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    しきる

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    しきる

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    セッ部屋👹🐑です。
    まだえっちなことしてないので全年齢向けです。(つまり未完成)
    完成次第差し替えとなります。

    セッしないと出られない部屋「俺がtopだろ」
    と口にしたのは同時だった。


    数分前。
    お互いの証言によれば、それぞれ自室で眠っていたらしい。
    真っ白な部屋に、真っ白なダブルベッド。ベッドサイドに置かれたチェスト。そして向かい側には扉。
    目を覚ましたら、ヴォックスとファルガーはそんなおかしな空間に居たのだ。

    まず二人がとった行動は、扉を開けようと試みることだった。
    が、当然とも言わんばかりに、虚しくガチャガチャとドアノブは空回るだけであった。
    ならばと、ファルガーがサイボーグの力を駆使してドアを破壊しようと試みた。
    しかし、部屋には振動が響くのみで、ドアは愚か、壁にもヒビ一つ入らないのであった。
    拳は痛まないが心を痛めたファルガーは愕然と肩を落としていると、ヴォックスがふと口を開いた。

    「…セックスしないと出られない部屋」
    無駄に、いや、いつも通りなのだが良い声で阿呆らしい文章を急に読み上げるヴォックスに、ファルガーは思わず顔を上げた。
    すると、ヴォックスもまた上を──正確には扉の少し上を見上げていた。

    悲しいことに、扉の上には、先程隣の男が読み上げたことと全く同じ文章が書かれているのだった。


    「……らしいぞ、どうする?」
    顔色一つ変えず、ヴォックスはファルガーの方を見やる。
    「諦めがやたらと早いのは、年の功か」
    「飲み込みが早いと言え。こういったものは抗っている時間が勿体無い。本当にセックスが条件だったとして、ヤる体力が消耗するまで待っていたら元も子もないだろう」

    ファルガーは深くため息をつき、頭を抱えた。確かに、ヴォックスの言うことには一理ある。提示された内容をクリアした方が扉が開く可能性は高い。無論、開くまで待つのも一つの手だが、得策ではないのも理解はしている。

    「……はぁ…、分かった。確かに待つのは得策じゃないな」
    苦虫を噛み潰したような顔で、ファルガーは渋々この部屋のルールを受け入れる。

    そして、お互いわかったような顔をして、冒頭の言葉を同時に言ってのけたのだった。



    「……いや、何当たり前の顔をして言っているんだヴォクシー。こんな状況での冗談は勘弁してくれ」
    「そっくりそのまま返してやる。今は口論している場合じゃないだろう、さっさと股を開け」
    ピシ、と確かに亀裂の生じる音が聞こえる。
    こうして、戦いの火蓋は切られた。


    30 minutes later…


    口論が口論でいられたのはおよそ10分ほど。
    残りの20分は、ただただ罵倒の応酬が続いた。
    どうにもならない押し問答の末、深いため息が静寂を呼んだ。
    ファルガーはベッドに腰掛け、ヴォックスはその横に立ち、暫しの無言が続いた。

    「……どうすんだよ」
    言い飽きた同じ言葉をファルガーはシーツに落とす。聞いたところで、お互い答えは変わらない。
    目線を何となくヴォックスに移すと、彼はベッドサイドに据え置いてあったチェストの中身を覗いていた。左開きの為、ヴォックスの身体に隠れて何が入っているかは見えないが、どうせこの手の部屋にはアダルトグッズしかないだろう、とファルガーは妙に冷静に分析した。

    「ファルガー、どうやらこの問題は解決出来そうだ」
    ふと、ヴォックスがこちらを振り向いた。その言葉にファルガーはバッと顔を上げる。
    「本当か!?どういう風の吹き回しかは知らないが、ようやく腹を、」
    括ったか。と続けようとした口はヴォックスの唇によって塞がれた。

    ファルガーは慌てて身体を引こうとするが、当然それを許されることもなく、ヴォックスは銀髪を掴む。
    ぬるりと舌が入り込むと同時に、ファルガーの口の中に固形物が唾液と共に送られてくる。

    「っ!?んんっ、」
    残念ながらこういった部屋に置いてあるようなものを即座に理解したファルガーは、今自分の口の中に入ったものがすぐに理解してしまった。

    (絶対に、ヤバいやつだ)

    飲み込んではいけない、と本能的に察するが、ヴォックスは酸素を与える暇なく口内を犯す。
    ファルガーは耐え切れず、とうとう溶け出した錠剤を飲み込んだ。
    喉がこくりと鳴るのを聞いて、ヴォックスは悪戯に舌をちゅっと吸い、唇を離した。

    「げほっ、ぅ、お前、」
    咳き込みながら口の端から垂れた唾液を拭い、ヴォックスを睨みつける。
    「やはり脱出ゲームは、探索が鍵のようだな。しっかり周りを見るべきだったな、ファルガー」
    徐々に身体全体が熱くなり、脳が警鐘を鳴らす。意味が無いと自覚しつつ、ファルガーはシャツをぐしゃりと握り締める。

    「せめて優しくしてやろう、それともお前は酷くされる方が好きだったか?」
    ヴォックスに肩を押され、ファルガーはあっさりとベッドに倒れ込む。
    「クソ、ふざけんなよ!」
    押し退けようと腕に力を込め必死に抗うが、どうやら即効性の媚薬のようで、ファルガーは既に100パーセントの力は出せていなかった。

    濡れ羽色のヴェールが殺意の瞳を向ける羊を覆う。
    首元から顎にかけて緩く撫で上げると、それだけで耐え難い快感がファルガーを襲い、腰がびくりと跳ねる。
    「ハハ!少し触れただけでそれか。サイボーグにもドラッグは効くんだな」
    鬼は愉快そうにファルガーを揶揄する。
    「ぅ、クソ…触んな……」

    は、は、と荒く短い息でファルガーは言葉を紡ぐ。
    力の入っていない義手がヴォックスの手を退けようとするが、上手く動かせずに固まってしまう。

    弱り切った揺れる瞳に、ヴォックスは思わず笑みを浮かべる。
    もっと良い反応が見たい、もっと酷くしたい、とヴォックスは真紅の指先を掴み、厚い舌で舐った。
    「っやめ、やめろ!」
    快楽に溶けつつも、未だ抵抗する気概が失せないその声に、ヴォックスは一層満足そうに喉を鳴らした。
    「…思った以上にその気になってしまったな」

    ギシリ、とベッドが軋む。
    掴んだままの手をベッドに縫い付け、再び唇を重ねる。
    口内を好き勝手に蹂躙すれば、目の前の子羊の瞳は蜂蜜のようにどろりと欲に溶ける。

    「いつまで抵抗出来るか見ものだな」
    ヴォックスもまた、欲に濡れた黄金色でファルガーの灰銀を射抜いた。

    こうして、第2ラウンドが始まった。


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