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    めるしー

    @mellsee_m

    いろいろ書きます。

    過去作品は、ギャレリア→
    https://galleria.emotionflow.com/111000/gallery.html
    ※ポイピクのも修正して、ギャレリアへアップする場合があります

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    めるしー

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    6期成長if。人間でいうと、14、5歳くらい。
    目玉おやじのふわっとした結婚の説明をずっと信じていた鬼太郎が、水木への恋心を自覚する話。

    ※鬼太郎・目玉おやじ・水木で同居。水木は記憶を取り戻している
    ※ねこ娘は幼なじみ的関係
    ※鬼太郎は恋愛や結婚をよく分かっていない。恋している自覚もないまま、将来は大好きな水木と当然結婚するのだと思っている

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    #鬼水
    ##ggg

    芽生え※この話独自の設定です。読み飛ばしても、あまり影響ないかもしれないです……
    ※砂かけばばあたちに教えてもらったのは、あくまで恋愛・結婚関連で、保健体育的な内容ではないです

    <妖怪の結婚観>
    ・きまりはなく、本人たちが同意していれば良い。性別、種族等問わない、また一夫一妻制ではない(友情との違いは本人たちしだい)
    ・パートナー(複数)+その子どもたちといった、恋愛感情でつながった共同体みたいなスタイルもある
    ・特定の儀式はない。それぞれのご先祖さまに誓いを立てることもあるが、絶対ではない。人間のように、デートしたり、プロポーズや結婚式をしたりすることもある

        ◇ ◇ ◇

    「とうさん、『ケッコン』ってなあに?」
    「鬼太郎、それはな、大好きな者同士が一緒にいることじゃ」
     幼き日の僕の問いに、父さんはそう答えてくれた。

    「鬼太郎、あんたその認識マズいわよ!」
     ねこ娘はテーブルをバンっと叩くと、立ち上がった。
     僕は驚いて、つまもうとしていたお菓子を取り落とした。
    「大声出すなよ、ねこ娘」
    「そういうことに疎いとは思っていたけど……」
     彼女はため息をついた。
     ねこ娘の家でお菓子をつまみながら、世間話をしていた。
     最近、親しい友人たちが、続々とコーサイ相手を見つけ、遊びの誘いも断られることが多くて、つまらないとのことだった。
     僕とは違い、積極的にコミュニケーションを取り、交友関係の広い彼女の話は別世界のようだ。適当に返事をしていたら、「ちゃんと聴いてる」と怒られ、「要するに、こういうことだろ」と説明したら、「全然違う!」ということだったのだ。
    「もういい! 見てられない」と言って、彼女は僕を置いて、どこかへ駆け出してしまった。

     しばらくすると、ねこ娘は子泣きじじい、砂かけばばあを伴って戻ってきた。
     ねこ娘は僕の顔をじーっと見つめると口を開いた。
    「鬼太郎、さっきの話、もう一度してみて」
     僕の話を聞くなり、三人は深いため息を漏らした。
    「やれやれ、目玉おやじよ」
     子泣きじじいが、心底呆れたという声を出した。
    「言うてやるな。あやつは誠実な男ではあるのじゃが……なんというか、少しズレておるからの」
    「鬼太郎の母とはとんとん拍子じゃったからのう……そういったことに気がまわるような者ではない」
    「うーん、これは思った以上に難儀しそうじゃな」
    「鬼太郎、わしらの話をよく聞くのじゃよ」
     ねこ娘は「年の近い者がいると、気まずいだろうから」と出ていった。

    「ふー、今日も良い湯じゃ」
     父さんは、気持ち良さそうに目をつむった。
    「今日はねこ娘のところに遊びに行ったのじゃろ? 変わりなかったか?」
    「ええ。それに、子泣きじじいや、砂かけばばあも来て、いろいろと世の中のことを教えてくれました。でも僕には難しくてよく分からなくて。二人には『いつか分かる日が来るだろう』と言われました」
     僕は茶碗に湯を足してあげた。
    「父さんと水木さんは、結婚してるんですよね?」
    「なんじゃと あやつとはそういう関係じゃないぞ」
    「え? だって父さんたちは仲良しじゃないですか?」
    「鬼太郎、仲良しだからって、別に結婚しているとは……お、おい鬼太郎、どうした しっかりするのじゃ! 水木、水木ー!」

     父さんと水木さんが結婚していなかったなんて……!
     そんな……! そんな……!
     結婚は、大好きな者同士が一緒にいることなんでしょ。だから……
    「僕がもう少し大きくなったら、水木さんと結婚するんだと思ってたのに」
    「ん? 鬼太郎、なんか言ったか?」
     はっとして目が覚めた。布団に寝かされていた。
     水木さんが僕の顔を覗き込んでいる。
    「お前、倒れたそうじゃないか。大丈夫か?」
     目から熱いものが流れ出した。
    「おい! どこか痛いのか?」
     ようやく僕は、自分がこれまで大きな勘違いをしていたことに気付いたのだ。
     どうしてこんなに悲しいのだろう。どうしてこんなに苦しいのだろう。止めようとすればするほど、涙は止まらなかった。
     水木さんは泣きじゃくる僕を抱き寄せ、肩をさすってくれた。
    (水木さん、今日くらいは、甘えてもいいですか……?)
     僕は体を起こして、水木さんに抱き着いた。
    「背が伸びて大人びてきたと思ってたけど、まだまだ子どもだな」
     そう言って、僕の頭を優しく撫でると、僕の背中に腕をまわした。あたたかくて幸せな感覚が全身に広がった。もっと撫でてほしい。できるなら、ぎゅっと抱き締めてほしい。「好き」って言ってほしい。
     寂しくて苦しくて、そして切なくて、僕は腕に力を込めた。
    (砂かけばばあたちが言ってたのって、こういうことなのかな)

    <数年後>
    「水木さん……あの……」
    「どうしたんだ、鬼太郎? あらたまって」
     僕の顔は、きっと真っ赤になっているのだろう。自分でも、火照っているのが分かる。
     後ろ手に持っていた花束を差し出した。
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    Replies from the creator

    めるしー

    DONE「ゲゲ郎」という名に縛られてしまった、父と水木の話。
    ※設定捏造多め
    ※前編は目玉おやじ、後編は水木視点
    ※前編(1/7投稿のものに加筆修正)+今回書いた後編。完結済み

    <あらすじ>
    哭倉村の件から数年後。水木、目玉おやじ、鬼太郎で同居。
    だんだん様子がおかしくなっていく水木を見ていられず、目玉おやじは鬼太郎と家を出ようとする。一方、水木は……?

    無断転載禁止 / Do not repost.
    魚と水前編 妖怪の寄り合いがお開きになったあと、わしは砂かけばばあに呼び止められた。彼女の肩に乗せてもらい、世間話をしながら帰途につく。
     森でかたまって暮らす他のものたちと違い、わしは息子とともに「水木」という人間に世話になっている。
    「お主、力を取り戻しておるのじゃろう?」
     いよいよ人間の街との境に近付いてきた頃、彼女に言われたのだった。

        ◇ ◇ ◇

    「遅くなったな。ただいま帰ったぞ」
     家に入り声をかけるが、返事はない。
     水木は縁側に座り、ぼうっと遠くを見ていた。その腕には鬼太郎を抱いている。時折頭を撫でたり、ぎゅっと抱き締めたりしている。
     なにか深く考え込んでいるのか、わしが近付いても反応がない。最近、彼はこうしていることが増えた。
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