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    nmhm_genboku

    @nmhm_genboku

    ほぼほぼ現実逃避を出す場所

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    nmhm_genboku

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    飯テロ♡

    Hey兄ちゃん!そんなことより唐揚げ食いな!!この話を書くまでのあらすじ
    背徳感はサイコーで、時として人の人生を狂わせる

    お腹がすいたら読む話
    ノリと勢いなので何も考えずに読むこと。
    夜中の鮭茶漬けはただの夜食。
    背徳感は生まれなかった。

    ジューシーな鶏もも
    しっとりとしたササミ
    むっちりとした手羽先
    コリコリ食感がたまらない首元
    軟骨すら美味しい手羽元

    晩御飯に出てきたら一躍人気ナンバーワン!さっぱりとした味から濃厚な味まで全てを包み込むおかず、唐揚げ。

    晩御飯の残った唐揚げをチンしてふやけた衣さえも夜中の背徳感のディナーである。

    「おまちどぉ!」

    ここは“油屋”。今日も夜中の背徳感を得るために、小さい子供から酒に溺れたおっさんまで幅広く来店するキッチンカーの店主、日向海都の話である。


    パチパチと弾ける油の海から帰ってきた部位が、じゅわじゅわ音を立てて腹の虫を刺激する。綺麗なきつね色にコーティングされた衣を突き破って頬ばれば、じゅわっと肉の中に溶けだした油が口の中を侵略する。

    鶏肉に恋をしたのは中学の部活帰り。
    腹が減って死にそうになっていた俺の前に精肉店のばぁちゃんが出してくれた手羽元が、俺をこの道に進めるきっかけだった。
    さっぱりとしたポン酢に浸され煮込まれた手羽元。口に含めば酸っぱいながらもじゅわりと広がる油の甘み。きゅうっ、と口の中がヨダレでいっぱいになりながら噛み締めれば、トロトロの皮と、煮込まれすぎてくたくたに柔らかくなりまくった肉と、それに付随する軟骨は、もうこの部活帰りの疲れた肉体を速攻で回復してくれる究極の栄養食だった。

    鶏肉が好きだ。俺はもうこの時、このさっぱりとした鶏肉と結婚するとこまできていた。だけど足りない。そうだ、俺が食べたいのは肉。この鶏肉本来の、肉々しい油が食べたいのだ!!!

    そして俺は唐揚げを極めるために試行錯誤を繰り返した。
    小麦粉は揚げたてはさっくりで、冷めてもしっとりしてて、大抵はこれで満足だろう。だが俺はとある熊本ラーメンに取り憑かれた男から貰ったあげにんにくが存在する。出来たてを食べるならやっぱり小麦粉ではなく片栗粉。醤油、みりん、酒、しょうが、みじん切りの玉ねぎと、すりおろしたリンゴをぶち込んで、揉み込む。味がしっかり中まで入るように最低5時間個人的には16時間しっかり漬け込んで、片栗粉を薄くまぶして上げていく。唐揚げは2度揚げが最高だ。だがそれはもも肉だからであって、手羽元や、手羽先、ささみはまた違う。各部位ごとに美味しい揚げ方があるのだ。ささみ肉は揚げすぎると固くなるけど、衣を纏わせる前の時点で油を入れるとしっとりとした弾力になる。あのパサつきはささみにある油分が足りないからであって、ささみはカロリーが少ないから女性に人気なのだ。美味い唐揚げはしっとりむっちり。これが定番。

    味がうまく染み込むようにフォークで穴を開けておくことも忘れない。中までじゅわっとしたつけダレの味が口の中で広がる幸せを噛み締めろ!
    ソースは定番のトンカツソースだって俺は好き。でもあの熊本ラーメン狂信者に渡されたあげにんにくと、マヨネーズとすこしの塩、醤油を混ぜたものを付けて食うのもすげぇ美味い。それをどんぶりにして白米と一緒にかきこめば、口いっぱいに幸せの味が広がるのだ。え?塩分高い?ンなの気にしてたら夜食なんて食えねぇよ!!

    夜中の背徳感を増すのはマヨネーズと鶏皮だ。レンチンした衣が少ししなったもも肉の唐揚げに、にんにくマヨネーズ、刻んだノリと白米を一緒にかきこませるために、今日も俺はキッチンカーを走らせて若者はびこる街を走るのだ。

    なーんて意気揚々と出たけど、実は発注ミスって手元に鶏肉がいっぱいあるんだよー!!!ハロウィンだからって油断した…。誰か…誰か助けてクレメンス。

    廃棄になんてさせたくないよォ、なんて泣きながら走っていたらすげぇたくさんの学生がいて俺は目を輝かせた。
    いい所に処理班いんじゃん!!!

    「へいガキ共!腹が減っては戦なんて出来ねぇだろ!」

    俺の唐揚げ食ってから喧嘩しな!!
    その男の姿を見た瞬間、若干2人はとあるラーメン信者の姿を思い浮かべた。

    「オイ、てめぇ!何わかんねぇこと言ってんだ!いくら一般人でもぶっ殺すぞ!!」
    「はー、やだやだ、お腹すいてっからそんな言葉出てくんだろ?食えよ!オッラ!!丹精込めて漬け込んだ俺の唐揚げをよォ!!!」

    ガボッとメンチ切ってた男に揚げたての唐揚げを容赦なく口の中にぶち込み食わせる。あっづ!!なんて言ってもじゅわっと広がった油の甘みに目を見開いてこちらを見下ろしてくるのをみてにっこりと笑って食えよ。と箱詰めにした唐揚げを渡す。各部位1個ずつ入った俺特製の唐揚げだ。美味いだろ?なぁ、美味いだろ????

    「ほらほらー、食え食え。腹減ってるから喧嘩なんてすんの。俺の唐揚げ食えよ、安価で食える幸せだぜ!」

    無言で箱の中を食ってるオニーサンにつられて周りもぐぅ、と腹を鳴らす。いいねいいね!これなら一気に処理できそうだ!

    「おっら、こっち来い!うまい唐揚げ食わせてやんよ!」

    喧嘩よりも俺の唐揚げ食え!
    じゅわっと柔らかいもも肉、パサつき知らずのささみ、むっちりとした手羽元、ピリ辛の甘酢ダレを漬け込んだ手羽先。美味しいは正義!オッラ沢山食べろ!ザックザクの衣を噛み締めろ!

    「ところで何してたの」
    「んー…忘れた!」

    ふと我に返って目の前の男にそう聞けば、もきゅもきゅとほっぺに唐揚げを詰め込んでそう答える金髪の少年に俺はふぅん?と首を傾げながら肉を揚げていく。まぁ、別に何してたか聞いてもわかんねぇしいいか、と結論づけてそう言えば、と脳裏に俺のおすすめの食べ方を浮かべる。

    「…知ってっか?お前ら」

    白米もここにあるんだぜ。
    スッ、と少しデカめの茶碗を出した瞬間、てめぇふざけんなよ!!?って怒られたので盛大に笑ってやった。

    美味しいは正義!

    「ほれ、これ持って帰れー。帰ってトースターでも電子レンジでもいいからチンして晩御飯にでも食いな。ついでに言えばこのソースを唐揚げにかけてご飯と一緒に食えばさらに口ん中が幸せハッピーになるンだぜ!」

    満腹の少年たちに手土産の唐揚げを渡しながらそう言えば、キラキラした目でお礼言われた。ウッ、顔がいい。

    「てか良くあんなピリついた場所に割って入ったな、お前」
    「商売なんて度胸で何とかなるんだよ!」

    うまい飯さえ作っていれば問題ねぇし!なんて辮髪の少年に言えば変なやつを見る目で見られた。失礼じゃね?ねぇ、失礼じゃね???

    「んじゃ、遅くならないうちに帰れよー!」

    またなー!なんて言って空っぽになった冷蔵庫に満足してエンジンをかける。ばいばーい!なんて手を振った少年たちに手を振り返して発進。いやぁ、無駄にならなくてよかったー!!




    「…帰るか」
    「そうだな」

    はいはい、解散。今日はもううまい飯にありつけたからもう解散!!
    ゾロゾロと出鼻をくじかれて腹一杯になった男どもが帰って行く姿を見ながら、武道は思った。唐揚げの威力ってすげぇな、なんて。

    ☆☆☆

    「よっすっすー!」
    「おー、はせっちじゃーん!元気に狂信者増やしてる?」
    「バーロー、深夜のラーメンは狂ってるやつ以外でも食うんだよ!!」

    でもうまい飯に罪はない。
    せやな。

    にっ、と笑ってお互い近くのコンビニで缶ビール買って帰る。さーて、今日はラーメン狂信者のラーメン食って酒飲むぞー!

    ちなみに計画を崩された褐色の男が憎しみ込めた目で唐揚げの店主を見ていたなんて知る由もない話である。


    ところでこれって何の話だっけ?
    唐揚げの話


    夜中に食べる夜の残り物の唐揚げってほんとに罪だと思う。
    明日のお昼ご飯に入れる予定なのに冷蔵庫開いた瞬間に出てくる茶色の物体。
    酒が進むし、コーラも進む。

    あー、明日のおかずがー、なんて言いながら食べる唐揚げって罪悪感も加わって背徳感満載だよね。そこににんにくマヨネーズとか、一味マヨとか、醤油マヨを付ければさらに美味しい。白米なら断然にんにくマヨネーズ一択だわ





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