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    kabe

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    kabe

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    Twitterでやってた特異点ごっこ。なんか勿体無いのでまとめました。

    亜種特異点 人理定礎値 A+

    【狂愛的執着結晶 色彩箱庭庭園】

    レイ・ファンネルの【執着】によって作られた特異点。
    幾つものエリアに隔たれ、全ては箱庭の中。青と緑が混じり合う世界は美しいが恐ろしく毒を孕んでいる。
    彼の執着の果て、それはデュース・スペードの色。死に際の色。彼は己の手で殺すことを望んでいる。彼はとっくに狂ってしまっていた。

    「デュースは綺麗。デュースは特別。だからデュースの色がほしい。全部ほしい。ぼく、変なこと言った?」


    現れた一人の男。この世界で唯一正気の男。彼の名はデュース・スペード。彼は困ったように笑って言うのだ。
    「レイが望むなら、僕は構わない」

    自ら死地に赴くデュースをレイから守りながら聖杯を奪還せよ。
    幾つもの箱庭を潜り抜け、レイの執着を目の当たりにしておきながらデュースは嬉しそうに笑っている。箱庭にはデュースの色が散りばめられている。美しいが背筋が凍るような悍ましさはレイの感情を表している。

    マスターが見るのは、彼らの狂気か純愛か。




    亜種特異点 人理定礎値 A+

    【友愛のアイビー 暴虐路地裏滑走路】

    デュース・スペードの【独占欲】が生み出した特異点。
    暴力が支配する街で唯一の安息の場所に籠るデュース。彼が求めるのはレイ・ファンネルただ一人。彼の隣にレイがいない。レイの隣に彼以外の人がいる。そのことに耐えきれなくなった独占欲は彼を狂わせた。彼はレイの隣に立つ誰かを許さない。

    「レイの隣は僕だ。これは絶対なんだ」


    現れた男は穏やかに笑う。空気に溶け込む声音が軽やかに響く。男、レイ・ファンネルの口元はゆるりと弧を描いた。
    「デュース、行くよ」

    レイを説得しデュースを止め、聖杯を奪還せよ。
    暴虐の数々を潜り抜け、迷路のような路地裏を走り抜く。後ろを振り向くな。そこにあるのは全て終わったことだ。荒廃した世界は彼の孤独。独占欲という名の蔦、アイビーが絡み付く。燃やさないで、それは彼の心。

    マスターが見たのは彼らの友愛か、狂愛か。




    亜種特異点 人理定礎値 測定不可

    【黄昏に咲く彼岸花 羅刹の鬼人】

    監督生、桜葉遊の【愛】が暴走して発生した特異点。
    現代日本の街が舞台となる。古びた学校の校舎、商店街、寂れたベンチが置かれた公園。そして目にも鮮やかな彼岸花の庭園。彼の最愛は静かに眠っている。
    彼は最愛を愛していた。愛してしまっていた。恋情よりも友情よりも重く暗い感情は彼にすら分からない域に達していた。それでも彼はこれを愛と呼ぶ。彼は手前勝手に最愛を愛することを選んだ。彼の傍にいる魔獣は沈黙を保つ。

    「愛してる。何よりも、誰よりも。だから自分が全てから守るんだ。当然だろ。愛した女を守らない男が何処にいるんだよ」

     鍵は最愛である彼女、黒瀬雫。彼女は彼岸の庭園の最奥地で眠っている。彼女に辿り着くには街中に散らばる檻の鍵を集め、庭園に侵入し最奥地まで探索するしかない。眠り姫を起こしなさい。彼に届くのは彼女の言葉しかないのだから。聖杯は彼女の中にある。

    「今の遊、格好悪いね」

    マスター、貴方はこれを愛と呼べますか?






    亜種平行世界 人理定礎値 A

    【幻想無秩序絵画展 無垢なる願望】

    ノアの【願い】から生まれた平行世界の特異点。クリスと出会わず、それどころか両親が生存し、かつ両親に支配されているノアが生み出してしまったもの。
    彼の願いは一つ。絵を描きたい。ただそれだけなのに、彼の両親はそれを許しはしなかった。

    「絵が描きたいだけなのに。なんで、邪魔すんの?」

    突如現れた美しい男が微笑む。天上の如き笑みに秘めるのは憎悪。

    「此方の世界の私は何をしているのだろうね。嗚呼、でも安心しなさい。ノア、君を生かしにきたよ」


    大きな美術館は奇妙で奇怪。見事な絵画は色褪せて崩れ落ちる。閉ざされた部屋を開ければ、無垢な幼子が生み出した子供部屋。何故か悲嘆が覗く子供部屋。そこに男が一人、蹲っている。散らばる画材道具に触れないで。それは彼の命の雫。聖杯は彼の作品の中。彼の作品は何処へ。

    マスターが触れるのは彼の無垢な願い。






    亜種並行世界 人理定礎値 EX

    【絶望性絶滅帝国 業火の宴】

    リュカの【絶望】が生み出した特異点。
    祖父に引き取られず迫害され限界を超えてしまったリュカによって生み出された。彼の救いはない。彼の希望はない。願いは一つ。全てを滅ぼすこと。これは正当な復讐である。彼は救いを願わない。

    「嫌い。嫌い。嫌い。だから、いらない」

    死臭が蔓延る国で、ある男は人々を睨み付ける。許しはしないと告げる。だが。

    「先輩迎えに行くの、後輩である俺の特権なんですよね」

    炎が舞う国で人々を守り、異色から聖杯を奪還せよ。
    血が流れる。炎が燃え上がる。血が流れる。炎が燃え上がる。血が流れる。血が流れる。彼の絶望は全てを燃やし尽くす。命乞いに意味はない。この地に存在する全てが罪人なのだから。

    マスター、彼は悪でしょうか。

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    kabe

    DOODLEリクエストでいただいたデュースの幼馴染は小説家番外編、鍋パーティーの導入です。三分の一くらいできたので。こういう感じで進んじゃうけど良いです?という気持ちを込めている。
    食材はやってくるもの 本日のグリムは張り切っていた。グリムはオンボロ寮のキッチンの主である。オンボロ寮において、キッチンはグリムの縄張りである。子分といえどもグリムの許可なしに好き勝手できない聖域である。
     グリムは監督生の親分である。親分たるもの、子分を飢えさせるとは言語道断。そしてどうせなら美味いものが食いたい。監督生はツイステッドワンダーランドに来る前までただの男子中学生であった。特技が料理なんてことはなく、本当にごく普通のちょっとドライでやんちゃで一途な男の子だったのだ。つまり料理なんてもんは中学校の家庭科レベル。それもクラスの女子生徒のお手伝いレベル。監督生は率先して洗い物係をしていた。三年間ずっとである。つまり、お察しくださいというわけだ。というわけで、グリムは早々にキッチンの主へと名乗り出た。監督生にやらせるくらいなら自分がした方が美味いものが食べれるので。あと、子分が美味しいと笑う顔は悪くなかったので。
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