特別な椅子 解説何故冒頭が井戸なのか→この兄弟における井戸と真冬の山は切っても切れないので…今回は井戸を選択。
シルの落ちた井戸=兄上が用意をしたシルの新しい部屋(特別な部屋)
特別な椅子→シルにとっては兄上が用意をしてくれた部屋の床(井戸の底)のことで、兄上にとっての特別な椅子は大嫌いなシルの近く(正面でも隣でも)にいること
毒入りの酒→兄上がシルに用意をした酒も大人シルが兄上に用意をした酒も毒は入っていない
大人しか飲むことのできない酒自体が子どものシルにとっては毒なので「毒入りの酒」としたけど書き終えた今ただの酒だよとニヤついて出すほうがよかったかもな、などと
嫌がらせ→兄上がシルにした仕打ちの数々
兄上にとっては自分(シル)といること自体が苦痛(むそーのあの無言を自解釈)だと痛いほどに知り得ているので、ただ話をしたいだけだと素直に言えずに「嫌がらせをしたいんだ」(兄上がかつての仕返しだと解釈できるように、それを受け入れやすいように)という遠回しな言い方しかできないシルを表現
月→ディミトリ
夜空→フェリクス
星→イングリット(前哨基地では王国兵やシェズとか…兄上と自分を取り囲むすべての人間)
当初は前哨基地にゴーティエ辺境伯が来て、シルヴァンと盤上遊戯をしつつかつての息子の思い出を語る、そんなはなしを考えていたけど兄弟がメインじゃないなと思い却下。
以下プロット 誤字もそのまま
一度、基地に来てみないか──。
そんなロドリグからの誘いに断りを入れようと口を開いたときだった。
「そうですね。一度、足を運んでみてください」
先王陛下の息子、現陛下の
「え、本当に?」
心なしか弾んだ声
「お前もよく、盤上遊戯が好きだったな」
「一度、シルヴァン殿の駒を見たことがあるのだが」
どうやら随分と年季が入っていたらしい。所々にヒビが入り、補修をしが駒を。
「恐らく、あれは……」
「……そうか。あれを、まだ……」
「諦めるなと伝えたんだ」
「あれは本当に、血の気の多い子どもだった」
真っ赤に腫れ上がったシルヴァンの頬は
それでも泣くことはなかった。強くなったのだ。
「生まれたときから、諦めの人生だろうが」
「父上」
「お前はまだ、あの盤上遊戯を持っているのか」
「……捨てられませんよ」
「元の持ち主がいないいまじゃあ、こいつは