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    くまだ

    @enbun_yum

    文章のみです。主に、ぴくしぶにあげられないような、書きかけて力尽きたもの、短すぎるものを投稿します。

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    くまだ

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    師弟初夜翌朝話です(エロ描写は皆無です)。その後きっとレが失踪したり、ケンカしたりして、最終的に絆が深まるやつを書くつもりだったそうです。

    #モブ霊
    MobRei
    #年齢操作
    ageManipulation

    後悔隣の安定した寝息を乱さないように、俺はそっと身を起こした。
    そのまま、洗面所に向かう。そこには当然、いつもの我が家の洗面台が鎮座していて、鏡には、僅かに無精髭を生やした寝起きのおっさん────つまり、俺の姿が映っていた。
    いつもと何ら変わらない光景だ。幾度となく迎えた朝を、今日も同じように迎えた。
    そう思えば、少しは落ち着くと思っていた。
    ────── しかし。
    腰の痛みと身体の怠さは、否応が無しに昨晩のことを思い出させる。昨晩のことを思い出せば、景気良く寿命を燃やすような勢いで、心臓は暴れ回った。

    「あ〜〜…………………」

    昨日の夜、ついに俺は、モブと一線を越えた。衝動的でもなく、一方的でもなかった。
    ずっと前から諦めていて、選ぶまいと決めていた道に、あいつは俺を引き上げようと根気強く手を伸ばし、俺は散々渋ったその後に、結局あいつの手を取った。
    その結果、今俺の中では、幸福感と罪悪感が、台風みたいに渦を巻いている。結局こうなっちまったか、とか、俺の人生、こんな報われ方しちゃっていいのか、とか、そんなことをぐるぐる考える。結局のところ、俺は今も、モブを好きな自分を許せないのだ。
    あいつが大学生になった今も、当然の如く十四という歳の差は埋まらないし、あいつは未来ある若者で、俺はしなびたただのおっさんだ。そんな俺があいつに向ける感情は、客観的に見て、おぞましいと思う。

    (……………後悔してるのか、俺は)

    常夜灯に照らされていたモブの顔が、嬉しそうで、少し泣きそうだったのを思い出す。
    俺は洗面台に手をついて、その陶器の冷たさが、軟弱な部分の思考に染み込むのを待った。
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    humi0312

    DONE2236、社会人になって新生活を始めたモブくんが、師匠と通話する話。
    cp感薄めだけれどモブ霊のつもりで書いています。
    シテイシティさんのお題作品です。

    故郷は、
    遠くにありて思うもの『そっちはどうだ』
     スマートフォン越しの声が抽象的にしかなりようのない質問を投げかけて、茂夫はどう答えるか考える。
    「やること多くて寝るのが遅くなってるけど、元気ですよ。生活するのって、分かってたけど大変ですね」
     笑い声とともに、そうだろうと返って来る。疲労はあれ、精神的にはまだ余裕があることが、声から伝わったのだろう。
    『飯作ってる?』
    「ごはんとお味噌汁は作りましたよ。玉ねぎと卵で。主菜は買っちゃいますけど」
    『いいじゃん、十分。あとトマトくらい切れば』
    「トマトかあ」
    『葉野菜よりか保つからさ』
     仕事が研修期間のうちに生活に慣れるよう、一人暮らしの細々としたことを教えたのは、長らくそうであったように霊幻だった。利便性と防犯面を兼ね備えた物件の見極め方に始まり、コインランドリーの活用法、面倒にならない収納の仕方。食事と清潔さは体調に直結するからと、新鮮なレタスを茎から判別する方法、野菜をたくさん採るには汁物が手軽なこと、生ゴミを出すのだけは忘れないよう習慣づけること、部屋の掃除は適当でも水回りはきちんとすべきこと、交換が簡単なボックスシーツ、スーツの手入れについては物のついでに、実にまめまめしいことこの上ない。
    1305

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