Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    g_negigi

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 12

    g_negigi

    ☆quiet follow

    バレンタインデーの高i専五歌。冒頭だけ。この部分にはほとんど歌ひめ出てきません。さしすと歌がほぼだべってるだけの話になりそうです。

    #五歌
    fiveSongs

    それは義理か本命か 2月14日、言わずと知れた聖バレンタインデー。お菓子業界の戦略にまんまと乗せられて、というのは野暮かもしれないが、本邦では本来の意味とは異なる意味で盛り上がりを見せる日である。女子は本命への贈り物と義理で渡さなければならないものの準備と予算で悩み、男子はといえば能天気に今年はいくつチョコがもらえるか、と浮き足だっている。
     呪術師とて例外ではない。保守的な一部の上層部は眉を顰めるかもしれないが、現代日本に生きる若者としてバレンタインは無視できないイベントである。補助監督や窓の人員から術師へ、あるいは術師から裏方へ、「日頃の感謝を込めて」義理チョコを贈り合うのが通例となっている。
     
     そしてその中には、ちらほら本命チョコが混ざっていたりいなかったり。

     前途ある若い呪術師たちの学び場、呪術高専東京校もこの日はそんな甘い(?)雰囲気に浮き立っていた。
     
     「いやー大漁大漁」
    ガサガサと紙袋を揺らしながら、五条と夏油は任務から高専へと戻ってきた。教室で待機していた硝子の目の前に、二人はドサっと荷物を置く。
    「モテる男は大変だわ」
    五条は得意気な表情を隠そうともしない。硝子はそんな五条にタバコを吸いながら冷たい目線をくれる。
    「どうせ五条のはほぼ義理だろ」
    「あ?なんでそんなことわかんだよ」
    「だってそれくれたの、どうせ補助監督や窓の人ばっかりだろ。義理以外の何があんの」
    「わっかんねーだろ。『このチャンスに五条さんに本命チョコ渡しちゃお♡』って娘がいるかもしんねーじゃん」
    そんな五条の言葉を聞いた硝子はフン、と鼻で笑う。
    「五条の場合、ないね。夏油ならともかく」
    「なんで傑ならありなんだよ」
    硝子は五条と、さっきから困ったように眉を下げて笑顔を作っている夏油の顔を交互に見る。そしてこう言い放った。
    「私が見るところ、五条と夏油では『モテ』の性質が違うんだよ」
    「ああ?」
    「硝子、もうこの話はここまでにしない?」
    夏油が止めに入るが、硝子は構わずにこう続けた。
    「五条も夏油もそれなりにモテるのは認める。でもさ、五条は一人の女の子と長続きしない」
    「なっ」
    なんでそんなことわかんだよ、と五条は言いかけるが、実際思い当たるフシがありすぎて言葉が続かない。
    「五条の場合、見た目で寄ってくる女の子は一定数いるけど、一度デートしたら振られるか連絡取れなくなるパターンばっかりだろ。ちょっと遊ぶにはいいけど、長く付き合いたいタイプじゃない」
    硝子はそこでタバコの煙をフーっと吐き出した。
    「その点、夏油は第一印象は五条には劣るかもね。ちょっと怖そう、って思う女の子は多いかも。でも接する回数が多くなるほど、『夏油さんって優しい♡』ってガチ恋されるパターン。なんなら『夏油さんも私のこと気に入ってくれてるかも』って勘違いされる」
    「いやそんなことは……」
    「なら見てみな、そのチョコにくっついてるメッセージカード」
    夏油の指が小さなハート型のメッセージカードを開く。五条も一緒になってその文面を覗き込んだ。そこには可愛らしい丸文字で、こんなことが書いてあった。

    「夏油さんの任務に何度かご一緒して、素敵だなって思ってました。よければこのアドレスまでメールください」

    ご丁寧にメールアドレスと電話番号が書かれていた。
    「……なんだこれ」
    「言った通りだろ」
    「……こんなの貰っても、私は仕事関係の人と個人的に連絡取るつもりないんだけどね」
    「夏油、そういうとこ。夏油は思わせぶりな態度取って、いざ告白されたら『そんなつもりじゃない』って断るタイプ。私に言わせりゃどっちも女の敵」
    「……俺のにはメッセージカードなんてついてないんだけど」
    「だから、五条の性格は高専関係の人にはもうバレてるから。君みたいな天上天下唯我独尊男に本命チョコを渡す人はいない」
    硝子はそうビシっと言い切った。ぐぬぬ、と五条は悔しそうに睨み返すが、言われたことは全て当たっていたため返す言葉がない。
     その時、教室の戸がガラっと開いて、ひょこっと一人の女子生徒が顔を覗かせた。
    「硝子!やっぱりここにいた」
    「歌姫先輩」
    三人の先輩である歌姫が、紙袋を持って教室へと入ってきた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🍫🍫🍫🍫❣❤❤☺☺💒😭💜
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works