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    @t_utumiiiii

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    @t_utumiiiii

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    ※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)

    6「ホワイトサンドの羊飼い」という団体名を聞いたとき、Mr.ミステリーは実のところ、私立探偵の看板を掲げておきながらもピンとは来ていなかった。
    しかし警察署の伝手に照会してみると、それはMr.ミステリーが想定していたよりも、この辺りではある程度有名な「祈祷師」を擁する団体であったことがわかり、Mr.ミステリーは己の不勉強を数秒の間恥じたのだが、照会相手も「貴方が知らなくても無理はない」程度のことを言って寄越してきてはいた。
    何せ、政治家の娘などを被害者に含んで相次いだ失踪事件との関連を疑われ、この手の宗教組織への大規模な締め付けが行われた結果、その他多くの団体と同じように「ホワイトサンドの羊飼い」の音沙汰がなくなった頃のMr.ミステリーは、私立探偵Mr.ミステリーではなく、一傭兵のナワーブ・サベターとして、東方の叢林に潜んでいたのだ。

    宗教団体による失踪事件への関与、という点で、Mr.ミステリーは若干この情報にも目配せをしたものの、その点において、ホワイトサンドの羊飼いは、大した団体ではないようにも見えた。
    当時有力者の失踪にも絡んでいると睨まれていた“名だたる団体”としては、有力者の庇護下のもとサバト的な宴を催し、かねてより問題視されていた「オルフェウスの竪琴」や、その関連団体の「エウリュディケー荘園」(これらの名前は、Mr.ミステリーにも聞き覚えがある)などがあるが、一方で「ホワイトサンドの羊飼い」は、警察データベース上に登録されている情報から見るに、その零細ぶりから、それらの大規模団体の系列であるというよりも、むしろ、それらの団体が幅を利かせる風潮に乗っかり、それらしい名を名乗っただけの、無関係な団体だと考えるほうが自然であった。確かにホワイトサンドの羊飼いに対する被害届も出てはいたが、それらは失踪事件ではなく、もっぱら詐欺や霊感商法に関することだ。

    とはいえ念のため、Mr.ミステリーが、照会情報に記載のあった電話番号に事務所の電話から掛けてみたところ、案の定、その電話番号は既に使われていなかった。





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    @t_utumiiiii

    DOODLE公共マップ泥庭

    ※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定
    一曲分(泥庭) 大勢の招待客(サバイバー)を招待し、顔も見せずに長らく荘園に閉じ込めている張本人であるのだが、その荘園主の計らいとして時折門戸を開く公共マップと言う場所は、所謂試合のためのマップを流用した娯楽用のマップであり、そのマップの中にもハンターは現れるが、それらと遭遇したところで、普段の試合のように、氷でできた手で心臓をきつく握られるような不愉快な緊張が走ることもないし、向こうは向こうで、例のような攻撃を加えてくることはない。
     日々試合の再現と荘園との往復ばかりで、およそ気晴らしらしいものに飢えているサバイバーは、思い思いにそのマップを利用していた――期間中頻繁に繰り出して、支度されている様々な娯楽を熱狂的に楽しむものもいれば、電飾で彩られたそれを一頻り見回してから、もう十分とそれきり全く足を運ばないものもいる。荘園に囚われたサバイバーの一人であるピアソンは、公共マップの利用に伴うタスク報酬と、そこで提供される無料の飲食を目当てに時折足を運ぶ程度だった。無論気が向けば、そのマップで提供される他の娯楽に興じることもあったが、公共マップ内に設けられた大きな目玉の一つであるダンスホールに、彼が敢えて足を踏み入れることは殆どなかった。当然二人一組になって踊る社交ダンスのエリアは、二人一組でなければ立ち入ることもできないからである。
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    recommended works

    @t_utumiiiii

    DOODLE #不穏なお題30日チャレンジ 1(2).「お肉」(傭オフェ)
    ※あんまり気持ちよくない描写
    (傭オフェ) ウィリアム・ウェッブ・エリスは、同じく試合の招待客であるナワーブと共に、荘園の屋敷で試合開始の案内を待っていた。
     ここ数日の間、窓の外はいかにも12月らしい有様で吹雪いており、「試合が終わるまでの間、ここからは誰も出られない」という制約がなかろうが、とても外に出られる天候ではない。空は雪雲によって分厚く遮られ、薄暗い屋敷の中は昼間から薄暗く、日記を書くには蝋燭を灯かなければいけないほどだった。しかも、室内の空気は、窓を締め切っていても吐く息が白く染まる程に冷やされているため、招待客(サバイバー)自ら薪木を入れることのできるストーブのある台所に集まって寝泊まりをするようになっていた。
     果たして荘園主は、やがて行われるべき「試合」のことを――彼がウィリアムを招待し、ウィリアムが起死回生を掛けて挑む筈の試合のことを、覚えているのだろうか? という不安を、ウィリアムは、敢えてはっきりと口にしたことはない。(言ったところで仕方がない)と彼は鷹揚に振る舞うフリをするが、実のところ、その不安を口に出して、現実を改めて認識することが恐ろしいのだ。野人の“失踪”による欠員は速やかに補填されたにも関わらず、新しく誰かがここを訪れる気配もないどころか、屋敷に招かれたときには(姿は見えないのだが)使用人がやっていたのだろう館内のあらゆること――食事の提供や清掃、各部屋に暖気を行き渡らせる仕事等――の一切が滞り、屋敷からは、人の滞在しているらしい気配がまるで失せていた。
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