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    mimimi_choco29

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    mimimi_choco29

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    ハイノイ。付き合う前?両片思い中くらいの距離感です。
    ノイマンから急に距離を詰められて慌てるハインラインになってたら嬉しい。

    指に触れるハインラインの隣に座り、他愛もない話をする。
    直接確かめたことはなかったが、何か理由がなくとも隣に在ることを許されていると思う。
    「ハインライン大尉」
    緊張が窺える声をかけられる。
    見ればハインラインの部下が少し蒼褪めた顔をして立っていた。休憩中のハインラインへ声を掛けるのを躊躇っていたのだろう、先程から視界の隅にいた青年だった。
    「休憩中大変申し訳ありません、先程の件で相談に乗っていただきたい箇所がありまして」
    「ああ、」
    ハインラインがこちらを見る。一体どうしたのか、とノイマンは首を傾げた。
    「少し待っていてもらえますか」
    思ってもいなかった言葉を掛けられ、まじまじとハインラインを見てしまう。
    仕事の話をしていた訳でも、大事な話をしていた訳でもない。
    わざわざノイマンにお伺いを立てる必要などないのに。
    「わかりました」
    頷いて返すと柔らかく微笑まれた。が、次の瞬間には険しい表情で部下の青年と向き合っていた。相手が委縮してしまうのではないかと思ったが、ハインラインの話を必死に聞く部下からこれが普通なのだろうと理解する。
    随分横柄な態度で部下に接するのだな、と感じたことは数知れず。それでも脱落者が出た話を聞かないのだから、案外慕われているのかもしれない。
    二人の会話の内容がノイマンにはわからず、終わるまで待とうとは思ったが、さすがに少し飽きてきた。手持無沙汰だ、と視線を周囲に向けると、すぐ傍にハインラインの手があった。無防備に置かれた手に、思わず手を伸ばした。
    ハインラインのすらりと長い指を数本、軽く握る。
    大切な手であることは理解していた。と同時に、気になっていたこともあった。
    指を握り、肉の厚みや柔らかさを確かめる。次いで人差し指を持ち上げ、動きを見る。
    「ノイマン大尉……? 何をしているんです?」
    ハインラインの困惑した声が耳に届くが、ノイマンは指から視線を動かさなかった。今度は違う指へ手を伸ばす。
    びくりとハインラインの体が揺れた気がしたが、気にせず続けた。
    「いや……技術者なだけあって指やわらかな、と……」
    指を痛めてしまわないように気を付けながらも、どこまで上がるのか試してみたい、と心の底で思ったが、以前やろうとして激怒されたことがあったので止めた。
    「し、失礼します!」
    声の方を見れば、部下の青年が急いで部屋を出ていくところだった。
    「もういいんですか?」
    慌ててましたけど、と続く言葉は音にならなかった。ずっと指を見ていたため、ハインラインがどんな表情でいるのかノイマンは知らなかった。
    「……あなたでも、そんな顔するんですね」
    顔の下半分を自由な手で覆っているが、表情の変化を隠し切れていなかった。眉間に深い皺を刻みながらも目元は赤く、その瞳に浮かぶのは。
    「いいものが見れました」
    思わず笑えばさらに眉間の皺が深くなる。
    その表情の変化を傍で見られたことに、酷く優越感を覚えた。


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