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    ROM

    @94_ROM_12
    稲妻の目金君関連のみ

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    ハッカーズが大晦日に駄弁る話。CP要素無し。
    ※萌先生に恋人がいる描写があります。ご了承下さい

    #メガネハッカーズ
    glassesHackers
    ##CP無し

    これからも、いつ迄も「ねえ、今夜暇だよね。久しぶりに皆んなで年を越さないかい?」

    年末年始特有の浮かれた空気など微塵も感じさせ無い閉ざされた空間にあるメガネハッカーズのアジトにて。いつもと同じルーティンをこなす二人に向けて漫画萌はこの時期ならではの提案をした。

    「……何言ってんだマンガか」
    「『いつも顔を付き合わせている男共と年を越す瞬間まで一緒にいたく無い』と言っていたのは漫画君じゃ無いですか」

    そんな事を言い出すなんてらしく無いと、芸夢好武は訝しげな表情で、目金欠流は不思議そうな様子で萌を見つめる。

    「まあその考え自体特に変わりはしていないけどさ、今年は遂に長年の悲願だったフィフスセクターを壊滅させたんだ。互いを労う意味も込めて今年は皆んなで年越しするのも一興じゃ無いかな?」
    「漫画君……」

    「さては君、また彼女と別れましたね」
    「さあて、何のことやら」

    早々に図星を突かれた萌は飄々とした雰囲気は崩さず、しかし目線は空に逸らし返答を拒絶する。
    メガネハッカーズ1の美形である萌は非常に異性にモテる。そしてそれを理解している萌は自身に近寄る女性に手を付けては別れるといった行為を繰り返しているのだ。萌の名誉の為に説明しておくと、萌は決して『ヤリ捨て』をしている訳では無い。単に顔に釣られた女性達が萌の中身を知り幻滅して去っているだけである。

    「夏の始まりに付き合い出してたから、今回は半年だな」
    「へえ、結構長続きしてたんだね」
    「何で君が他人事みたいな反応しているんですか」

    まるで世間話を聞くような態度を取る萌に、芸夢は心底どうでも良さそうな、目金はゲンナリとした顔をする。それぞれらしい反応を示した二人を見て萌はケラケラと笑い「くだらない事で会いたがる子で、しんどくなっちゃってさ」と涼しい顔で別れの原因を語る。

    「まあ、そうですね。漫画君の都合はこの際どうでもいいとして「良くないよ?」互いを労う会を開くというのは良い案かもしれません。今年は『幕末!サムライファイターズZ!』の売り上げも好調でしたし」
    「『英傑!三国ファイターズV!』の発売も秒読みだしな」
    「そうだろうそうだろう?」

    徐々に乗り気になってきた二人に応じる様に萌もウキウキとした様子を見せる。

    「そうと決まれば、今夜に向けて計画を立てる必要がありますね」
    「俺たちが集まるっつうなら、オールで格ゲー一択だろ」
    「その勝負乗った!」
    「えー、そんなに体力保たないよ」

    芸夢らしい提案に目金は目を輝かせて前のめりな姿勢を見せるが、気力も体力も二人について行く自信がない萌はウヘェと嫌そうな表情を浮かべる。

    「そんな子供みたいな事しないでさ、普通に歌番組見てお酒飲んでだらだらするのはどうかな?」
    「うっわつまんね」
    「漫画君センス無さすぎじゃ無いですか?」
    「え、そんなボロカスに言われる事これ?」

    大晦日のど定番な過ごし方を提案した萌はまさかの総スカンにショックを受けしょんぼりと肩を落とす。

    「僕はやはり今尚愛される名作ノベルゲー『運命の夜明け』シリーズのネット特番の同時視聴が一押しですかね!」
    「出たよアニオタ」
    「僕あのシリーズ通って無いんだよね」
    「んな!?あの作品を未履修とは正気ですか?!」

    満を辞して自身の大晦日の過ごし方を提示した目金であったが、予想を下回る仲間達のリアクションに愕然とする。
    その後も互いに大晦日に相応しい過ごし方を提案し、あーでも無いこーでも無いと語り合い続けた。

    「…………」「…………」「…………」

    語り続けたのだが、全員が納得のいくプランを皆出す事が出来ず、

    「取り敢えず各々酒を持ち寄って、適当に流れで過ごしますか」
    「賛成ー」
    「異議無し」

    ぐだぐだとした、合って無いようなプランに落ち着くのであった。

    「結局こうなるんですよね」
    「いつもの事だな」
    「まあ良いんじゃない?楽しいのは間違いないんだしさ」

    はあ、とため息をつく目金に、どうせこうなると思っていたと言わんばかりに平然とした様子を見せる芸夢、そんな二人を見てアハハと萌は楽しげに笑う。

    「まあ酒は各自用意するとして、後はつまみか」
    「空きっ腹にお酒入れるわけには行きませんもんね」
    「おつまみかあ……今家に何も無いなあ」

    再び訪れる沈黙。目を合わせる三人。そして全員が自然とグーの構えで向き合う。

    「初めにグーを出すスタンダードスタイルでいきましょう」
    「文句言いっこ無しの一回勝負だね」
    「絶対負けねえ……!」

    張り詰めた緊張感がアジト内を覆う。互いに様子を伺い、相手の手を何とか読もうとする三人。緊張はピークに達し、そして解き放たれる。

    「「「最初はグー!じゃんけんぽん!!!」」」



    大晦日。年が変わる一つの節目。家族と共に年を越す瞬間を待つ者も多いそんな日を、メガネハッカーズの三人はいつもと変わらずに、馬鹿げていて、けれどもどうしようも無く楽しげな、青春のような時間を共に過ごして行くのであった。
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    ROM

    REHABILI「嘘はまことになりえるか」https://poipiku.com/4531595/9469370.htmlの萌目の2/22ネタです。22日から二日経ちましたが勿体無い精神で上げました
    猫の日「……えっと、つまり。漫画君は猫耳姿の僕を見たいのですか?」
    「今日は2月22日だろう?猫の日に因んだイベント事をこう言う形で楽しむのも、恋人がいるものならではの体験だと思うよ」

    2/22。2という数字を猫の鳴き声と準えて猫の日と呼ばれているこの日。そのイベントに乗じてインターネット上では猫をモチーフとしたキャラクターや猫耳姿のキャラクターが描かれたイラストが数多く投稿されている。そして、猫耳を付けた自撮り写真が数多く投稿され、接客系のサービス業に勤めている女性達が猫耳姿になるのもこの日ならではの光景だろう。
    古のオタクを自負する萌にとって、猫耳とは萌えの象徴であり、身に付けたものの可愛さを最大限までに引き出すチートアイテムである。そんな最強の装備である猫耳を恋人にも身につけて欲しいと考えるのは自然な流れの筈だ。けれど、あくまでそれは普通の恋人同士ならの話。萌と目金の間に結ばれたこの関係は、あくまで友として萌と恋人のごっこ遊びに興じる目金と、目金に恋慕する萌という酷く歪な物であった。
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