AWAY,AWAY,AWAY from HOME 2か月後.
A thousand moments.
They’re like a bag of tiny diamonds.
The way you felt under my hands when I pulled you to me.
That kiss…which I’ve kissed every day of my walking.
「…でかいビルだな…」
双頭の鷲の紋章があしらわれた巨大な自動ドアの前で、俺は呆然と立ち竦んでいた。
携帯の小さな画面を見てイメージしていたものの数十倍でかい。
入り口も、なんなら建物自体もガラス張りでキラキラしていて、いかにも田舎から出てきましたという風体の自分とは不釣り合いなことこの上ない。
傍から見たらきっと合成写真のようだろう。
ここのところ、自分はずっとこの会社について調べていた。
国内だけで支社が十以上あり、関連会社も入れると三桁を優に超える。
膨大な情報の中、なんとか彼の所在に関する手掛かりを得られないかと記憶の中も併せて探しに探したが、新しい情報は何も得られないまま時間だけが過ぎていき、一月ほどたったところで、最早いてもたってもいられず気が付いたら飛行機に乗ってしまっていた。
…そうして来てみたものの、これからどうしていいのかさっぱりわからない。
受付で『ホメロスいますか』と聞いてみようか?
いや、おそらく受付にたどり着く前にあそこにいる屈強なガードマンたちに取り押さえられるだろう。
それなら、ここで彼が通りかかるまで待ってみようか?
いや、そもそもこの本社に彼がいるという保証もないのだ。
ずっとここで何もせず何時間も突っ立っていたら、やはりあの屈強なガードマンたちに取り押さえられるだろう。
不審者として警察に突き出されるかも知れない。
異国の地で警察のお世話になるのだけは避けたい。
(…やはり無謀だったか…)
それにしても空気が悪い。
新鮮な空気を求めて、思わず天を仰ぐ。
真昼の太陽が眩しい。ビルのガラスに反射して余計に。
周囲を見渡せば、このビルに限らずすべてのビルが高い。
風車より高い建物など久しぶりに見た。
…なんだか、くらくらしてきた。
「グレイグ?」
途方に暮れていると、背後から声をかけられた。
振り向くと、そこには長い黒髪を高い位置でひとつに束ねた若い女性が立っていた。
その隣には、黒髪を後ろになでつけた背の高い派手なスーツ姿の女性…いや、男性か?
「あなた、グレイグでしょう?」
もう一度名前を呼ばれ、困惑する。
いかにも自分はグレイグだが、この国に知り合いはいない。
目の前の女性にも当然見覚えはない、はずだが。
知らないうちに異国の地で有名になっていたのだろうか?
何も答えられず固まっていると、今度は背の高い方の女…いや男がバンデルフォン語で同じことを訊いてきた。
どうやら言葉が通じていないと思われたらしい。
「あ、いや、言葉はわかります。それより何故自分の名前を?」
覚えたてのたどたどしいデルカダール語で返す。
名前だけでなく、この二人は何故自分がバンデルフォンの人間だと知っているのか。
「やっぱり!だってホメロスに聞いた通りだもの。
紫の髪に碧眼の2メートルのクマのような大男って」
予告もなく突然飛び出た探し人の名前に、心臓が跳ね上がる。
そうだ。この国には、ひとりだけ知り合いがいた。
「ホント!離れたところからでも一目でわかったわよ~」
二人は「ね~!」と続けてはしゃいでいる。
「お、お二人はホメロスの知り合いなのですか?」
「同僚よ。ホメロスちゃんたら休暇から帰ってからずっとあなたの話ばかりしてるからすっかり覚えちゃったわ。
他に言うことないのかってくらい、グレイグがグレイグがって」
ホメロスが、自分の話を。
嬉しいのか、緊張なのか、自分でもわけが分からない感情で心臓がうるさい。
「あの、具体的にはどんな話を?」
「まぁ、それは…本人の前ではあまり言えないような内容なんだけど」
悪口だった。
「言える範囲で言うと、キノコばかり食べさせられたって愚痴ってたわね~。
人をマタンゴにする気かって」
「それ、私も聞いたわ。マタンゴって何?」
「…キノコが好きなようだったので」
自分のレパートリーが好物のキノコを使ったものばかりだったので、ホメロスにもそれを出していたのだが、…
そう言えば彼の方からキノコが好きだとは一度も言っていなかったかも知れない。
単純に出されたものは残さない躾のいい子だったのかも知れなかった。
「それで?ホメロスに会いに来たの?」
長い黒髪の女性がからかうような瞳で自分を見上げた。
「ええ、まあそうなんですが…約束などはしていないので、どうしたものかと」
自分の言葉に、派手スーツが人差し指を頬に充てて首を傾げた。
「ホメロスちゃん、今外出してるわよね?」
「そうね。今日はお父様たちと関連会社の役員と打ち合わせしてそのまま会食だったはずよ」
「お父様?」
「社長よ」
なんと、社長令嬢だった。
道理で品があると思った。
そんな女性と仲良く話せるということは、ホメロスも相当立場のある人間なのか。
あんなに口が悪くて?
急に気後れしてきたが、ここまできて引き返すわけにはいかない。
「レストランは分かってるからそこまで行ってみる?ここで待っているよりはいいんじゃないかしら~」
「私達、ランチに行くところだったの。あのレストランに行くなら、ついでにそこでランチにしない?そうと決まればタクシー!」
自分の返事を待たずに黒髪の社長令嬢がタクシーを捕まえる。
何故か楽しそうな二人に圧倒されながら、俺は どこの国も女性はパワフルで強いな、と変なところで感心していた。
都会は本当に分からない。
本社ビルから車で20分ほど行くと、海なんだか湖なんだか大きな池なんだか、とにかく水辺にある大きな公園に着いた。
さっきまでコンクリートしかなかったのに、突如水と緑に囲まれた憩いの空間が現れたのだ。
これが都会のオアシスと言うやつか…
車から降り、呆然としていると、二人は自分を置いてさっさと歩きだした。
ちなみに車の中で聞いたが、社長令嬢の名はマルティナ、派手なスーツの方はシルビアと言った。
2人ともやたらヒールの高い靴を履いているが、シルビアの方はれっきとした男だ。
あんなに歩きにくい靴なのに自分より先をすたすたと歩いてゆく二人の後を慌ててついていくと、そのレストランは公園の中に突如現れた。
自分がホメロスを連れて行ったレストランとはあらゆる意味で比べ物にならない。
自然豊かな公園の景観を壊さない、それでいて洗練されたシックな建物、入り口にはドアマン、本日のおすすめメニューなんて看板は当然出ていない。
「久しぶりに来たけど相変わらずお高そうなお店ね~」
「そう言えばグレイグ、バンデルフォンでホメロスをレストランに連れて行ってあげたんですって?」
「あ、ええ。まぁ…こことは比べ物になりませんが…」
「料理はまぁまぁだったけどワインの品ぞろえがイマイチって言ってたわね~」
どこまで話しているんだ。
というか人の金で高いワインを飲んでおいてその言い草はなんだ。
「あら。怒っちゃった?でも安心していいわよ。
ホメロスちゃんの『まぁまぁ』は『良かった』って意味だから」
むっとしていた自分に、シルビアがウインクをして見せた。
表情に出ていたらしい。
そうこうしている間にも社長令嬢マルティナ様はどんどん歩みを進め、勝手知ったる様子でドアマンに話しかけた。
「申し訳ありません。お食事の方はご予約がないと…」
「それじゃあ、中に入って、人を探すだけでいいわ。長居はしないから」
マルティナ様の提案に、こちらをちら、とみてからドアマンは申し訳なさそうな顔をした。
「その、いつも御贔屓頂いておりますマルティナ様のご要望にお応えしたい気持ちは山々なのですが…あの…お連れ様のその格好では…ちょっと…」
隣に立つシルビアがあらら、と肩を竦めて見せた。
振り向いたマルティナ嬢もこちらを見てああ、…と納得した顔をした。
「確かにその格好じゃちょっと、ね…」
マルティナ嬢のその言葉に、俺は改めて隣の男を頭のてっぺんからつまさきまで見た。
確かに。このレストランにこのスーツは些か派手すぎるだろう。
「ちょっと。アタシじゃないわよ。なんだってそんな奇抜な格好で来たのよ?」
「奇抜…俺のことか?」
お前にだけは言われたくない、という言葉をなんとか飲み込む。
仕事着と似た色味の青と水色のチェックのポロシャツに、辛子色のスラックス。
ホメロスに分かりやすいようにと、彼と会うときにいつも着ていた仕事のユニフォームと似た色のものを着てきたのだが。
これが奇抜とは。お国柄の違いだろうか。
「…仕方がないわグレイグ、店の外でちょっと待ってて。私が今呼んで来てあげるわ」
「ああいや、そこまでしていただかなくても。確かにここにいるのなら、外で待ちます」
単身店内に乗り込もうとするマルティナ嬢を慌てて止める。
早く会いたいのは勿論だが、正直ここまで急に物事が進んでしまったから心の準備をする時間が欲しい。
それに、もし。
…会いたくないと、言われてしまったら。
そんな可能性も考えて、少し、覚悟を決める時間が欲しい。
「そう?…じゃあ、お父様とホメロスが出てきたら教えてくれる?近くにいるようにするわ」
マルティナ嬢の言葉に、ドアマンは畏まりました、と恭しく頭を下げた。
「そうね。あと一時間もすれば出てくるんじゃないかしら?」
シルビアが腕時計を確認する。
「ねえ、じゃああっちのフードワゴンが並んでいるところで何か買って食べない?」
社長令嬢だというのに随分庶民的だ。
レストランの敷地を出て、三人で公園内を並んで歩きながら、気になっていたことを口にしてみた。
「…その、ホメロスは怒っていませんでしたか」
自分の言葉に、二人は不思議そうな顔をした。
「怒る?まぁ文句は沢山言ってたけど、本気で怒るって感じじゃなかったわね~」
「どっちかっていうとアレは惚気よ、惚気。」
「惚気…」
「まぁアタシ達の口からあんまり言っちゃうのも、ねぇ?」
二人はまた顔を見合わせて意味ありげに「ねー」と言った。
これが女の連帯感というものか。自分にはさっぱり分からん。
「ねぇグレイグ。私達はあなたがホメロスに会いにデルカダールまで来てくれて、本当に嬉しいの」
マルティナ嬢が隣を歩く自分を見上げた。
反対隣でシルビアもうんうん、と首を縦に振った。
「…ホメロスちゃんがあんまりあなたのことばかり話すから、アタシ、今度皆で会いに行きましょうよって言ったのよね。そしたら、急に押し黙って『二度と行きたくない』って」
シルビアのその言葉に、思わず足が止まった。
俺に合わせて、二人も歩みを止める。
「二度と、行きたくないと?」
胸の奥のほうが、ぐっと引き攣れるように痛んだ。
やはり来るべきではなかったのだろうか。
また会いたいと思っていたのは自分の独りよがりだったのか。
「でもね、そう言いながらものすごく寂しそうな顔をしてるのよ。
女の勘ってやつよね。ピーンときちゃったわ。会いたいのに、何かが邪魔してるなって。
ホメロスちゃんってほら、プライドが高いし意外と思い込みも激しいから。
何があったとは絶対教えてくれないけど」
ねえ、とシルビアが同意を求めると、今度はマルティナ嬢がうんうん、と頷いた。
「本人が行かないって言ってる以上、無理に連れて行くわけにもいかないし。
こうなったら向こうが会いに来てくれるのを待つしかないわねって言ってたの。
まあ、いざとなったら首に縄付けて連れて行ってもいいかなとは思っていたんだけど」
なにか物騒な発言も聞こえた気がするが、おそらく気のせいだろう。
「グレイグ、なにか心当たり、ある?」
「…あると言えば、あります」
見送りに間に合わなかったことだ。
事故渋滞に巻き込まれたことは不可抗力だが、ホメロスが空港でその事実を知る術はなかっただろう。
単純に、俺が行かなかったと思っているかも知れない。
行くと言ったのに。
待っていてくれたかも知れない。
空港に彼の姿がなかった時の、あの焦燥感。もう会えないのかと言うあの絶望にも似た感情。
同じ気持ちを抱えて、待っていてくれたのかも知れない。
そんな気持ちで、ひとり、空港で待っていてくれたのかも知れない。
「すみません、ちょっと」
ひとり待つ彼の姿が脳裏に浮かんで、居ても立っても居られなくなり、踵を返して走り出した。
後ろから2人が自分を呼ぶ声がしたが、足は止まらなかった。
一秒でも早く伝えないといけない。
謝らなくてはいけないのだ。行けなくてすまなかったと。いや、行ったのだが事故渋滞で…いやこれは言い訳がましいな。
細かい説明は後でいい。とにかく一刻も早く彼に会わなければいけない。
レストランの入り口まで戻ってきたところで、ぎょっとした顔のドアマンに当然のように止められた。
「あの、まだお連れ様は…」
「分かっている。だが、すまない、急ぎの用なのだ」
「そうおっしゃられましても」
ドアマンを押しのけて扉を開くと、近くにいたウェイターがぎょっとした顔でこちらをみた。
「お客様、困ります!」
店の奥に進もうとする俺をドアマンが必死に外へ押し戻そうとする。
が、体格が違いすぎて相手にならない。
店内を進んで、広く明るい空間に等間隔に並ぶテーブル席を見渡すが、それらしき姿はない。
「ホメロス!」
大声で呼んでみるが、返事はなかった。
食事中の客の視線が一斉にこちらに集中する。
ざわざわと騒ぎ出すその観衆の中に、やはりあの男の姿はない。
本当にここにいるのか。
もう一度名前を呼ぼうとしたところで、騒ぎを聞きつけたウェイターがどんどん集まって来てしまった。
流石にこの人数相手に大立ち回りを演じるわけにもいかず、俺は足を止めた。
気が付けば責任者らしき人物がウェイターに連れられて慌てた様子で奥から出てきているし、ついでに「警察」という単語も聞こえた。さすがにそれはまずい。
落ち着け、落ち着いて事情を説明するんだ。
ちょっとお騒がせしてしまったが自分はただ、友に会いたいだけなのだと。
店中の視線を一身に背負って、支配人らしき人物に事情を説明しようとした時、彼の後方にある、バルコニー席に一人の男が姿を見せた。
「ホメロス…」
自分の姿を見つけた男の細い目が、これでもかというくらい見開かれた。
その顔が一瞬嬉しそうに緩んだように見えたが、すぐ次の瞬間には目を吊り上げた鬼の形相に変わってしまった。
「グレイグ!何故貴様がここにいる?これは何の騒ぎだ!?」
ホメロスがバルコニー席から大声で言ったその言葉は、二か月前よりずっと流暢なバンデルフォン語だった。
「あ、…いや、その…、だな。色々あるのだが…まず、謝らせてくれ!」
こちらも大きな声でバルコニー席に向かって言葉を返した。
突然の自分の告白に、ホメロスは面食らっていた。
それはそうだろう。旅先で出会った男が突然目の前に現れて謝りたいと言い出したら俺だってそんな顔になる。
しかも向こうはバンデルフォン語で話し、こちらはデルカダール語で返す。
なんともちぐはぐな会話だ。
「約束したのに見送りに行かなくて悪かった!
いや、実は行ったのだが、事故渋滞に巻き込まれてしまって間に合わなかったんだ!」
大声でそう告げると、ホメロスは更に目を丸くした。
そうして少し考える仕草をした後、キザったらしく前髪を払った。
「…フン。別にどうでもいいがな」
こちらに聞こえないくらいの小さな声でそう呟くその顔はどこか、嬉しそうだ。
涙が出そうになった。
その顔を、ずっと見たかった。
いや、怒っている顔でもいい。
なんだっていい。笑っていても、怒っていても。
そこにいて、存在してくれる。
夢ではなく、現実としてそこにいてくれる。
その姿を、見たかった。
「ホメロス」
もう一度その名を呼ぶと、金色の瞳がこちらを見た。
その眼が、その表情が、背中に流れる金色の髪が、すべてが美しいな、と、思った。
なぁホメロス、
「結婚してほしい」
ホメロスの動きが止まった。
ホメロスだけじゃない。
自分を外へ出そうとしていたウェイターもドアマンも、好奇の視線を向けていた客たちも、皆動きを止めて黙ってしまった。
静かな店内に、自分の声だけが響いている。
「お前のことをよく知りもしないで、狂気の沙汰だと思うだろう。
だが、あまりにも物事がはっきりしている時には理由など要らないんだ。
俺がこっちに住んでもいいし…お前がデルカダールに来てもいい。」
そんな単純な話ではないのは分かっているし、簡単にはいかないだろうが。
「お前が俺のように馬鹿ではないことは分かってる。
だからもし断られたとしても、驚かない。
だが、もう二度と会えないと思っていたものが、また会えたのだ。
せっかくだから、思っていることを伝えたっていいだろう」
ホメロスは動かない。
本当に自分以外の時間が止まってしまったのだろうか。
永遠にも思えるような時間が流れた後、誰かがヒュウ、と口笛を吹いた。
その音を切欠に時間が動き出したかのように、ホメロスの顔はみるみる赤くなっていった。
ここからは見えないが、後ろにいるのであろう誰かに必死に何かを言い訳して、前髪を払ったり、長い後ろ髪をくるくる指に巻き付けたり、忙しなく髪をいじっている。
やがて思い出したかのようにこちらを睨みつけると、手摺を乗り越えそうな勢いで身を乗り出してきた。
「おい!危ないぞ!」
「グレイグ貴様!!馬鹿者が!時と場を考えろ!」
バルコニー席から飛び降りてきそうなその勢いのまま、ホメロスが喚く。
「ってことは時と場所を考えればいいのね~」
いつのまにか俺の後ろに立っていたシルビアが すかさず突っ込んだ。
「な、あ、」
「グレイグ、いいこと教えてあげるわ。あれはね、照れよ、照・れ♥」
「おい!!」
シルビアの言葉にホメロスは更に真っ赤になってこちらを睨みつけてきた。
危ない、落ちる。
「ねぇ、場所と時間が問題だっていうなら、今夜ここのレストラン予約したら?支配人、今夜、お席空いてる?
一番高い個室なら空いてる?うん、じゃあそこでいいわ。予約お願い」
シルビアの横に立っていたマルティナ嬢がさっさと話を進めている。
「じゃ、それまでにグレイグのその格好をなんとかしなきゃね〜。アタシ、いいブティック知ってるわよ」
「ねぇグレイグ、ちなみに指輪は用意してあるの?もしまだなら、私がホメロスの好きなブランド教えてあげるわよ?」
「グレイグ!おい!止めろ!」
ホメロスはさらに真っ赤になって怒り狂っている。
いや、すまないホメロス。
自分で作り出しておいてなんだが、
この状況、止められるわけがないだろう。