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    xxsakanaxx_hq

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    リクエスト語り。
    彼女がいる「ど」ノンケ治への片思いを拗らせた角名くんの話。

    #治角名
    nameOfTheCorner

    火曜日は忙しい毎週火曜日、部活が休みの日にはさっさと帰ることにしている角名くん。その日は週に一回のとても大切な用事があるのだ。
    『優しいパパ』が会いに来てくれる日——角名くんはいつも心待ちにしている。だからその日の放課後はホームルームが終わったらすぐに帰り、電車に乗って少し先の駅まで行って、仕事を終わらせて駆けつけてくるパパを待つのだ。パパは角名くんを奥さんよりも娘よりも大切にしてくれるので、絶対に嘘はつかない。約束は破らない。どんなに遅くなっても必ず来てくれる。「会いたかった」と嬉しそうに笑って、デパートのレストランで美味しいご飯を食べさせてくれて、欲しいと伝えておいたプレゼントを渡し、更にはお小遣いもくれる。角名くんが上手に『御礼』ができたらもっとたくさん、欲しいものを欲しいだけくれる。
    角名くんはパパが大好き。パパに愛されてるから、角名くんは幸せなのだ。
    しかし、最近角名くんとパパの幸せな時間を邪魔しようとする奴がいる。治だ。たまたま治がカノジョと待ち合わせしていた映画館で、偶然角名くんとパパが手を繋いで歩いているところを見られてしまってから、治はやたらと角名くんに突っかかってくるのだ。
    「あのオッサンとはもう会うな。学校に見つかる前にやめえや」
    治はことあるごとに角名くんにそう言った。嫌だと言っても何度でも、時々は人気のないところへ呼び出して、わざと二人きりになって伝えてくる。真剣な顔で詰め寄ってくる治に思わず、
    「なに? お前、俺のこと好きなの? だからそんなにうるさいわけ?」
    そんなことを尋ねれば、治は本気で訳が分からないと言いたげな顔をして怒るけれど、角名くんはその瞬間が一番楽しくて仕方がなかった。
    治はバカな男だ。深入りする気がないのなら放っておけばいい。治に心配されなくても、パパは角名くんを裏切らない。いざと言う時は一人で罪を被ってくれる。それくらい、角名くんとパパの関係は深いのだ。治の想像も及ばないほどに。
    (俺とパパのことなんか何にも知らない。知る気もない。そもそも俺の気持ちにだって興味がない。お前はそこからはみ出す気もなく、ただお前の見ている範囲の常識で物を言って、俺をそこの一部にしようとしてるだけだ。お前が目の前に並べてるカノジョだとかオトモダチだとかの中に、俺のことを陳列しておきたいだけ。ふざけやがって。俺はそんなのごめんだね。お前の傲慢なオママゴトになんて死んでも付き合ってやるもんか。お前のオトモダチになんか絶対ならない。もしも俺をお前の世界に繋いでおきたいなら、俺を一番に愛してくれなきゃ嫌だ。身も心も全部俺にくれなきゃ嫌だ)
    好きになってよ。
    たった一つの簡単な答えも治には永遠に分からない。だから角名くんの火曜日はこれからもずっと忙しい。だけど、気分はそれほど悪くない。角名くんには優しいパパがいる。そして、パパに愛される角名くんを横からじっと見つめている『最愛の男』がいるから。
    (終わり)
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