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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    寝つけない🦊に読み聞かせしてやる🖊の話

    寝つけない日は眠気を感じてベッドに向かったはずなのに、横になったとたんにどこかへいってしまう眠気。頭は寝なきゃと叫ぶけど、目はぱっちりと冴えてしまった眠れない。羊を数えてみたけど、消えてしまった眠気は戻ってきそうにない。1時間以上横になっているのに眠れなくて、どうしてなんだろうという思いと眠たさの限界で涙がぽろぽろ出てくる。ああ今日はもうダメだなと思って、ベッドを抜け出してある部屋に向かう。きっと部屋の主はまだ起きているはずだ。

    コンコンと控えめに叩かれたノックの音に、集中が途切れる。気づけばもう深夜の2時。こんな夜中に僕の部屋に訪れる人物はたった1人だ。
    「入って大丈夫だよ」
    声をかければ、おそるおそるといった様子で顔を出すミスタ。その腕には枕があって、ああ今日は1人で寝られなかったんだなと察する。手招きすれば、トテトテとやってきたミスタは幼子のようだった。
    「寝られないの?」
    「うん」
    「そう。じゃあ、本を読んであげる」
    彼を自分のベッドに寝かせて、彼のためにそろえた絵本を開く。ミスタもれっきとした大人だけれど、やはり読み聞かせをするなら絵本だろうという僕のポリシーだ。嫌がられるかなと思ったけど、文句を言われたことはないし最後まで読み終えるまでに彼が寝てしまうことも多いからこれでいいかと思っている。今日読むのはシュウが教えてくれた、日本の絵本。女の子がお気に入りの狐のぬいぐるみを持っておばあちゃんの家に行く話。いつもよりゆっくりとを心がければ、限界だったのかミスタの瞼はすぐに落ちてくる。うつらうつらとしながらも最後まで聞こうとする彼に、ぽんぽんと一定のリズムでお腹の辺りを叩いてやればスーッと眠りについた。

    いつからこの習慣が始まったのかは忘れてしまった。ただこの家で5人で暮らすようになって、たまたまアイクが眠れないと静かに涙を流すミスタをリビングで見つけたのがきっかけだ。ほおっておくことなんて出来なくて、そっと手を引いて自分の部屋に連れて行った。
    それで、たまたま目についた本を読んでやったのだ。穏やかな顔をして眠るミスタに心底ほっとしたのを覚えている。きっとミスタは、自分でもなんで眠れないのか分からないのだろう。僕の部屋にやってくるときの顔は、道に迷ってしまった子供と同じだ。本人に分からないのなら、僕が分かる訳もないしアレコレ推測するのも違う。ならば、彼が眠れるように手伝ってやればいい。

    今日の執筆は進みそうもないし、僕も寝ようと部屋の明かりを極限まで落とす。真っ暗闇にしないのは、もしミスタが夜中に起きてしまっても怯えることがないようにするため。穏やかな寝息をたてる彼の横に、静かに潜り込む。彼の体温で温められた布団は心地よく、すぐに眠りにつけそうだ。ミスタが良い夢を見れていたらいいのにと思いつつ、僕も眠りの世界へ旅立った。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996