Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    chiroroya_dda

    成人済、腐です。
    支部で載せられない、とても短い文や文章になってないネタを乗せます。ネタなので、ほぼ文章になってません。ツイッターでは入りきらないネタを此処に乗せる予定です。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💜 💚 ❤ 💙
    POIPOI 23

    chiroroya_dda

    ☆quiet follow

    !!注意!!

    日向が女装してます。


    日向が高校三年の文化祭の話。
    こちらは付き合ってる二人です。

    ##腐向けHQ
    ##あの日からずっと太陽を待っていた
    ##侑日

    魅惑のオドリコ烏野高校文化祭、当日。

    今年は高校最後の思い出にという事で、日向のクラスの出し物が「コスプレ喫茶」になった。
    とても定番と言えば、定番である。

    ただしルールとして「女装・男装が絶対条件」で、後は何でも有りになった。

    その所為か衣装合わせの時、メイド、執事は勿論、ミニスカポリス、警察官、魔女、魔法使い、猫娘、狼男、吸血鬼、サンタ、被り物等々、ハロウィンの仮装の様になってしまった。


    それを侑に電話で報告した時は、それはもう大爆笑された。


    「なんやねんそれ!おもろ過ぎやん!」
    「侑さんだって、去年の文化祭でたこ焼きの被り物したじゃないですか!」
    「ちょ、それは言わんといて!消したい記憶やねんて!」
    焦る侑に、知りませんと少々意地悪な事を言ったのは、ちょっとした意趣返しである。
    「ほんで、翔陽くんは何にしたん?遊びに行くから、教えてや。」
    「……内緒です。」
    「なんでやねん!」
    「頑張って、探してみて下さい。」
    「ちょ、翔陽君、ま、」
    待て、と言う制止を無視し、会話を強制終了した。


    そして本日。
    一般まで入場してきた校舎は、普段よりも賑わっている。
    日向は呼び込み係の為、看板を持ち校舎内を歩いていた。

    日向の仮装は、頭に猫耳を付けた、インドの踊り子の衣装。しかし、下のスカートはかなり透けて、両サイドには太ももの付け根までスリッドが入ってる為、動くたびに生足が露わになる仕様になっていた。勿論下には半パンを履いているのだが、チラチラ見える筋肉質な生足が、また妙な色気を放っていた。

    その為、男女問わず釘付けにしていた。

    そんな中呼び込み中の日向に数名ほど日向に近付き声を掛けると、気さくな日向は彼らの要望に応える為に小さな握手&写真撮影会になってしまった。

    「日向さん、いつも応援しています!大好きです!」
    「ありがとうな!」

    「日向さんのバレー、かっこ良くて、ファンになりました!」
    「サンキュー!」

    「日向さん、これ僕が作りました!良ければ食べて下さい。」
    「うお、めっちゃ上手そう!有難うな。」

    「日向さん、写真、一緒に良いですか?」
    「良いよ!」
    「ありがとうございます!」
    「あ、このままだと画面に入らないから、もっとくっ付こうよ。」
    「は、はう。あ、はい!喜んで!」
    「私も、一緒に撮りたい!」
    「お、俺も良いですか!」
    「はいはい、順番に並んでな!ちゃんと全員撮るから、安心しろよ!」
    「「「はい!」」」

    と、日向は笑顔で会話をしたり、写真撮影に応じたり、ファンサをしたり、と何ともスマートな対応をしていた。

    「そうだ。俺のクラスがやってる喫茶、後で来てくれると嬉しいな。俺も後で登板だから、サービスするよ。」

    そして最後に喫茶店の宣伝も忘れずにした。

    この手慣れた交流の様子を、日向と同行していたクラスメイトは「有名人みたいだ」とぼやいた。

    数分後、通路の窓から入る太陽の熱に暑さを感じ、流石にそろそろ移動しようかと、数名の学生たちに囲まれた日向が周辺を見渡した。
    次の瞬間、穏やかな空気は崩れた。

    「あ、日向だ!」
    「あそこに居るぞ!」
    「「「日向、私達(俺達)も写真一緒に撮って(くれ)!」」」

    視線の先に現れたのは、見知った同学年の学生達が、大勢で日向に向かって走って来る姿だった。
    流石の多さに、日向は小さな悲鳴を上げ、周りにいる学生達の輪からそっと抜け出すと、向かってくる学生達に背を向け走り出した。
    「お前らは笑いのネタにするから嫌だああああ!」
    日向は慣れない衣装が乱れるのも構わず、全力で逃げる。(廊下は走っちゃダメだぞ!by澤村)
    人気の少ない角を曲がり、階段を一つ飛ばしで駆け降り、そして玄関口を抜け外に飛び出すと、体育館まで走る。
    若干息を切らしながら後ろを振り返ると、まだ数名叫びながら追い掛けて来ていた。
    「マジかよ。そう言えばあいつ等陸上部じゃん。ズルいだろう。」
    兎に角体育館裏に行って、撒こうと考えた日向は、スピードを速めた。
    目の前の角を曲がれば体育館裏へ辿り着くと少々気を緩めた。
    刹那、スカートの裾が足に絡まり、足が縺れた。
    「げ、」
    途端に身体が傾き、勢い良く地面に倒れようとした。
    日向は衣装が汚れるのを覚悟して、受け身の体制を取ろうとした。

    すると不意に、誰かに受け止められた。

    襲ってこない衝撃に目を丸くし、日向は助けてくれた人物にお礼を言うべく顔を上げた。


    「危ないで、お転婆な踊り子さん。」
    烏野では珍しい関西弁に、聞き慣れた声色。
    日向はまさかと、恐る恐る顔を上げた。

    「翔陽くん、みっけ。」
    「侑さん!」
    嘘だ、と半ば呆ける日向に、侑はどっきり大成功やとにんまり笑った。
    あ、本物だ。
    日向は瞬時に本物だと理解したと同時に、鬼気迫った状況を思い出した。
    「侑さん、丁度良かったです!」
    「おん?どないしたん?」
    「今追われてるんで、ちょっと匿ってください!」
    一大事なんです。
    侑の両腕を掴み懇願する日向に、侑は少々面白くない顔をした。
    「ほーん、翔陽くんは人気者なんやなあ。」
    「侑さん?」
    「まあ、翔陽くんの頼みやから、ええで。」
    「ありがとうございます!」
    それじゃあと、侑の背後に隠れようとする日向に、「ちょい待ち」と日向の腕を取り止めた。
    「それやと、隠れへんで。」
    「じゃあ、どうすれば……って、もう直ぐそこまで来てる!」
    耳に入って来た複数の足音に、日向は顔面蒼白にさせた。
    「どないするって、こうするんや。」
    そう言うや否や、日向を引き寄せ抱き締めた。
    え、明るい瞳が大きく見開く。
    「俺に任せとき。」
    腕の中の日向に耳元で囁くと、顔を寄せた。
    近付いてくる端正な顔に、日向は身体を硬直させ、顔を赤くさせた。

    そして同学年の生徒達が目の前に現れた瞬間、唇に触れられた。
    途端に、どよめきと悲鳴が木霊した。

    「翔陽くんは俺のやから、渡さへんで。」
    十分な時間触れ合ってから離れた侑は、日向を抱き寄せたまま彼らに視線を向け、冷笑する。
    瞬時に「スミマセンでした!」と彼らは頭を下げ、脱兎のごとく退散した。
    「お幸せに」と言う言葉と共に。
    あっという間に、二人だけになり静寂さを取り戻すと、侑は日向を離し大きく息を吐いた。
    「上手くいったみたいやな。」
    呑気な声に漸く我に返った日向は憤慨し、侑に迫った。
    「ちょ、だからって、人前でキスは駄目でしょ!変な噂が立ちますって!」
    「変な噂やなくて、事実やん。」
    「そ、そうですけど!なんて言えば良いか……」
    困ったと頭を抱えしゃがみ込んだ。
    そんな日向に、侑は「本当のこと話せばええやんか」と少々拗ねた声を出した。
    「で、なんでそんなエッチな格好しとるん?」
    「……なんで怒ってるんですか。」
    日向が顔を上げると、侑は明らかに不貞腐れた顔で見下ろしていた。
    「俺以外に、エッチな足を見せとるからやん。」
    ほら、と指差す先には、しゃがみ込んだ為スリットが大きく開き、大胆に晒された太もも。
    途端に日向は赤面し、素早く立ち上がるとスカートで何とか足を隠した。
    「これは、不可抗力です!クラスの女子から借りたんで、俺の意思じゃないです。」
    「ほーん。でも、これを着たって事は、誘っとるって事でええんやな。」
    じりじりと迫る侑に、日向は後退る。
    「ちょ、此処学校ですよ!」
    「知らんわ、そんなん。」
    真顔で迫られた日向は、とうとう壁まで追い詰められた。
    背中に壁が当たり、軽い衝撃が襲う。

    「翔陽くん、トリック・オア・トリート?」
    ほくそ笑む侑に、日向は深い深い溜息を付いた。
    そして、気持ちを切り替えると背伸びをし、侑の耳元へと口を寄せた。
    「終わった後で、お願いします。」
    呟いた日向の耳は赤く熟れていた。


    ハロウィンの悪戯は、これから。


    END
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺👏💃👯💑❤💖👏👏👏☺☺💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💕💗💗💗
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works