「俺が、目を大きくして、白くてふわふわの髪にしたら旬くんはもっと俺のこと好きになってくれる?」
セックスをした次の日の朝、同じベッドで眠る男からそんなことを言われて今井は起き抜けの頭をフル回転させた。
少し考えて頭に浮かんだのはかつて自分が追いかけていたキラキラの女の子。「ああ…」と低い声が出た。
「俺は冬樹さんをルイたんの代わりにするつもりはありませんよ」
「いや、代わりとかそういうつもりは…」
「じゃあどういうつもりなんですか?」
旬くん怒ってる。なんでだろう。
そんな風に考えていそうな山本の顔に今井は眉を寄せた。
なんでわかんないかな。…まあ人の気持ちに敏感だったら、事件を隠蔽しようとしたり市村さんに美人局をさせてないか…。
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