【林檎ちゃんのひとりごと】わたし、ロバの林檎ちゃん。
好きな食べ物はリンゴと雲深不知処の美味しい草。
ふしぎなご縁で魏無羨の相棒やってます☆
泣く子も黙る夷陵老祖とか言われてたけど、あいつそんなたいした奴じゃないわよ。
酒狂いでチャラくて能天気で、とにかく恥知らず!
ところ構わず旦那様とイチャイチャするのよ。
あいつの旦那様、含光君はそりゃあもう素敵なお方だから気持ちはわからなくもないけど……
わたしと一緒の時に外で交尾するのはやめて欲しいわ。
真冬の外で交尾して、寒空の下放置された時はホントしんどかった~
お腹空いたし寒いし早く帰りたかったのに、あの二人五回もしたのよ!
雪が降る外で、よくおっ勃つわよね。
含光君はあいつを持ち上げたり、逆さまにしたりと色んな体勢にしてたわ。
それにしても、人間の交尾って色んな種類があるのねぇ。
含光君、清らかなお顔して激しいというか……お盛んでビックリよ。
あんなに巨大なモノを、ほっそい腰で平気で受け入れてるあいつにもビックリだけどね。
そういえば、あの二人は初夜も野外だったわ。
あいつが含光君と結ばれてから、わたしも雲深不知処で暮らすようになったの。
ここの門弟達、ご飯持ってくるの遅いのよ!
どうやら、ウサギどもが優先みたい。
失礼しちゃう!
「おなかすいたー 」ってひたすら叫んでたら、鳴き声がうるさいとか言われて夜狩に同行させられた事もあったわ。
その時に凶暴すぎる邪祟が現れてね、わたしうっかり殺されかけたのよ!
素敵な殿方と知り合えないまま処女で死ぬのか……って諦めてたら、あいつが飛んできて助けてくれたの。
咄嗟の判断ってやつ?
ロバの一匹や二匹、代わりなんていくらでもいるでしょうにあいつはわたしをかばって怪我をしてしまったの。
「林檎ちゃんは唯一無二の相棒だからこんなとこで死なせるわけにはいかねえ!」とか言うから、胸がじ~んとしちゃった。
そういうところがあるから、嫌いになれないのよね……
いつもヘラヘラしてるのに、いざという時に見せる真剣な顔、なかなかカッコイイの。
含光君がベタ惚れする気持ち、ちょっとわかる気がするわ。
いざとなった時に逃げずに守ってくれるような殿方、わたしにも早く現れないかしら。
まあ、いやだ!
あの二人、こんな時間からおっぱじめるの
春の陽気のせいかしら。
ほんとに恥知らずな夫夫。
雲深不知処の裏山は、ただいま午の刻。
申の刻か酉の刻くらいまでなさるんでしょうねぇ……
魏嬰、明るいうちから素っ裸でそんなはしたないカッコする前に約束してた新種の林檎を食べさせてよ!