ?それに王さまが卒業後どうするか知らないけど、ス〜ちゃんと一緒に学生生活できるの3ヶ月もないんだから、沢山思い出作ってかなきゃ。俺も出来ることは協力してあげるからさ。」
    「リッツ……。ありがとな。」
    「あ、そうだ。これあげる〜。」
    おれがリッツの言葉に少し感動してると、制服のポケットに何か突っ込まれた。
    「ん?なんだこれ……ってリッツおまえなんでこんな物」
    「保健体育の授業で貰ったんだよね。いつそういう雰囲気になるか分からないし、持っといて損は無いと思うよ〜。落としたり無くさないように気をつけなよ?」
    「落とせないわこんな物!!」
    「ちょっと何叫んでるの王さま。」
    「うわっセナだ。」
    「何そのゴキブリ見つけた時みたいな反応。なんか俺に見られてマズイものでもあるワケ」
    「い、いや別に何もないぞ。」
    「今ポケットに何か隠したでしょ。見せな。」
    こんなのセナに見られたら即お説教コースじゃん。見せられるわけない。り、リッツ助けて
    「そんなことよりも、セッちゃん昨日居なかったからまだ知らないんじゃない?」
    「また何かやらかしたの王さま。」
    「なんでおれが何かした前提なのいや今回のは確かにおれとスオ〜のことだから間違いではないけど!」
    「で、王さまとかさくんがどうしたの。」
    ちらっとナルとスオ〜の方を見ると、スオ〜がこっちに来ておれの隣に座った。
    「あの、実は昨日からLeaderと交際することになりまして。」
    「Knightsのみんなには直接2人で言いたかったからセナだけ遅くなっちゃったけど、おれとスオ〜は恋人同士になったんだ。」
    セナはおれたちの方を見たまま全く動かなくなった。
    「お〜い。セッちゃ〜ん。」
    「あらあら、泉ちゃんびっくりしちゃったのかしら。」
    横からリッツとナルにつんつんと突かれてようやく意識を取り戻したらしいセナが口を開く。
    「……でとう。」
    「え?」
    「おめでとうって言ってんの!浮かれて活動に支障が出ないようにしなよねぇ!」
    フンっとそっぽを向いてスマホをいじり始める。
    「その、怒らないのか?」
    「は?なんで怒る必要があるわけぇ。別に悪いことしたんじゃないでしょ。」
    「そうだけどさ、おまえとリッツとナルが手塩にかけて育ててきたスオ〜をおれが掻っ攫っちゃったみたいなもんだし。」
    「はぁ。正直言ってアンタみたいな作曲馬鹿の変人に末っ子をやるのはもったいない気もするけどさぁ。かさくんが選んだのはアンタなんだから。」
    「そうそう。王さまが戻って来てから司ちゃん、随分と表情豊かになって、どんどん可愛くなっていくんだもの。」
    「磁石のように惹かれあった2人のこと反対するなんて野暮だしね〜。」
    「セナ、リッツ、ナル……。3人とも大好きだ!愛してるぞ!」
    「んもう。そういう言葉を言うべき相手は隣にいる司ちゃんでしょォ。」
    「かさくん。コイツに何かされたら俺たちに相談しなよねぇ。」
    「はいっ。」
    「王さま、俺たちの大切な末っ子、泣かせたらどうなるか分かってるよねぇ。幸せにしないと許さないから。」
    「うん。分かってるよ。」
    1度壊れたおれを組み立て直して、闇から引き上げてくれた光。Knightsを今の暖かい場所にしてくれた存在。そんなスオ〜に手をつけるんだから絶対不幸にはできない。
    「スオ〜、おれお前のこと幸せにする。」
    「はい。私もLeaderのこと幸せにします。」
    触れていた手を握りしめて微笑み合う。

    「ふふっ。なんか結婚の挨拶みたいだねぇ。」
    「結婚式にはワタシ達も呼んでねェ。」
    「け、結婚とかはまだずっと先のことだからてかおれたち昨日付き合い始めたばっかりだし」
    「そ、そうですよ。気が早すぎます。」
    「はいはい。あーもうバカップルの相手してたらいつまで経ってもミーティング始められないんだけどぉほら全員さっさと定位置に着きな!」
    セナのその一言でいつものように円卓を囲む。
    前と違うのはおれとスオ〜の距離が近くなって、円卓の下で手を繋いでるってところ。
    「まずは次のライブの―――」
    「あ、霊感が湧いてきた!スオ〜、紙とペン!」
    「ちょっと王さま!?今からって時になんで!」
    頭の中に広がる大宇宙。また、新たな傑作が生まれそう♪
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    なつとまと

    PAST昨年の猫の日に投稿したものです。投稿した際のアカウントを削除しており、残っていないのでこちらで再掲させていただきます。
    *結婚しているレオ司
    *ギャグ風味
    *いずまこ、りつまおりつ、つむ夏要素あります。
    猫の日騒動チーンとオーブンが鳴り、扉を開けば漂っていた香ばしい匂いが強くなる。
    「うん。いい香りだねぇ。味も悪くなさそう。」
    見た目は独特だが、味は問題ないはず。残念ながら諸事情で味見は出来ないが…。
    「あの魔法使いから貰ったシロップと俺の作ったシロップが入ったお菓子。果たしてどうなるかな。」
    凛月は紅い瞳を光らせ、にんまりと笑った。

    「セナ!助けて!!スオ〜が猫になっちゃった!!」
    「は?」
    れおくんからそんな訳の分からない電話が来たのは早朝。ゆうくんを抱きしめて幸せな気分で寝ていたというのに、その時間をぶち壊された俺は当然怒ったわけで。
    「朝っぱらから変な電話掛けてこないで!!」
    電話先で喚く声を無視して通話をぶった切り、再び寝ようと布団に潜った時、ホールハンズの通知が鳴る。れおくんからだろうと無視しようかと思ったが、一応確認しておこうと開くと、そこには猫耳としっぽが生えて、見た目も幼くなったかさくんの写真が送られてきていた。
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