バスの中で砂糖を振りまくな!揺れるバスの中で、日向は大きく欠伸をした。
「うう、眠い。」
「昨日は遅くまで無茶させて、すまんな。」
隣に座る侑がしゅんと肩を落とす。
「良いですよ。俺、嬉しかったし。」
その言葉に、侑は思わず相好を崩した。
「そうか。眠いなら、今は寝てもかまへんで。目的地に着いたら、起こしたるわ。」
そっと日向の手を握り温もりを分ける。
「ふああ。侑さんって暖かいですね。」
「翔陽くんも、凄く温くて気持ちええわ。」
「ふふ、じゃあ二人の体温だと、二倍気持ちいですね。」
「せやな。」
「俺、幸せです。」
「俺も、幸せやで。……せやから、お休み。」
日向の柔らかな頭を、空いた手で撫でると、数秒後には自分の肩に凭れ掛かってきた。
隣で安らかに眠る幼い顔に、侑は満足そうに笑んだ。
(((おい、人前でイチャイチャするな!バカップル共が。)))
移動するバズの一角だけが異様に甘い雰囲気になっていたが、乗車している殆どの者が内心で突っ込んでいた。
そんな中、一人だけ勇者が居た。
「あのさー、ツムツム。日向と昨日夜遅くまで何してたんだ?」
馬鹿、聞くな!
誰もが顔面蒼白になった。
「おん?ストレッチに決まっとるやん。」
あんな、エロい会話してて、ストレッチかよ!
木兎、既に眠っている臣以外のメンバーが、突っ込みと共に安堵した。
「ストレッチって大事だもんな!今度、俺も混ぜてくれ!」
「幾ら木っくんでも、それは出来へん相談やわ。」
侑は、眠る日向の肩をそっと抱き寄せた。
「誰かおったら、翔陽くん、独り占めできへんやん。」
にやりと笑う侑に、木兎と眠る臣以外は思った。
ですよね!!!!もう触るな、これ以上胸やけしたくない!!
彼らのバスの旅はまだ始まったばかりである。
END?