とっておきの、甘い玉子焼き外出のついでに弁当屋に立ち寄ったら、今日は珍しくヤスのお袋さんがレジに出てきた。
「こんにちは…です。」
「あらいらっしゃい、リカオさん」
「え、リカオ!? ってヤベ…!」
彼女が俺の名を呼んだ直後、厨房の方からヤスの叫び声と、何か金属と…液体が溢れたような大きな音が響いた。
「あらあらヤッちゃんたら…」
「……何か奥が大変そうなんだが…大丈夫なのか?…です。」
「ええ大丈夫ですよ。…ヤッちゃん、今修行中で」
「……修行?」
「あ、うわっ!ちょっ、母ちゃん!!頼む早く来てくれ!」
「すぐ行くから、少し落ち着いて頑張んなさい!」
「ほ、本当に大丈夫…なのか?…です。」
お袋さんは絶叫するヤスの方をチラと見て苦笑する。俺が居るせいでヤスの元に行けないのだろう。彼女はすぐに、ごめんなさいねとこちらへ向きなおした。
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