神宮寺と聖川って呼ぶの長くない？ってただ思っただけの話 「ねぇ、マサ。マサはレンの事を名前で呼んだりしないの？」
「なっなんだ藪から棒に！」
「いやさ、毎回神宮寺って呼ぶの長くて大変じゃないかなー？と思って。マサとレンは恋人同士でしょ？だったらお互いに名前呼びでもいいんじゃないかと思って」
「いや、まぁ…そうなのだが…その…今更恥ずかしくてだな…」
「あー…でもさ、レンもマサに名前呼ばれたら嬉しいと思うよ？」
「そういうものか？」
「そーゆーものだよ！だって俺もトキヤに音也って名前呼ばれるのすげー嬉しいもん！」
「ふふっ一十木は本当に一ノ瀬のことが好きなのだな…まぁ、名前の件は…善処する」
「何の話をしてるんだい？」
「レ…？！じっ神宮寺」
「わー、レンだー！」
「やぁイッキ。それと聖川も。仕事はもう終わりなのかい？」
「うん！俺もマサも午後からオフだから久しぶりに喋ってたんだ〜！レンはまだ仕事？」
「相変わらず仲がいいねぇ、次の撮影まで時間が空いちゃってね。気分転換に歩いてたら二人を見つけたのさ」
「そっか！…あ、ねぇレン。俺ずっと聞きたかったことがあって」
「？なんだい？」
「マサにも聞いたんだけど、何でレンはマサの事を名前で呼んであげないの？」
「いっ一十木！！！」
「ははっ顔が真っ赤だよ聖川」
「…煩い。貴様は黙ってろ神宮寺」
「イッキの質問に答えなきゃいけないからそれは却下。で、イッキへの返事だけど…まぁ世間のイメージってやつがあるからね。難しいのさ」
「レンとマサは仲良いのに？」
「それを見せてるのは仲間内だけだろう？未だにオレと聖川は犬猿の仲だっていうのが浸透してるからね…いきなりお互い下の名前を呼び始めたら憶測が飛び交って、最悪オレ達の仲がバレちゃうかもしれないしね」
「そっかあ。俺はレンとマサは仲が良いんだぞー！って皆に知ってほしいけど、スキャンダルになったら大変だもんね…」
「一十木…お前は本当に…」
「その気持ちはオレと聖川で有り難く受け取っておくよ。それに…イッキ、少し耳を借りてもいいかな？」
「え？なになに？」
（外ではいつも通りだけど、家に帰ったらお互いに下の名前で呼び合ってるから安心して。まぁ、オレはともかく真斗は滅多に呼ばないけどね）
「！そうなんだ！？」
「まて、神宮寺。お前今、一十木に何を吹き込んだのだ？！」
「別に何も？」
「レンとマサはラブラブなんだなーって話！」
「…頼むから…勘弁してくれ…」


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「あぁ、そうだ。名前の話しついでにオレも聞いていいかい？」
「え？なになに？なんの事？」
「最近特に顕著だと思うんだけど、イッチーもイッキも名前を呼んだだけで会話が成立してる率がやけに高くないかい？」
「そういえば…お前たちの会話を聞いてると第一声は大体お互いの名前から始まるな」
「え？そうかな？…えっとね。トキヤが俺の名前を呼ぶ声って色んな種類があってさ、ずーっと一緒にいたからかな。なんとなく何が言いたいかわかるんだよね」
「なんというか、お前達二人は熟年夫婦の域に達しているのだな…」
「熱いねぇ」
「ちょっと二人とも！流石の俺も恥ずかしいんだけど！」
「音也？…と聖川さんにレン。何をしているんですか？」
「わあぁぁトキヤ？！何でここに？！？」
「噂をすればなんとやら、だね」
「はい？」
「なに、少し雑談をな。一ノ瀬は仕事終わりか？」
「えぇ、まぁそんなところです…音也？」
「え？！待って、トキヤ！俺マサにもレンにも迷惑掛けてないからね？！あと、サボってる訳じゃなくて今日は午前で仕事終ったからマサと話してたの！」
「ならいいです」
「今の呼び方1つに様々な言葉が込められていたのだな…」
「それを読み取るイッキもイッキで…愛だねえ」
「さっきから二人ともニヤニヤして何なんですか…」
「いや？何年経ってもお熱いなと思ってね」
「レン？からかうのはよしてください」
「本心を言ったまでさ」
「ねぇねぇトキヤァ〜！」
「なんです？この後は一緒に帰れますけど、夕飯の買い物があるので帰りがけにスーパーに行かなければなりません。それでもいいんですか？」
「もちろん！えへへ、俺、トキヤと一緒にいられるなら何処にだって行くよ！」
「…ッ！全く、ほら、さっさと行きますよ！では聖川さんとレン。私達はここで失礼します」
「じゃあねマサ！レン！また仕事でねー！」
「あぁ、気をつけて帰るのだぞ」
「またね、お二人さん」


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「…数分の事とはいえ、見せ付けられたねぇ」
「良いではないか。一ノ瀬も一十木も、幸せそうで何よりだ」
「お前は？あの二人にあてられて何かオレにサービスしてくれたりしないのかい？」
「たわけ。それとこれとは別の話だ」
「お硬いやつだね、お前は」
「煩いぞ…だが、お前がもし撮影を早く終えられるのであれば、今夜は俺の所へこい。その疲れを労ってやらんこともないぞ、レン」