1ツイートSSログ(11月ユリフレ)【礼儀】
「ユーリはもう少し礼儀作法を身につけた方がいいと思う」
「はいはい、うるせーな」
手を振ってあしらう。
「ユーリがちゃんとしてくれたら、僕だって言わないよ」
「本当に言わなくなるのか?」
目を向けて問えば、フレンは力強く頷いた。
「それならこのままでいい」
「何で?」
「自分で考えろ」
【優良】
「ユーリ、騎士団に戻ってきて!騎士団も騎士が働きやすい優良企業に生まれ変わるから」
「嫌だね。安月給でコキ使われるのが目に見えてる。お前がトップの時点でブラックだろ。お前が休まないから部下も休みにくい」
「でも僕とずっと一緒だよ」
上目遣いで服の袖を引くあざとい仕草に少し揺らいだ。
【喜ぶ】
フレンより先に目が覚めた。
目の前の瞼を下ろす整った顔に心を奪われる。
早起きの特権だな、と喜ぶ。
眺めているとフレンのまつ毛が震えた。
慌てて目を瞑り、寝たふりをする。
頬に可愛らしいリップ音と共に唇が触れた。
「おはよう、ユーリ」
不意打ちに顔を赤くし、起きるタイミングを逃す。
【満ち足りる】
帰宅するとポカポカと陽の当たる窓際で、フレンがラピードを抱きしめ眠っていた。
仕事で疲れ果てていたが、愛くるしい寝顔に疲れが吹っ飛ぶ。
起こさないようにそっとフレンの背中に張り付き、フレンとラピードに腕を回し抱き寄せる。
満ち足りた気持ちで瞼を下ろした。
【熱を上げる】
初恋相手は14歳年上だった。
「僕の初恋はユーリだよ」
人懐っこい顔でフレンが笑う。
それがどういうわけか、今ではこの幼馴染みに相当熱を上げている。
「今でもユーリが1番好き」
「知ってる」
照れくさくて顔を背けた。
「僕も知ってるよ」
「何を?」
「ユーリが僕を好きだって事!」
【通報】
部屋に帰るとベッドが膨らんでいた。
布団を捲ると全裸のフレンが、暖めておいたよ、と天使のような笑顔を向ける。
「ドリンクも冷えてるから飲んで」
酒でも入っているのかと冷蔵庫を開けると、精力剤が敷き詰められていた。
よし、通報しよう。
通報先の最高責任者がフレンだと気付き、頭を抱える。
【無鉄砲】
「フレンとポッキーゲームする為に城に忍び込んだはいいが、肝心のポッキーを忘れた」
「青年、それは無鉄砲ね」
レイヴンはユーリの失態に苦笑する。
「でもフレンがユーリの為に用意しといたよ、ってポッキー持ってたから濃いのしてきた」
「笑い話かと思うじゃない!惚気話なんて聞きたくないわよ」
【ストーカー】
「最近私物が無くなるし、常に視線を感じる」
フレンに相談され犯人探しを始める。
スマホの写真を眺め、いつも同じ人物が写りこんでいる事に気付く。
「犯人こいつだ」
フレンに見せれば胸ぐらを掴まれた。
「ストーカーは君もだよユーリ」
フレンが撮られた覚えのない写真が画面を埋め尽くしていた。
【組み敷く】
こちらの気も知らないで無邪気に笑いながら引っ付かれ、思わずその場に押し倒す。
組み敷かれたフレンは目をパチクリと瞬かせた。
「あんまり俺に近付くな」
釘を刺して体を離そうとすると、フレンの腕が首に絡む。
「しないの?」
首を傾け上目遣いで煽られ、誘われるがまま噛み付くように口付けた。
【余裕がない】
「旅行に行かないか?」
「今は休みを取ってる余裕がないかな」
「いつなら取れる?」
「分かんない」
休みを取る気がないフレンに、このワーカホリックめ、と悪態をつく。
フレンを肩に担いだ。
「何?ユーリ?!」
暴れるフレンの尻を叩いて大人しくさせる。
「休まねーなら攫ってくな」
【気絶】
連日の激務で気絶するように眠る。
日の出と共に目覚めた。
十分な睡眠を取ったはずだが、体が重く感じられた。
体の上に乗る腕に顔が綻ぶ。
もう少し眠れるな、と隣で気持ちよさそうに眠るユーリに擦り寄った。
ユーリの温もりや匂いはとても心が安らぐ。
すっと深い眠りに包まれた。
【軽快】
「今日のユーリはすごく楽しそう」
軽快な身のこなしで剣を回すユーリにカロルが目を丸くする。
「それは彼がいるからじゃない?あっちもイキイキしてるわ」
ジュディスが指す先でフレンが魔物を斬り伏せた。
「騎士団長が前線で戦うなんてあるんだね」
「ユーリと共闘したかったんじゃないかしら?」
【押し倒す】
事故だった。
転けたフレンに巻き込まれ、2人でベッドにダイブする。
2人分の体重にベッドが軋んだ。
跨ったままフレンにじっと見下ろされる。
「どかねーの?それとも楽しい事してくれんの?」
フレンの頬に手を伸ばすと目を細めて擦り寄られた。
「僕になにされたいの?教えてくれたらしてあげる」
【上手】
「お前は昔っから頭かてーし融通は効かねーし後先考えずに無茶して、俺に迷惑ばかり掛けやがって」
「相変わらず酷い言い草だね。たまには僕の良い所でも言ってくれてもいいんじゃない?」
「……………床上手」
ユーリが頭をフル回転させて出した言葉に、フレンは侮蔑の表情を向ける。
「君は最低だ」
【潤う】
「一緒に暮らさないか?」
仕事の依頼が増えて懐も潤い、家を買うだけの貯金ができた。
一世一代のプロポーズに気の利いたことも、相手がフレンだから照れくさくて言えない。
「うん、嬉しい」
屈託のない笑顔で頷くフレンを抱きしめた。
これからの人生、フレンがいれば身も心も潤う。