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    subaru_no_iine

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    subaru_no_iine

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    以ぐだ♀
    ・現パロ・転生なし・坂本探偵事務所
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ぐだ子は立香
    ・元ストーカー大学生ぐだと元こじらせ以
    ・綺麗な岡田
    ・続きものです。詳しくは固定ツイを

    静○堂、いい美術館でした。つい以ぐだちゃんにも美しいものを見せたく…拙僧岡田ガバガバ敬語大好き法師陰陽師

    #FGO
    #以ぐだ♀

    以ぐだ♀ちゃんが静○堂に来ました『一応雇用関係を結んでいるのだから、なぁなぁにするのはよくないよね』と、龍馬はシフト変更にも届けを提出させる。
    「珍しいね、週末休みたいだなんて」
     と、変更届を受け取った龍馬は言った。
     年中無休の坂本探偵事務所で、以蔵はだいたい水曜日か木曜日に休みを取っている。
     ちなみにお竜は外出中だ。行き先は知ったことではない。
    「文句あるがか」
     以蔵はいつものように客用ソファにふんぞり返っている。棘のある返しをしてしまうが、もちろんそんなことで龍馬は怯まない。
    「いや、普段以蔵さんには負担をかけてるからね。一日くらい、僕らが代わるよ」
     穏やかな、『僕は以蔵さんのことをわかっているよ』と言いたげな口調が腹立たしく感じるが、相手は雇い主だ。以蔵は煙草のフィルターを噛んでそっぽを向く。
    「立香ちゃんとどこに行くんだい?」
    「別に立香と一緒とぎとはうちょらん」
    「顔に書いてあるよ」
     思わず顔を押さえる以蔵に、龍馬は嬉しそうに笑った。以蔵は「けっ」と悪態をついてから、くくった癖毛の前髪をかき上げる。
    「美術館じゃ」
    「へぇ」
    「今おまん、『以蔵さんに美術館なんて似合わないねぇ』って思うたろう」
     標準語のイントネーションを使った以蔵の言いがかりに、龍馬は首を振る。
    「誰もそんなこと言ってないのに」
    「わしも自分が人からどう見られちゅうがは知っちゅう。やき、わしは入らんで、立香だけ入らす。そばに喫煙可のカフェもあるらしいき、わしはそこで一服する」
    「以蔵さんらしくないな」
     龍馬は不思議そうな視線を向けた。
     この幼馴染みは何を言うのか。
    「おまん、わしの言うこと聞いちょらんがか。わしが美術館とかいう柄か」
    「以蔵さん、立香ちゃんのことが大事じゃないのかい」
    「わやにするがはやめぇや。大事やないわけがない」
    「……もしかして以蔵さん、知らない? 美術館って結構『虫』が多いんだよ」
    「虫」
     以蔵は意外な言葉をおうむ返しする。
     美術館は空調も効いて清潔な空間のはずだ。虫一匹でも通したら、やつらはあっという間に湧いて貴重な収蔵品を食い散らかすだろう。
     龍馬の言葉に納得が行かない。
     と、思っていたら。
    「――あぁ、虫って本物の虫じゃないよ。人間のこと」
     以蔵の表情から考えを先回りしたのだろう、龍馬は言った。
    「僕たち男にはなかなか想像がつかないけど、女の人は大変なんだ。ウエメセおじさんに遭ったり」
    「ウエメセ?」
    「『上から目線おじさん』のこと」
     なんのことかわからないが、視線で先をうながす。
    「ある種のおじさんは、『女の子は何も知らなくて、美術品の楽しみ方がわからない』って思ってるらしくてね」
    「ほがなことはないろう」
     立香は大学で熱心に勉強している。英語も喋れるし、以蔵の知らないことをたくさん知っている。女の中にはもちろんもの知らずもいるだろうだが、それは男も同じだ。
    「僕もそう思うよ。でも、彼らはそういう思い込みをして、ご丁寧にも『教えてあげ』る。それが女の子たちの役に立つって本気で思ってる。もちろん、助平心も込みでね」
    「なんじゃと」
    「言葉は悪いけど……タダで女の子からちやほやされたいと思ってるんだろうね」
     以蔵の中で、瞬間的に怒りが膨れ上がる。
     立香と出逢う前、以蔵はよくキャバクラに行っていた。
     もちろん、そこの女たちは以蔵の言うことを熱心に(見えるポーズで)聞き、よく持ち上げてくれた。
     しかしそれは金銭が介在しているためだ。聞き上手なのも、指名料を稼ぐためのスキルでしかない。対価がなければ、誰も好んでそんなことはしない。
     以蔵にもわかる道理が、その男たちにはわからないのだろう。
     知識を『教えてあげ』ることが対価たり、喜んで歓待してもらえる。その上、肌つやのいい若い娘と喋れる。WIN-WINだ――などと。
     自分に都合のいい捉え方をする狒狒爺ひひじじいどもに、立香が消費されるかもしれない。
     それは許せない。
     眉毛をぴくぴくさせる以蔵に、龍馬は畳みかけるように言う。
    「あと、空いてれば問題ないけど……混んでると、ね」
    「ね、で止めなや。何がある」
    「美術館に行く人は、目の前の絵に集中するだろう。どうしても、周囲への警戒が薄まる。そんな時に便乗する輩も……」
    「わかった。わかったわ。みなまで言いな」
     以蔵は龍馬の言葉を遮った。
     要するに、痴漢のことを言いたいのだろう。隙あらば女体に触れ、その柔らかさを味わう連中だ。
     そういう輩は、脂肪がついていれば誰でもいい。よく『露出度の高い、派手な女が狙われる』と誤解されるが、実際には抵抗しなさそうなおとなしい女がその毒牙にかかる。
     案外お転婆はちきんな立香がそんな立場に甘んじるとは思えないが――恋人が『誰でもいい』女として扱われると考えただけで、はらわたが煮える。
     彼氏である以蔵だって、ろくろく触れていないのだ(もっとも、以蔵が勝手に『大学を出るまで抱かない』という誓いを立ててしまったからだが)。
     以蔵は黙ってスマホのスリープを解いた。手早くLINEを立ち上げ、オレンジ色のシュシュを撮ったアイコンをタップする。
    『今通話大丈夫か』
     メッセージを送ると、すかさずスマホが鳴った。人差し指で緑色のボタンをタッチする。
    『以蔵さん、どうしたの?』
    「美術館」
    『ん?』
    「美術館、わしも行く」
    『うん、つき合ってくれるよね、外で待って』
    「ほうやない、わしも一緒に入る」
     以蔵が低い声で言うと、立香はあわてた様子になった。
    『いや、いいって。無理しないで。好きでもないものを無理に見る必要ないよ』
    「わしが行きたい言いゆう。わしはおまんを護りたいがじゃ」
    『ちょっと意味がわからないけど……そこまで言うなら、一緒に行こうか?』
    「どんな輩にもおまんには指一本触れさせんき」
    『うーん、不安……それはともかく、まだお仕事だよね? 頑張ってね』
    「おまんもほどほどに頑張りや」
     通話を切ると、龍馬がこちらを見てきた。
    「以蔵さん」
    「なんじゃ、わしの顔に何かついちゅうがか」
    「いや、僕の英雄ヒーローはやっぱりかっこいいな、って思ってね」
     龍馬はさわやかに破顔した。
     どうも、この男が以蔵に向ける感情は大きすぎる。


     都心へ向かう時は、立香を最寄り駅まで迎えに行く。
     改札の手前で手を振ると、立香はぴょんぴょん飛びはねてなかば駆け足で自動改札機を通った。
     タックルしてくるのをよけて片腕で支えると、普段よりわずかに立香の目線が低い。
    「おまん、ちいそうないかえ」
    「以蔵さんってほんとに鋭いよね」
     立香は視線を己の足許に向けた。つられて見れば、普段よりもヒールが低い。
    「美術館って思ったよりも歩くし、止まって見ることもあるから、足が疲れちゃうの」
     ロングスカートの裾をひらひらさせる立香に、
    「ほがになったら、わしが助けちゃる」
    「あんまり人前じゃそうなりたくないかな……」
     以蔵としては好きな女の窮地に手を差し伸べる騎士になりたいし、照れる立香を見たい。
     しかし、あまりこちらの欲望をぶつけては立香の機嫌を損ねてしまう。
     とはいえおかんむりの表情も実に可愛く――いや、これを繰り返したら確実に喧嘩になる。既に実証済みだ。
     可愛い立香に触れたくて立香が離れることになったら、本末転倒もはなはだしい。
     だから小さい手を武骨な手で握って電車に乗る。
     幸運なことに、目の前の席が二人分空いたので並んで座った。立香の手を太腿に乗せさせ、しばしの癒しを得る。
     ターミナル駅で地下鉄に乗り換え、目的地で降りる。目当てのビルは地下通路から直通で入れるので、手を繋いで一階への階段を上る。
     美術館の受付で二人分のチケットを買い、チケットをもぎってもらって館内に入ると、天井の高いロビーに迎えられた。広い空間にはいくつかソファが並び、天窓から自然光も入る。
     ホールから入る展示室の光量は抑えられていて、ガラスの向こうの展示物がライトで照らされて浮かび上がる。
    「ふわぁ……」
     甘いため息。感嘆に輝く金色の瞳が、展示物に注がれる。
     中国産とおぼしい大皿は、テグスで慎ましやかに、しかし堅牢に固定されていた。龍と鳳凰の描かれた図案は鮮やかな朱色と深い藍色で彩色され、以蔵の心にも素直によさが伝わった。
     王侯貴族は毎日このような華美な皿で食事を摂っていたのだろうか。
     家の食器の半分を『パン祭り』の景品でまかなっている以蔵には、想像ができない。食事など、腹の中に収まれば同じだ。
     ――と、かつてなら思っただろう。
     視覚から摂れる栄養もある、と今の以蔵は知っている。
     立香は今時の若い娘らしく『映え』を重視し、見た目からも食欲をくすぐる彩り豊かな料理を作ってくれる。
     認識を塗り替えてくれた恩に報いるため、周囲を警戒する。
     週末の美術館には女性の二人連れやカップルもいるが、以蔵が思っていたよりも一人の女性客が多い。彼女たちは音声ガイドを借り、ガラスに貼りつくように展示物を観察している。
     こんなに熱心な者よりも自分の方がものを知っていると過信して、『無知な女の子に教えてやろう』と思うおっさんは、脳みそが下半身についているのだろう。
     そんな男が立香を見るなら、「わしももの知らずですき、教えてつかぁさい」とこちらから話しかけてやりたい。
     少しでも立香に害意を持つ者を、以蔵は許さない。
     ちょいちょい、とジャケットの裾を引っ張られた。視線を向ければ、立香が展示物の方を指さしている。
    (み・て)
     口の動きで以蔵をうながす立香は、以蔵が楽しめているかどうかと心配しているのだろう。
     以蔵にとっては、立香のためになるほど楽しいことはないのだが。
    (わ・かっ・た)
     口パクを返して立香の背後に立ち、ガラス越しに漆塗りの茶入れを覗き見る。
     大きさは以蔵の手のひらに収まるほどだ。以蔵も知っている、高名な茶人も愛用していたというそれは、以蔵にはただつるんとした壺状の入れものにしか見えない。
     わびさびなど理解できない。先ほどの皿の方がわかりやすく、以蔵の心を刺激する。
     一度展示室からロビーに戻り、空いていたソファに座る。
    「だれちょらんか」
    「うん、大丈夫。以蔵さんは?」
    「気にしな、わしは体力勝負の仕事やき」
    「そうじゃなくて、面白い?」
     問われて、しばし考える。
     以蔵のように無教養な人間には、美など縁遠いと思っていた。
     しかし、直感的に楽しめるものもある。想像を巡らせることもできる。
     おまけに、立香が展示物に純粋な金色の瞳を向けているのは可愛い。
    「えいよ」
     答えると、立香はいぶかしげに首を傾げた。
    が気になる……無理してない?」
    「大丈夫じゃ、おまんに知らん世界見してもろうちょるがよ」
     以蔵の笑顔に、立香も頬を緩ませる。この顔が見たくて、そばにいる。
     十分ほど立香の展示物への情熱を聞き、
    「次行こう。本命があるんだ」
     と、立ち上がる立香に手を伸べる。
     次いで入った展示室には、日本画や掛け軸が見やすいように壁にかかっていた。
     技巧や構図などはわからないが、悠然とした筆致の山水画は見ていて気持ちがいい。
     立香の背後にについてぼんやりと眺めていたら、また裾をつままれた。
     引かれるままに進み、四方をガラスに囲まれた展示台を見る。
     黒い茶碗の中に、藍色の宇宙が広がっていた。
     頭上からのライトを浴びて、器の内側の班紋が星のようにまたたいている。星の周囲を瑠璃色のかさが覆い、見る角度によって違う揺らめきを見せる。まるで夜空を見上げているように。
     立香がほぅとため息を吐く。
     展示台に据えられた説明書きには、『国宝 曜変天目』とあった。
     国宝だからみな美しい、価値がある、というわけではない。
     それでも、この茶碗の美しさはわかる。人の心を惹きつける。
     二人で展示台の周囲をぐるりと回り、ひとしきり鑑賞した。
     元の場所に戻って、以蔵は立香にアイコンタクトと口パクを送る。
    (も・う・え・い・か・え)
     立香がうなずいたので、手を繋いで展示室を出た。ロビーのソファに座り、
    「よかったね!」
    「ほうじゃの」
     以蔵の相槌に、立香は金色の瞳を輝かせた。
    「曜変天目ってほとんど現存してなくて、日本には三つしかないの。やっぱり貴重だから、なかなか展示されないんだけど……だから今日来れてよかった!」
    「ほに」
    「以蔵さんはどうだった?」
    「ん……言葉にするがはしようないの……えい。えいとしか言えん」
     以蔵には語彙がない。龍馬なら立て板に水とばかりに思ったこと感じたことを流暢に話すのだろうが、そんな器用さは持ち合わせていない。
     ただ、曇天の隙間から差す光のはしごのようなライトの調光と、それに照らされた宇宙のことは覚えている。
     以蔵がなんとか内面を言語化しようとうんうんうなっていると、
    「もう一声! ワンモア!」
     立香が更なる言葉をねだる。
     だから以蔵は、思考をショートカットした。
    「……彼女さんの大事さ、かの?」
     立香は頬を染めて、金色の瞳で以蔵をにらむ。
    「そういうこと聞いてるんじゃないのに!」
     人目がなければ、ぽかぽかと以蔵の胸を叩いてきたに違いない。
    「ばかばか! 隙あらば口説くの禁止」
     唇を尖らせる立香が可愛いと思いつつ、返す言葉を探す。
     口説いているつもりなんてない。
     ただ思ったことを言っているだけだ。
     立香がここに来たいといったから、以蔵もついて来た(龍馬の入れ知恵もあってのことだが)。
     ここで美と、美に触れられる自分を見つけた。
     方々から金を寸借しては酒と賭けごとと女に浪費していた頃だったら、このように繊細なものを感じ取ることはできなかった。
     立香は「わたしのごはんで以蔵さんの身体を作り替えたい」と言うが、なんのことはない、以蔵はとっくに変えられている。
    「ほんに、おまんに逢えてよかった」
    「もぉーっ! わたしは感想を聞きたいのに!」
    「感想、言うちょるがよ」
     以蔵は華奢な手に骨太の手を重ねた。手の甲を何回か撫でてやると、立香は手のひらを上に向けた。
    「ごまかされないから!」
     それでも、以蔵の手を握ってくる。立香の嬉しさが伝わり、多幸感に覆われる。
     しかし外では、この感情を発露するのはふさわしくない。
     その代わり、以蔵は聞いた。
    「腹減ったろう、飯行くか。なんぞリクエストはあるかえ」
    「以蔵さんと一緒ならなんでも――」
    「『なんでも』は禁止じゃ。おまんの頭で考えぇ」
    「えぇぇ……」
     立香は顎に親指を当てて目を伏せた。
     食事も楽しみだが、この顔をもうしばらく見ていたくもある。
    「せめて選択肢! 選択肢くれませんか」
    「ほうじゃの……」
    「わたしだけ考えるのは不公平だから!」
     立香は従順でありすぎることをよしとしない。恋をしながら自分を保つ人は、以蔵が道を誤りかけた時も黙って見ることはしないだろう。
    「臭い野菜が入っちょらんやつ」
    「割と狭まったっ」
     きらきらする金色の瞳は美しい。
     手放してなるものか、と思いながら以蔵は柔らかい手を掴む指に力を込めた。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・ふたなり
    ・メリバの予定
    ジュンブラで本になります。
    両想いになります!話自体は両想いで終わる予定なんです(すれ違いも盛り込まれますが)幸せな空気を目いっぱい吸っている以ぐだちゃんだけを見ていたいですけどこの話オメガバなんですよ(ゲス顔)お互いに相手をわかり合ってるのいいですよね🙆‍♀️
    すてきなわたしの夢 7 金曜の夜、イタリアンバルのドアの前で、会計を済ませる立香を待つ。
     ほどなく、上機嫌の立香が出てきて以蔵の腕にしがみついた。
    「いぞーさん、お待たせ~」
     ハートの絵文字が見えるような口調だ。
    「そしたら、行こっか。いいお茶買ったの、淹れて飲もう」
    「茶か……茶なら、ちっくと飲むがが遅れたちえいろう?」
    「え?」
     以蔵の言葉が思いがけなかったのだろう、立香は目を丸くした。
    「ケーキ買うてあるがじゃ。今夜はうちん家に来んかえ」
    「ケーキ……なんで?」
    「おまんと食いとうて」
    「なんで、うちじゃなくて?」
    「おまんと話いとうて」
    「何の話だろ……」
    「着いたら話す。おまんがえいなら行くぞ」
    「はい」
     以蔵の腕に掴まり、立香はふわふわと歩を進めた。
    6390

    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・メリバの予定
    ジュンブラで本になります。
    実は漫画家鉄蔵先生という設定はこれありきではなく展開の都合上生まれたのですが、天才が存在する・絵がうまいからやっていけるわけではないというのがキャラクターに合ってるなと思ってます。
    少し風向きが変わってきて、二人はどうなるんでしょうね。
    わたしのすてきな夢 6 何度か『取材』を重ねた。
     少しずつ、立香のクレバスの様子が変わりつつある。
     硬直していた襞に柔軟さが宿り、一本だけなら以蔵の指を受け容れられるようになった。
     しかも、縁の花弁の厚みがわずかだが増した。
    (こがぁにざんじ変わるがかのう……?)
     と、疑問を覚えるが、ネットにはαやβがホルモンバランスを崩してΩへと変化してしまったという話もあるので、そんなものだろうという感覚でいる。ネットの話に信憑性を見出すのも間違っているかもしれないが。
     人一人の身体を作り替えてしまっている、ということの恐ろしさも感じるものの、
    (まぁ、本人がえい言いゆうことじゃき。わしは知らん)
     今夜も立香のしなやかな脚の間に陣取って、長く伸びたものと狭い穴に愛撫を施した。
    5275

    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・メリバの予定
    割と岡田の行動が酷い男寄りです。純情を踏みにじられたと怒っているので、今は見逃してやってつかあさい。βは『男が会計を持つもの』と思っていますがαは『αが持つもの』と思ってそうです。そういう常識のギャップを描くのも楽しいです。
    前半パートと後半の頭をWebで公開して残りは本に入れようと思っています。
    わたしのすてきな夢 5 最寄り駅のロータリーに、知らされていた通りの黒に近い濃紺の色のセダンが滑り込んだ。
    「以蔵さん!」
     車窓から身を乗り出して手を振る立香を危なっかしいと思いながら、以蔵は助手席に乗り込んだ。
    「お待たせ」
    「言うほど待っちゃぁせんよ」
    「じゃぁ、待ってなかったってことにしようかな」
     くすくすと小さく笑いながら、立香はアクセルを踏んだ。
     先日のオフィスカジュアルもフェミニンだったが、私服だとよりその傾向が増すらしい。
     ショート丈の白いジャケットに、紫色のシアースカートを合わせている。メッシュ素材が運転席のレバーなどに引っかかりはしないかと心配してしまうのだが、本人は気にしていないらしい。
    「車らぁ、持っちょったがか」
    4532

    subaru_no_iine

    DONE以ぐだ♀ オメガバースパロ β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ゆるふわ漫画業界
    ・今後バッド~メリバエンドになります
    ぐだちゃんと岡田が逢いました!次はRがつきます。漫画業界の話をするとここがオメガバースの世界だってことを忘れそうになりますが、オメガバの世界だってみんな普通に生活してるんだよな…と思い出します。βから見たαとΩを考えるのも楽しいですね。
    わたしのすてきな夢 3『やりました!』
     立香は歓声を上げた。
    『五百バズですよ!』
     しかし以蔵は現実を知っているから諌める。
    「漫画で五百らぁ、珍しゅうもないですき」
     イラストで『バズった』と言われるには、最低でも一万はいいねがついていないといけない。
     以蔵はそんなにいいねをもらったことがない。コミックスの表紙イラストを発表した時でさえ、千いいね程度だった。
    (しかもほれも、わしの実力でもろうたわけやないきのう……)
     けれど立香は、興奮を抑えない。
     きっと頬を赤くして、目をきらめかせているだろう――と考えてから、
    (わしはこん人の顔も知らん)
     と、当たり前のことに思い至る。
    『わたしは漫画やイラストのことはわからないですけど、このブランドを担当してから五百いいね行ったのは初めてなんです!』
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