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    女体化魏嬰ちゃん第八話の藍湛視点です。
    途中までですが、続きは書き上がり次第、支部にアップします。
    0時には間に合わないと思いますが頑張ります💦

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #MDZS
    #忘羨
    WangXian
    #女体化
    feminization

    献舎されて蘇った魏無羨が、何故か女性だった話 第九.五話 中篇 翌朝、藍忘機は魏無羨と共に行路嶺へと向かった。
     石室に到着すると、魏無羨が金如蘭を掘り出した所に新たな死体を埋め終わり、壁を修復している最中だった。門弟たちの作業を見守りながら一息入れようとした聶懐桑だったが、藍忘機たちの訪れに顔色を失い気失せしそうになっていた。
     それでも、魏無羨のことを「お隣の方」とすっとぼける様に、藍忘機は大した者だと舌を巻く。だが、魏無羨は決まりが悪そうに再び修復が必要になると告げると、我が物顔で避塵を引き抜き修復された壁を壊し始めたものだから、聶懐桑は涙を滲ませている。
     藍忘機が居る為に、流石に文句を言えないのであろう。仕方なく簡潔に状況を説明すれば、彼は天に誓って此処には四肢の欠けた死体などないと訴え掛けてきた。
     身の潔白を証明するように、聶懐桑は門弟たちに指示を出して作業を進めた。半時辰(約一時間)後、金如蘭が埋められていた壁一面の石の大半が剥がされ、黒い土の中からは様々な死体が現れた。その中から、男性の死体だけを地面に並べた。
     横一列に並べられた死体の横にしゃがみこみ、思案を巡らせている魏無羨に藍忘機は左腕に探させるかと訊ねるが、彼は静かに首を横に振った。此処は陰気が濃すぎる。わざわざ陽のある時刻を選んで訪れたのもその為だ。
     左腕の欠けた死体が無いということは、恐らく四肢をバラバラにしてそれぞれ別の場所に隠しているのだろう。そして、金如蘭に現れた悪詛痕から考えられる、此処に隠されている部位は。

    「脚だ」

     自身の放った言葉に、魏無羨も同じ考えに至ったのだろう。下衣を剥がせろと指示を出し、その言葉に聶懐桑がギョッとして窘めるが、興奮した魏無羨は己の失言に気付いていないようだった。
     「恥ずかしいも何も、此処に居るのは男だけだろ」という、自身が女の身を得たことをすっかり失念した言葉に、聶懐桑は頭を抱えている。藍忘機は周囲に気付かれぬように嘆息を漏らした後、「莫殿は先日まで、亡き御母堂のご遺志に従い公子として過ごして居られた故」と言い訳した。
     家規で嘘が禁じられている藍忘機の言葉であれば、聶氏門弟たちも疑うことはなかった。其処までは良い。嘘は言っていないのだから。だが、其処からは藍忘機にとってとても許容量出来るものではなかった。
     何故なら、魏無羨が死体の下衣に意気揚々と手を伸ばしたのだから。例え死体といえども、彼が他の者に触れるなど見逃せる訳がない。反射的に彼の動きを封じると、藍忘機は「私がやる」と言っていた。
     当然、魏無羨は怪訝な顔で本当にお前がやるのかと訊ねてきたが、彼がやるくらいなら己がやるほうが幾分ましである。「君は動くな。私がやる」と藍忘機は頑なに譲らなかった。
     聶懐桑を始め聶氏門弟たちは今日一日で一番の驚きだと目をみはり、魏無羨は楽しげに瞳を輝かせている。そんな表情も愛らしいが、こういうことは今後は控えて欲しいものだと藍忘機は肩を落とした。
     雅正を家訓に掲げている藍氏の公子である藍忘機が、素手で死体の下衣を脱がせる筈もなく。引き抜いた避塵の剣気で服を少し裂いて、その下に覗く肌を晒したのだった。
     一体ずつ死体を素早く検分していた藍忘機は、間もなく「見つけた」と呟くように告げた。その場に居合わせた皆の視線が其処に集まる。藍忘機の足下に横たわる死体の両腿には、それぞれうっすらと横に線が走っている。
     肌色の細い糸で縫い合わせており、上下で皮膚の色も微妙に違っている。別人の死体が縫い合わされていることは明確であり、そのおぞましさにその場の空気は重たくなった。
     魏無羨からの祭刀堂で使う死体は誰が選んだのかという問いに、それまで言葉を失っていた聶懐桑は亡くなった聶明玦の代わりに自分が選んだこと、五官と四肢が揃っていれば全て引き取ったことを簡潔に答えた。
     藍忘機が聶懐桑の言葉の真偽を窺っている隙に、魏無羨は死体から両脚を取り外し、封悪乾坤袋に入れていた。幾ら死体とはいえ、魏無羨が他の男の肌に触れるところなど見たくなかった。
     嫉妬に身を焦がす藍忘機に、そんなことに気付きもしない魏無羨が話し掛けてきた。八つ裂きにされた上にあちこちに捨てられるだなんて、どれだけ恨まれていたのだろうと。
     果たしてそうだろうかと、藍忘機はその言葉に違和感を覚えた。この両脚は聶明玦の物だ。そして、切り離して別々の場所に隠したのは恐らく金光瑤だ。
     確かに聶明玦は金光瑤にきつく当たっていた。それを邪魔に思ったとして、殺すだけでなくバラバラにする必要性が感じられないのだ。聶家宗主は代々、刀霊に害され憤死する。現に聶明玦も、気が触れて失踪したとされていたのだ。
     死体をバラバラにすることも、その部位をこんなふうに手間を掛けて隠すことも、あの狡猾で臆病なほど慎重な金光瑤の行動とは思えない。憎しみではない、別の強い感情があるのではないか。
     正直、魏無羨以外の者には毛ほどの興味も持たない藍忘機だが、今後、魏無羨が金光瑤に疎まれて害を及ぼされる可能性は否定出来ない為、頭の片隅に残しておくことにした。
     目的を果たした藍忘機と魏無羨は、行路嶺を後にして宿に戻った。部屋に着くと、左腕と両脚を細部まで改めた。骨格や筋肉の付き方からも、この四肢が同一人物の物であると確証を得た。近くに並べたことでそれぞれの部位が共鳴するように震えだしたのだ。
     そして、左腕が再び道を指し示したことで、次の目的地へ向かった二人が辿り着いたのは櫟陽だった。

     《続》
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