カフェオレいかがでしょうポップがカフェでバイトを始めて半年が過ぎた。
ヒュンケルはポップに教わった炒飯を時々作っている。その度にポップは味見を求められ、あれこれとアドバイスを与える。
少しずつ、だが確実な上達が感じられて教える方としても嬉しくなった。
この分だと店に出せる日も近いのではないか。
塩っぱい、辛い、甘い、そんな味の感覚も、
ヒュンケルは微かにだが感じられるようになっていた。
「いらっしゃいませ」
二人連れの女性客が入ってきた。ヒュンケルを見て頬を染め黄色い声で何事か話している。
初めてきた客はだいたいこうなる。
あまりのイケメンぶりに相手にされないと思うのか、カフェの雰囲気ゆえか、ヒュンケルがあからさまな秋波を送られることは案外少ない。
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