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    kmchi78

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    kmchi78

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    旭郁Webオンリー「朝日のあわいに幾夜を思う」の展示作品の後日談です。
    こちらは郁弥の告白をきっかけに『両片思い』から両思いになる話のその後です。

    両片思いの旭郁が両思いになったその後の話 最近、旭が甘い。
     みんなといるときは今までどおりなのに、二人きりになると豹変する。フワフワとした空気をまとい、ゆるい笑みを浮かべ、眩しいものをみるかのような視線を注いでくる。
     部屋でとなり合って座るときは肩を抱かれ、空いている手は指を絡めるような形で繋がれる。
     気持ちを自覚しただけでこんなにも態度が変わるなんてちょっと意外だった。それにベタベタしてくる旭というのも新鮮だ。今までも顔が近いと思うことはたまにあった。でもすぐに離れていくのでそこに他意がないことは分かっていた。
    「旭って甘えん坊だったんだね」
     今日はとなりではなく後ろから抱きかかえられるような体勢になっている。
     胸の辺りに回された腕をポンポンと叩きながらそういうと、ぎゅっと力がこもる。
    「別にそういうわけじゃねぇんだけど」
    「え? 恋人だからイチャイチャしたい以外の理由があるの?」
     照れとは違う歯切れの悪さを感じたので聞いてみると、自己満足みたいなもんだよ、と返される。
    「人を散々付き合わせておいてなにそれ?」
    「嫌だったのか?」
    「イヤじゃない……けど、なんか妙に突き放してくるから」
     僕が勝手に浮かれてただけ、みたいな言われ方をすると寂しくなってしまう。
    「理由はある。けど、くだらなすぎてカッコ悪い」
    「そこまで言ったなら教えてよ」
     ペチペチと手の甲を叩いて訴えるとポスッと首の辺りに顔をうずめられる。髪の毛がくすぐったくて身を捩って逃れようとするも、がっちり捕まってしまっていて動けない。
    「郁弥が他所で甘える気なんて起きないくらい、俺がベタベタに甘やかしたい、みたいな感じ?」
    「なにそれ?」
     捉え方によってはなんだかちょっと怖いことを言われているような気もする。
    「俺もよくわかんねぇ。たぶん、独占欲ってやつ」
    「旭にそんな欲があるんだ……」
     薄情なわけではないけど、特定の誰かに固執している所はみたことがないのでびっくりして逆に冷静になってしまった。
    「わかった。旭が安心するまで付き合ってあげる」
     よしよし、と逆手で頭を撫でてあげると深いため息とともにいっそう強く抱きしめられた。
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    kmchi78

    DONE2023/12/17 Dozen Rose FES.2023内で開催される、旭郁オンリー『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』に参加します

    スペース:南1ホール エ49b きむち鍋

    「友達と恋人になる100の方法」
    文庫サイズ・フランス製本/64P/500円(イベント頒布価格)

    両思いからはじまる大学生旭郁
    恋人になりたい旭と友達が減るのが嫌だから恋人になりたくない郁弥による三ヶ月の茶番劇
    友達と恋人になる100の方/『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』新刊サンプル 合同練習終わりの帰り道、珍しく郁弥と二人きりになった。他愛のない話をしながらいつもより少しゆっくりと歩いて最寄り駅まで向かう。帰宅ラッシュの時間ではないものの、それなりに人通りの多い道だからわざとペースを落としていても気づきにくいはずだ。
     普段通りに歩けばちょうど電車の到着時刻に間に合い、すぐに別れることになる。その前に話がしたかった。
    (中略)
     意味が分からないんだけど? とでも言いたげな不信感のにじむ視線をまっすぐに捉えてから口を開く。
    「郁弥のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」
     ポカンと軽く口を開けた間抜け面すら、可愛いと思えてしまうから重症だ。
     ずっと友達だと思ってた。いまも表面上はそうしてるけど本当は違う感情を抱いてしまっている。
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    kmchi78

    INFO2023/3/25 pictSQUARE内で開催される旭郁webオンリー『朝日のあわいに幾夜を想う2』に参加します
    スペース:え5

    「おやすみの前にいいたいこと」
    A5正方形/28P/580円(BOOTH頒布価格)

    初夜を大成功させた二人が、二度目をどう誘うかでそれぞれ悩む話
    ※全年齢/直接的な表現はありません

    BOOTH匿名配送を利用します。商品ページは当日スペースでご確認ください
    【3/25 朝日のあわいに幾夜を想う2】旭郁新刊サンプル どうしてこんなことで悩まないといけないんだろう。 
     せっかく好きな人と両想いになれたのに。心だけじゃなくて体も通じ合えたのに。
     頭の片隅をよぎる初めての夜のことを打ち消すように、ハァァとわざとらしく大きなため息をついてみる。
     自室だし、ひとりだし、別にいいんだけど。どうしてもだらしなくポーっとした表情を浮かべてしまう自分が嫌でブンブンと大きく頭を振ったところでもう遅かった。だって、すごくうれしくて幸せだったから。ここに至るまでの苦労とか、ギリギリのところで我慢し続けた日々とか、いろんなことを思い出して感極まって繋がってからはほとんどずっと泣いてた気がする。
    『わかったから、もう泣くなって』
     最初で最後じゃないんだから、と言いながらやさしく目元を親指で拭ってくれた旭の瞳は潤んでなかったけど、同じ気持ちでいてくれることが表情だけじゃなくて体中から伝わってきて、さらに涙があふれてきてしまった。
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