計画「東北…」
「牛タン、ずんだ、ゆべし、玉こんにゃくに冷麺…」
絶えず出てくる東北地方の美味しいもの。これだけ聞くと常になにかが口に入っている同僚の顔が浮かぶが、今山陽の目の前にいるのは全く違う路線だった。
「おしどりのミルクケーキ、わんこそばときりたんぽ、米沢牛…あ、あとさくらんぼの漬物も気になるな…」
「ジュニアさんストップストップ。お腹すいてるの?」
秋田みたいなこと言っちゃって。苦笑いしつつここまでスラスラ出てくることに感心しているといいじゃないですか、という視線を向けられる。
「美味しいものに罪はありませんから。」
「まぁそうだけど…東北にする?今度行くの」
「そうしましょう」
「じゃあきまり」
ジュニアから「旅行に行きませんか」と言われたのが先週。あれやこれやと考えつつ、たまたま見つけた旅行雑誌の東北特集に見入っていたのがつい数分前。そこから同僚のように美味しいものを挙げていく様子を見れば山陽の頭の中では東北への旅行一択となっており。
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