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    teasぱんだ

    @nice1923joker

    紅茶とパンダが好き。
    好きなものを好きな時に好きなだけ。
    原ネ申アルカヴェ沼に落ちました。
    APH非公式二次創作アカウント。
    この世に存在する全てのものと関係ありません。
    䊔 固定ハピエン厨
    小説・イラスト初心者です。

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    teasぱんだ

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    5/5🌱🏛️ワンドロ
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    #アルカヴェ
    haikaveh

    ワンドロ【掲示板】【要求】 アルハイゼンの執務室には、毎日山のような手紙が届く。
     補佐官がまとめて分類した封筒や書類が積み上げられた一番上に、見慣れた一通の手紙がのっていた。
    [親展]
     宛名の横に書かれた文字に目を細め、アルハイゼンはその手紙を開ける。そばに控えていた補佐官は気を利かせて退室し、数分後に執務室へ戻ってきた。
    「先ほどの返信用に、封筒を準備しましたが」
     手にしていた封筒は中身の透けない仕様のもので、重要案件に使われるものだ。相変わらず気の利く補佐官だと思いつつも、アルハイゼンは首を振った。
    「返信は手渡しで構わない。手間をかけた」
    「いえ」
     軽く会釈をした補佐官は、封筒の文字が建築家カーヴェさんからのものだ、と気づいていた。

     それから数日後。
     またしても同じ封筒と同じ筆跡で、アルハイゼンあての親展封筒が届いた。
     本人以外開けてはならない封筒は書類の束の一番上におかれている。執務室には人の姿はないが、静かだった部屋の中に廊下からの話し声が小さく響いた。
     数秒もしないうちにドアが開かれて、アルハイゼンとカーヴェが姿を現す。
    「市民の要望を聞き入れるのが書記官の仕事だろう」
    「口にしにくいことを遠回りな表現にすることで曖昧にし、回避しようとしていることは明白だ。俺は直接口で言えることを、わざわざ一手間増やすことに理解ができないと言っている」
    「誰しもが君のようにあけすけに物事を口にできるわけじゃないんだ。全てを君のものさしで測る考えを改めた方がいい」
     二人は誰もいない執務室に足を踏み入れる。扉が閉まった途端、口論は鳴りをひそめた。
    「……人もいないしここで構わないだろう。君からの要望書だが」
     アルハイゼンはそう言って、机に積まれた書類の一番上にある封筒を指先で叩く。
    「キッチンまたはリビングに設置する、という条件ならばのむと返答したはずだ」
    「君は僕の言いたいことを理解しておきながら別の案を提案している。僕はそのことに怒っているんだ。設置するなら寝室だ。それ以外は認めない」
     アルハイゼンの返事にカーヴェは腕を組んで言い返し、顔を背けて目をつぶる。
    「そもそも、ことの発端となった机の上の書き置きを無くしたのは君の過失だ。俺に文句を言われる筋合いはない」
    「重しをのせておかなかったのは君だろう! あの時窓が開いていたことに君は気づいていたはずだ。それに、君の書き置きの内容は……無くしたら困るものだろう!?」
    「別に俺は困らない」
    「僕は困るんだよ! 心の準備も何もできていない状態で急にベッドに放り込まれて抱かれる僕の身にもなったらどうなんだ!」
     状況も忘れて大きな声で叫ぶカーヴェにアルハイゼンが視線だけで窓を示すと、一瞬で理解したカーヴェが自分の口を手のひらで覆う。
     その顔は真っ赤で、互いの関係を大っぴらに口にしてしまったことを自覚したのだろう。アルハイゼンは目を細めてその顔を見つめ、息を吐いた。
    「今夜の希望の体位を事前に申告しろと俺に言ったのは君だ」
    「仕方ないだろ……翌日、使い物にならなくなるんだ。君の書き置きを体がだるい状態で探し回るのは大変なんだよ。もっと、加減して抱いたらどうなんだ」
     互いにしか聞こえないくらいの声量で呟いた顔は先ほどまでの勢いを無くしている。
     教令院で自分に抱かれる時間を思い出してしまったカーヴェの姿に、アルハイゼンは無意識のうちに口角をあげていた。
    「だから家の中に掲示板の設置を要求したのか? わざわざ執務室へ送るとは手がこんでいるな」
    「最近、僕を誤魔化すのが随分と上手になったようだからね。僕がいつまでも絆されると思わないでもらえるかい。教令院の書記官宛に親展で送れば無視はできないだろう」
    「掲示板の設置については異論はない。場所はこれから決めればいいだろう。しかし、君は気づいているのか?」
     首を傾げるアルハイゼンの姿に、カーヴェは不審そうに眉を跳ね上げる。
    「掲示板に連日の体位が並ぶことに関しては、君は異論がないということだな」
    「は……?」
    「いいだろう。毎日同じでは新鮮味がないと言っていたし、俺も把握しやすい。設置と使用用途について、許可を出そう」
    「な……なっ……!」
     真っ赤なカーヴェの横に立って、アルハイゼンはその頬に顔を寄せる。耳に触れそうになる距離まで唇を寄せて、低い声で囁いた。
    「まず、今夜は後ろから。バックで君の体内を奥まで突きたい」
     言いながら、寄せた指先でカーヴェの腹部をグッと押す。いつも、アルハイゼンが一番奥まではいる場所だ。
    「要望は……っ! 紙に書けっていってるだろう!」
     わずかに跳ねた肩を隠すように言い返した言葉ごと、カーヴェの唇はアルハイゼンに塞がれていた。
     視覚的に把握しやすくなったせいでアルハイゼンが様々なシチュエーションや体位に興味を示し、墓穴を掘ったのだとカーヴェが自覚するのは一ヶ月後の話。


    End
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