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    chiroroya_dda

    成人済、腐です。
    支部で載せられない、とても短い文や文章になってないネタを乗せます。ネタなので、ほぼ文章になってません。ツイッターでは入りきらないネタを此処に乗せる予定です。

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    POIPOI 23

    chiroroya_dda

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    2023年1/14-15にpictSQUARE内で開催のヤマ太ファンオンリーイベント「人生ヤマあり太にあり2」の展示作品、その2です。

    写真をテーマに、色々なワンシーンを集めたSS集みたいなものです。
    ほぼ会話文で纏めてみたので、すぐ読めると思います。

    そして、文だと表現が難しくて、上手く表現できませんでした。ごめんなさい。

    #ヤマ太
    mountainFathead
    #ヤマ太オンリー
    mountainFathead
    ##ヤマ太

    思い出、降り積もる「ヤマト、見ろよ!アタリだぜ!」
    「……アイスの棒を振り回すな。見えてる。」
    「羨ましそうなヤマト君にも、俺の運を分けてやろう。」
    「要らねえ!つか、離れろ!暑い!」
    「照れんなって!」
    「太一!」

    「お兄ちゃん、ヤマトさん、こっち向いて!」
    カシャッ。

    「ヒカリちゃん!」
    「おま、ヒカリ、何撮ってんだよ!」
    「お兄ちゃんとヤマトさん、たのしそうだったから、カメラで撮ってみたんだ。」
    「だからって、ちゃんと撮るよ、ぐらい言えって!」
    「言ったら、変な顔するから嫌。じゃあ、私、他の人の写真撮ってくるね!」
    「おい、ヒカリ!……って行っちまった。ごめんな、ヤマト。嫌だったら、後でヒカリにその写真だけ現像させない様に頼んでみる。」
    「……いや、いい。」
    「良いのか?」
    「別に、減るもんじゃないだろ。それより、アイス交換に行かなくて良いのか?」
    「お、忘れてた!行こうぜ、ヤマト!」
    「なんで、俺まで!」
    「良いじゃねえか。楽しい事は、分け合おうぜ!」

    引っ張る少年に、金色の少年の口角が少しだけ上がった。


    ***



    「太一、それは?」
    手元を指さすヤマトに、太一はああ、と手にしている物をヤマトに差し出した。
    それは、最新のコンパクトカメラ。
    「ヒカリが懸賞で当てたんだけど、俺にあげるって言って、渡されたんだよ。」
    「懸賞で当てるって、流石ヒカリちゃんだな。で、どうするんだ?」
    「どうするもこうするも、俺は写真撮らねえし。」
    誰かにあげようか、そう悩む太一に、ヤマトの口が徐に開いた。
    「俺が貰って良いか?」
    「へ?ヤマトが?お前、写真撮るタイプだっけ?」
    「あまり撮らねえよ。でも、折角ヒカリちゃんからのプレゼントだ。貰わないと罰が当たるだろ?」
    「そりゃあ、ヤマトが貰ってくれれば嬉しいけどさ。」
    「じゃあ、決まりな。」
    そう言い、太一の手からカメラを奪う。
    小さく軽量なカメラを手にして、電源を入れてみる。モニターの端にアイコンが現れるが、画面は暗いまま。そこで漸くレンズカバ-の存在を思い出し、取りポケットに入れる。
    するとモニターには、居間の風景と、その中に此方を覗き込んでいる太一の姿。
    「何か見えるか?」
    「ああ、バッチリだ。」
    そう言うと同時に、シャッターを切った。
    カシャ、音が鳴る。
    「おい、ヤマト!!」
    「太一の写真、頂き。」
    そう言い嬉しそうに笑うヤマトに、太一はあげる相手を間違えたと肩を落とした。



    ***



    「太一、弁当出来そうか?」
    「もう少しで出来る!!ヤマト、弁当箱出してくれ!後水筒も!」
    「分かった。」

    テーブルの上に有る、乱雑に並べられたお弁当箱の直ぐ近くにカメラが有った。
    自然と弁当箱ではなく、カメラを手に取る。

    「太一。」
    「なんだ?」

    カシャ

    「おい、急いでる時に何撮ってんだよ?」
    「いやあ、太一のエプロン姿を納めたくて。」
    「……遊んでる奴には、弁当はあげねえ。」
    「それは止めてくれ!!たいちいいー。」


    それは、晴天の空の下で、淡いピンクが色付いた頃。



    ***



    「うへえ、今日も雨か。」
    「梅雨だから仕方ないだろ。」
    「でも、こうも雨が続くと、滅入る。」
    「そんな太一に、おまじない、してやる。」

    何だと胡乱気な表情で見上げる太一の額に、キスを落とす。

    「元気の出るおまじないだ。」

    すると、暫く目を瞬かせた後、少し不貞腐れた顔でそっぽを向いた。

    「やるなら、違う所にしろよ、ばーか。」

    その声に思わずポケットに手が伸びる。
    そして。

    カシャ

    「……何撮ってんだ!!」
    「ごめんごめん、可愛くて、つい撮った。」

    その後、見事な蹴りを食らい、床に沈没した、

    夏はもう直ぐ。



    ***



    「ヤマトー、早く来いよ!」
    「おい、太一!上着は着ろ!焼けるだろう!」
    「直ぐ泳ぐなら要らねえだろ?」
    「お前は分かってない!それだけ魅惑的な体かを!」

    途端に、ビーチボールが顔面にヒットする。

    「た、たいちぃ」
    「ヤマトのばあーか!」

    太一は背を向け、海に勝手に入る。
    溜息を付き、足元に転がっているボールを拾い、荷物の横に置く。

    「おーい、ヤマト!」

    呼ぶ声に顔を上げる。
    嬉しそうに手を振る太一に、ヤマトは鞄からカメラを取り出し、シャッターを切る。

    カシャッ

    モニターには海の中で嬉しそうな顔で手を振る姿が有った。


    それは太陽がじりじりと照り付ける日の出来事。



    ***



    玄関を開けると、それはそれはいい匂いが漂った。

    「今日はヒカリから貰った栗で栗ご飯にしてみたぜ!」
    「たいちぃ~、そこは『お風呂にする?ご飯にする?それともワ・タ・シ❤』だろう!」
    「キモイ発言は止めて、ちゃっちゃと手を洗ってこい。」
    「……太一が冷たい。」
    「はあ。……おい、ヤマト。」

    呼ぶ声を共に、頬に柔らかく暖かい温度が触れた。

    「これで今は我慢しろ。」
    「太一!!」
    「玄関で突っ立ってねえで、早く上がれ。」

    背を向けて粗い足取りで廊下を歩き出した相手に苦笑し、そしてカメラを向けた。

    カシャ。

    「やまとお?」
    「今直ぐ上がります!」

    慌ただしい音に混ざる、美味しい香りが漂う日。



    ***



    ベランダに出て、一人でぼんやり空を眺める人物の隣に、すっと並び立つ。

    「太一。お疲れ様。」
    「ヤマトも、お疲れさん。皆は?」
    「第二弾酒盛り中。」
    「皆、はめ外してるなあ。」
    「明日は、地獄絵図になるな。」
    「でも、皆休みなんだし、良いんじゃねえの。」

    笑みを零す唇から、白い息が漏れる。

    「で、良くその中から逃げて来れたな。」
    「絡まれたが、タケルのお陰で何とか逃げて来れた。」
    「へえ。珍しいな。」

    その代わり、太一のオフショットを一枚あげる約束をした事は、相手には言えない。

    「お、後少ししたら、25日だな。」
    「太一。」

    太一がスマホから顔を上げる。
    二人の距離がゼロになる。

    丁度、スマホの日付が変わった。

    「メリークリスマス、太一。」
    「……気障野郎が。」

    そっぽを向く相手に、カメラを向けた。

    「太一。」

    ゆっくりと相手が振り返る。

    「めりーくりすます、ヤマト。」

    カシャッ。

    真っ赤な顔の相手がモニターに映された。

    「ばーか。」
    小さく甘い呟きが、クリスマスの夜空に溶けた。


    ***



    雪が降った翌日、折角だからと外に出たら、雪兎を作る流れになった。そして、二人で一匹ずつ兎を作った。

    「ヤマトの雪兎、可愛い。流石ヤマト。」
    「太一の雪兎も、味が有って可愛いぞ。」
    「それ、遠まわしに貶してるだろ。」
    「いや、太一が作り出す全てが、可愛くて仕方ないって事だ。」
    「あほか。」

    金色の頭を叩く、乾いた音が寒空に響く。

    「痛い。」
    「あほな事を言う、お前が悪い。」
    「たいちー。」
    「拗ねても、何も出ねえぞ。」
    「じゃなくて、写真撮りたい。雪兎たちと一緒に。」
    「何時も許可なく撮ってるだろ?」
    「でも、たまにはちゃんと撮りたい。」
    「一緒じゃねえのか?」
    「違う。」
    「……お前、変な所でヒカリに似てきたな。」

    全くと溜息を零し、足元に居る、仲良く並んでいる二匹の兎を見下ろす。
    そして、何かを思いついたのか、此方に手招きした。

    「なあ、折角だし、こいつ等みたいに、一緒に映ろうぜ。」

    太一の提案に、ヤマトは破顔した。


    そして、雪の積もった中、二人仲良く二匹の兎と一緒に映り込んだ。



    ***



    「太一」
    「ん?」

    カシャッ

    「桜、綺麗だな。」
    「そうだな。空が桜色に染まったみたいだ。」

    カシャッ

    「……なあ、写真ばっかり撮らねえで、桜鑑賞しろよ。」
    「大丈夫だ。太一越しにちゃんと桜を見てる。」
    「それ、鑑賞じゃなくて、ただ偶然見てるだけだろ。」

    呆れたと溜息を零す。
    モニターを覗く男は顔を上げ、仕方ないだろと小さく苦笑した。

    「青空の下で桜色に染まった太一を、今この瞬間を撮りたいんだ。」
    「……ったく、相変わらず気障だな。」
    「太一だけしか言わない。」

    カシャッ

    「そうじゃないと困る。」
    「え?」

    ボタンを押す手を止め、少しカメラを下げる。

    何も障害のない視界の先で、柔らかな風に乗り、淡い色の花弁が舞い踊る。
    雪の様に舞う春の色たちの中、太一が朗らかに笑む。

    「俺は、どんなお前でも、好きだよ。」
    穏やかな音色が花弁に乗り、ヤマトへと届ける。

    余りにも儚く美しい光景が、脳裏に、網膜に、焼き付いた。


    春色に染まった鳶色の瞳は、幸せそうに揺らめく。
    薄く春色に染まった唇が、名前を呼ぶ。

    声が、全身が、切望する。

    ヤマトが好きだと。

    それは、今まで撮ってきた写真、全てに共通していた。


    その事実に気付いた瞬間、ヤマトはカメラを手放し、太一の腕を掴み、引き寄せた。


    「結婚してくれ。愛してる。」
    絞り出された声が震えた。
    「仕方ねえから、結婚してやるよ、ヤマト。」
    素っ気ない声とは真逆に、目尻から感情が流れ落ちた。



    地面に落ちたカメラのモニターに、桜並木の中、二人の影が一つになっていた。



    ***



    「お兄ちゃん、ヤマトさん、笑って。」
    「だってよ、ヤマト。」
    「じゃあ、せっかくだし。」

    お互いに見つめ合い、そして。

    カシャッ。

    二人は幸せなキスをした。



    END


    ***



    ある日の朝。


    「なあ、ヤマト。」
    「なんだ?太一。」

    カシャッ

    「仕返し。」
    驚くヤマトに、太一はスマホを片手にほくそ笑んだ。
    しかし、自身で撮った写真を見て赤面する事になる。


    それは、とても甘く柔らかい表情をしたヤマトが映っていた。




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