Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    @7_kankankan_100

    気の赴くままに書き物。今はエク霊、芹霊。(以前の分はヒプマイどひふです)
    正しい書き方はよく分かっていません。パッションだけです。
    食いしん坊なので、ぜひ応援絵文字で餌付けしてやってくださいw

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍙 🍣 🍨 🍜
    POIPOI 32

    @7_kankankan_100

    ☆quiet follow

    ヒート期間を安心して過ごさせるのはαの重要な役目、という設定の、Ωが超愛され独自設定オメガバ。ただ準備するだけのSSにしようかなと思ってます。

    #どひふ
    servant

    月初め、キッチンの壁に貼ってあるカレンダーに今月の予定を書き込んでいた一二三は、う〜ん、と難しい顔をした。先月から続いている独歩が抱えている案件がひと段落していないようで、カレンダーに書き込まれている彼の予定にほとんど余裕がなかったからだ。

    今月はヒート来るんだよなぁ……今回は抑制剤飲まなきゃかもだな

    三ヵ月に一度、一二三がヒートの時には独歩はきちんと休みを取っている。社畜であっても番になった以上は応えたい。しかし、どうしても、心苦しいがどうしても予定を開けられない場合は、一二三には仕方なく抑制剤を飲んでもらっていた。自然現象を抑えるのだから人によっては副作用が大きい事もあって、一二三は酷く眠たくなるようだった。反動で二、三日は意識がぼーっとしてしまうのも付いてくる。一二三にそんな負担をかけることが申し訳無さすぎて、出来る限り予定は開けるようにしていた。

    つっても、久々に独歩から負のオーラばっしばしに出てたし、よっぽど偏屈センセー相手に頑張ってるんだろうな。相性の良し悪しもあるだろーに、アイツ真面目だしぜってー根を上げずに自分でやりきるぞ〜。上手くいったらお祝いしてやろっと。

    その事を朝食を摂りながら独歩に話したら血相を変えてすまん!と言われた。ちょっと言うタイミングが悪かったのか、口に運ぼうとしていたご飯が箸からぽろっと落ちた。

    「お、俺は番のヒートも把握していなくて仕事の目処もつけられないなんて。今月のいつだ⁉︎」
    「下旬くらい」
    「まだ日にちあるな。大丈夫だ、絶対先方に話をつけてみせるから」
    「そーお?あんま無理すんなよ。まあ、俺っちのαがそう言うならもちろん信じるけど。じゃあ準備だけは俺っちがしておこうか?」
    「それもいい、俺がやる。あ、ああ、でもベーコンやチーズの入ったパウンドケーキは美味しかったからあれだけ作っておいてくれ」
    「ケークサレね。甘じょっぱくて美味いよな」
    「他はいいからな、全部俺が準備するから」
    「ん、わかったわかった。期待してんぜ」

    大丈夫かなぁ。一二三はそう思ったが、別に達成できないのではないかという不安ではない。頑張りすぎて独歩が倒れないかの心配だ。
    何かしてやりたいとは思うものの、抱えてる案件以外に独歩に何事も起こりませんようにと祈ることしかできないのが歯がゆい。せめてもの足しになれば、と一二三は仕事前に神社に手を合わせに行く事にした。

    しかし、出張の準備をする時だって荷物をまとめているのか散らかしているのか分からないような独歩が一体何を準備するのか。それは独歩と一二三が番になった時から始まった。

    αは自分の優秀な遺伝子を残すためにΩを孕ませる。Ωから生まれるのはαのみだからだ。そして繁殖に特化した身体なので、番になればΩの身体には治癒ホルモンが分泌されて妊娠出産時の身体へのダメージがほとんどなくなるものだから、多数の子を授かることができた。この治癒ホルモンは別名愛情ホルモンとも呼ばれ、ヒート時の交わりでαからの愛情を感じれば感じるほど分泌され、持続する。その愛情表現の最たるものが安心して交われる場所の準備だった。

    自然界においては外敵に襲われない強固で安全な巣を作る事ができる雄は雌から選ばれやすい。人間界でもそれは同じだった。そして、番になったΩの特徴として、ヒート時はαが側にいないと不安になってしまい、それがストレスとなって受精しにくい場合もある。最低でも二日は部屋から出ないでヒートを過ごすのだ。
    独歩と一二三はまだ子をもうける予定はないが、それでも不安にさせたくない。独歩は過去に一度だけ、避妊具が足らなくなって一二三が眠っている間に買い物に出てしまった事があるのだが、帰ってきたら一二三が泣きじゃくっていたことがある。ヒート時は体が温かいはずなのに、血の気引いたように指先が冷たくなっていて、それ以来準備はひとつの見落としもなくするようになったのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👍💞💘💘💘💕👏☺💘🙏😭❤👏👍💞💞💯💯☺💯💯💯💯💯😍😍☺👍💘😍😍😍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works