吸血鬼になりたい 年寄りは脇の下が甘くなる、とロナルドは思った。すぐ人の懐に入って、飽きたらすぐ居なくなる。ドラルクなんてそんなもんだと思っていたから、もう何年も一緒にいるのが不思議でならない。しかも、どうも、ロナルドの懐に入るだけじゃなくロナルドはドラルクの懐にも入っているらしいと最近気付いた。もしかしたら、ジョンとは比べ物にならないだろうけど、家族みたいな、そういうものに匹敵するくらいは、自分はドラルクの、吸血鬼にとって大事なものになってしまったみたいだ。
嗚呼、いっしょに、いてほしいといったのは、おれなのに。
かみさま、どうして俺は人間で、どうしてアイツは吸血鬼なんでしょう。
どうして俺は退治人で、どうしてあいつをいつ何時置いていくかもわからない。
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