「トリィのぬいぐるみ活用法(ザラ編)」 (アスキラ)<トリィ!!!!!!!!!>
と言わんばかりに巨大な鳥のぬいぐるみを抱いてアスランが寝てた。なんで?僕の部屋のベッドなのに???
「アスラン……起きてよ!!」
「んー……」
まさかのNOの提示に僕が愕然としていると、眠そうなアスランが欠伸をした。
「今日はしない……」
「なっなんで?!!………いやっその!!」
これじゃ僕の方が求めてるみたいじゃないか?!!!じろりとした視線がこちらを見て来てたじたじになる。
「今日、シンとデートして来たそうだな………」
「た、ただの視察だよ?」
「その後、ラクスとお菓子作ってたらしいな」
「午後のおやつを皆に配りたくて……じゃなくて!」
「カガリからもラブレター貰ってるそうだし?」
「それは……近況報告というかそういうので……」
「で、俺以外のヤツの匂いいっぱいさせて帰って来てる訳だ?」
「アスランが言ったんじゃないか!戦闘訓練もしないとこれからは…って!だからその…柔道とか剣道とか習っててそりゃ…」
「知らない奴から寝技かけられて喜んでたのか?」
「そんな事!!!」
とにかくプンスカ怒ってる様子のアスランは巨大なトリィを抱きしめていて僕に触れてくれようとしない。
く、悔しい。僕だって久しぶりにアスランに会えたんだから……っていう思いは強いのに!!
巨大トリィが僕を阻む。
かくなる上は!!!!!
「……今から、シャワー浴びて来るんだけど……」
ピクリと耳が動いたのを見逃さない。アスランの耳元で囁くように。
「その、一緒に入らない?」
……言ってから恥ずかしさで血液が顔に登って来たけれど。
シーンとしてるので、もう!!アスランなんて知らない!!!っと思って僕は涙目で軍服を脱いでバスルームに入った。
それから30秒後。
巨大なトリィのぬいぐるみを抱えて、アスランが入って来たのは言うまでもなくて。
「アスランこのぬいぐるみ邪魔!!!」
「………お前が誘ったんだからな?」
アスランの最後の抵抗(トリィのぬいぐるみ)をぶん投げさせたら、ぎゅうっと抱きしめられた。
閉められたバスルームの中は秘密。
君を篭絡するのは意外に簡単かもしれない?