過剰摂取「っは、もうおしまいか?」
「まだ」
少し挑発的に笑った目の前の恋人にまた口付ける。触れ合った粘膜から蕩けてしまいそうなほど熱く舌を絡めあった。
ふーちゃんがたまらなく好きだ。こうやって触れ合っているとその感情が溢れ出て止まらない。
押し倒して指を絡ませて、何度も口付けて、舌で口腔を蹂躙する。歯列をなぞる度に跳ねる身体を押さえつけてより深く口付ける。
何度も口付ける度に擦れる髪も好きだ。感じているのか寄せた眉も、ぎゅっと閉じて赤くなっている目元も、形のいい耳も、自分の与える快感で震えるこの身体も
「んん、んんーーっおい、浮奇、んっ」
ふーちゃんが絡めていた指の力がだんだんと抜けていくのにすら気付かずにひたすら唇を貪る。脳の、身体の芯まで溶かしてあげたい。すき、好き。愛してる。かわいい。好き。
ふーちゃんの発する声がいっとう好きだが俺の前だけで出すこの声はもっともっと好きだ。聴きたいのに、それ以上に触れ合いたくて、溢れ出る唾液を舐めとっては息継ぎする暇も与えないくらいに唇を重ねる。
唾液を交換し続けていればこくん、と唾液を飲み下す音が聞こえて、今飲んでくれた。かわいい。とまた口付けようと思った瞬間
「〜〜〜っ!、ぅき、んっ」
「え?」
ぐい、と胸板を押されて自分の下のふーちゃんを見れば腕で顔を隠しているが真っ赤なのはバレバレで、非規則的に跳ねながらも脱力したその身体はどこからどう見ても達した後のそれだった。
「え、うそ、今キスだけでイっ」
「それ以上言うな、いくら浮奇でもぶっ飛ばすぞ」
そうこちらを凄んでくる目は涙でいっぱいいっぱいで、息も荒い。
かわいい、かわいすぎる、俺の唾液を飲んで、キスだけで気持ちよくなってしまうなんて。かわいすぎるにも程がある。
愛おしくなってまた口付けようとしたらそっと口を手で塞がれた。
「念の為聞くが……浮奇、俺になにか変なもの飲ませてないだろうな」
「飲ませてないよ……あ」
そう言えば、思い当たる節が1つ
「やっぱり飲ませたのか!?仕入れルートによっては」
「愛」
「……は?」
「めちゃくちゃ飲ませちゃったな」
「は、はぁ!?」