約束事項山形視点
秋田はよく無茶をする。けれどそれが無茶だと本人は思っていないらしい。
秋田が無茶をするなんて気が気でないのに、秋田はそれを心配し過ぎだと笑い飛ばす。では俺が同じことをしたらどうなんだと聞いても山形はそんな事しないでしょ?と言うだけで。だから秋田と約束をした。「周囲が止めるような無茶な事をしないこと」と。その約束をしてから、どんどんと他にも約束事が増えていった。
約束が増えても、それを秋田が守ってくれるかはわからない。けれどそれで秋田が無茶や無理をすることが減ることを願って。俺はまた約束を増やしてしまう。
秋田視点
1,周囲が止めるような無茶な事をしないこと。
2,その日の終業地を教える事。
3,カモシカは食べないこと。
これ以外にもある、存外心配性で嫉妬深い山形との約束事。意識しなくとも守れることではあるけれど、連絡をしなかったり返さなかったりするだけで山形の頭の中は僕でいっぱいになるらしい。破ったあとに二人っきりになると、僕にくっついたきり全く離れてくれない珍しい山形が見られる。
僕のことしか考えられなくて、僕のことで頭がいっぱいになって、僕にくっついて離れない。僕だけしか知らない山形を見られるなら、たまには約束を破るのもいいかもね。