縛られる 種自由(キラシン)ベッドに鎖で手を繋がれて、何処かの部屋に閉じ込められている。
一体どれくらいの時間が経ったんだろう?時計のない部屋だった。
カチャリとドアが開いて、唯一この部屋を訪れる黒髪の少年が僕に笑いかけた。
「キラさん…何処にも行かないでくれますよね?ずっと俺のキラさんですよね?」
「シン…」
僕の上に乗って、愛おしそうに頬ずりする。
ずっと、彼が僕を好きな事は知っていた。
知っていて、応えないでいた罰かな?
シンは僕の唇を重ねるとふわふわと微笑んでいる。
彼を壊したのは僕だ。
「世界は、俺が守ります。貴方はここで、俺を愛していて下さい……」
「シ……ン……!」
「俺だけのキラさん…!」
シンに薬を口移しで飲まされて、彼を抱いている間、僕の意識は飛んでいる。
目が覚めた後、シンが幸せそうに僕の隣で眠っていて。
その身体をそっと抱きしめて僕も眠る。
数ヶ月後、僕はすっかり彼を抱く事にも慣れてしまい、この世界に僕が要らない事にも気付いていた。
『キラ?!お前……今何処に居るんだ?!』
だから、アスランからのレスキューにもシンを膝の上に乗せたまま、僕は柔らかく笑って答えた。
「ゴメンね、アスラン…僕は今僕を必要としてくれているところにいるんだ」
邪魔しないで?
通信が切れた後、シンに口づけてそのまま彼に愛を囁いた。
「もう何処にも行かないよ?シン…僕だけのシン…」
「キラさん……!愛してます」
「僕も…シンが好きだよ……!」
笑いかけると、シンが陶酔したかのように僕を求めた。
鎖はいつの間にか外されていたけれど。
そんなものはもう要らない。君は僕の心に鎖をかけたよ。