なんかベランダに美少女居て幽霊かと思ったら悪魔だって言うからまあとりあえず上がりなよ ベランダに美少女が居た。
いや、美少女って言っても顔は長い髪で隠れてるし、某ホラー映画のヒロイン(名前に子がつく女の子は大体可愛い)にそっくりだから、多分幽霊だろう。
でも、直感で美少女だとわかる。
僕はとにかく窓を開けた。
「君、ベランダなんかでどうしたんだい?」
紳士的な問いかけにも、彼女は答えない。
「こんな寒い日に白いワンピース一枚では凍えてしまう。温かいお茶を入れよう。入って」
僕は優しく背中を押して部屋に入れた。
彼女はシャイなのか、導いてやらないと動きもしない。突っ立ったままだ。
「借りてきた猫みたいな顔してないでさ、座りなよ」
そもそも相手の顔は見えないのだが、座布団を用意して座らせる。
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